前引けの日経平均は552円安の3万2,305円、TOPIXは32ポイント安の2,327ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は266、下落銘柄数は1,361。出来高は10億9,790万株、売買代金は2兆7,239億円。
植田日銀総裁が7日に金融政策運営について「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と発言したことが早期の政策正常化の思惑を浮上させ、海外市場で一時1ドル=141円71銭まで円高が進んだ。
モルガン・スタンレーMUFG証券では、一部の海外投資家は、日銀が会合毎に金利を徐々に引き上げていく積極的な利上げを行うと見ているようだと解説。
なお、モルガン・スタンレーMUFG証券自体は、マイナス金利政策が解除されるのは2024年1月、リスクシナリオとして23年12月とみているが、その後の金利引き上げについては、春闘を前に、賃上げに向けた最近の良いモメンタムが損なわれては元も子もないので、今後の利上げを急がないというハト派的なスタンスを強調すると予想している。
本日の日経平均は大幅続落となったが、3万2,300円の水準では下値抵抗を見せた。
マイナス金利政策解除の観測で円高が加速したため、トヨタを始めとした自動車株が売られ、鉄鋼や非鉄も安い。
金利上昇警戒で不動産株も下落した。
一方、円高メリットのニトリやニチレイが買われた。
円高により日本人の購買力が高まるため、海外旅行が増えるという見方からエアトリ(6191)やオープンドア、HISといった旅行関連が高い。
ベネフィットワンは第一生命からTOBが提案され、急騰した。
日銀のマイナス金利解除については、まだ急がないという見方もあるので、メガバンクは伸び悩んだ。
業種別下落率上位は輸送用機器、ゴム、鉄鋼、非鉄、鉱業で、上昇は空運、銀行、紙パルプ、陸運。(W)