TOP  NSJアップデート  コラム  【本日のマーケット】2月9日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿
コラム2024年2月9日

【本日のマーケット】2月9日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

2月9日(金)のマーケット                                                                   

2月8日の米国株式市場は小幅だが3日続伸。NYダウは中盤に反落したが、終盤に小幅高へと持ち直した。S&P500は一時5,000ポイントを付けた。ディズニーは通期調整後1株利益予想がアナリストを上回った。自社株買いを目指す計画は配当増額も好感された。NYダウは前日比48ドル(0.13%)高の38,726ドル。ナスダックではアームが急騰。1~3月期の見通しがアナリスト予想を大幅に上回った。レネ・ハース最高経営責任者(CEO)はAIが並外れた好機を生んでいるとし、ブームはまだ初期段階だと述べた。NASDAQ総合指数は前日比37ポイント(0.24%)高の15,779。S&P500指数は前日比2ポイント(0.06%)高の4,997。

ソフトバンクGが5四半期ぶりの黒字確保で急騰し、日経平均は一時423円高の3万7287円となったが、買い一巡後は3連休を控え、ともに上げ幅を縮めた。19年ぶりに復配のルネサスが続伸。FOOD&LIFEは好決算で大幅高。フジクラは通期の減益幅が縮小する見通しで配当予想を増額したためストップ高。デンマークの海運大手のマースクが10~12月期が最終赤字で24年も最終赤字見通しを示し急落したため、邦船3社も売られた。

スタンダード市場では、住石HDと伊勢化学が大幅続伸。直近新規公開株のSOLIZEがストップ高。サイオスは生成AIコンサルティングサービスを開始し、今期黒字回復予想でストップ高。パチンコ・パチスロ関連のGCジョイコは通期予想を上方修正したが四季報予想に届かず失望売り。

グロース市場では、直近新規公開のVISが大幅高。売れるネット広告は本日もストップ高。IGSは三井住友信託と業務提携でストップ高。monoAIが大幅続伸。リッジアイはGPT実践活用でワークショップを開催することでストップ高。カバーは業績予想を上方修正したが下落した。

日足チャート上では長い上ヒゲを伴い、実体線の短い陰線。SQを迎え3万7000円の大台乗せとなったが、利益確定の売りも多く出た模様。今週はパラボリックが陽転となり、買いトレンドの継続がうかがえる。週足では上下に長いヒゲを伴う陽線。ローソク足のレンジも切り上がり、13週・26週移動平均線も上昇継続となった。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  

鈴木一之です。日経平均が37,000円を突破しました。年明けから東京市場が特出して強い動きを示していましたが、それがこのような形で数字となって表れています。

東京市場の異常なまでの強さについては、様々な理由づけがなされています。中でも有力な理由が、企業業績が順調に伸びていることです。

実際にトヨタ自動車(7203)が発表した決算発表では、通期の純利益が4兆円を越えてくる見通しとなっているものの、まだ十分に増額余地があります。

トヨタは時価総額が日本企業として初めて50兆円を越え、東証プライム市場の合計時価総額も900兆円を上回りました。それでも日経平均のPBRは1.4倍前半に過ぎず、欧州諸国の平均的な水準にとどまっています。PERも16倍をわずかに超えた程度で、熱っぽさはほとんどありません。

こうなると「下押し歓迎」の気運も醸成されがちですが、マーケットは次にいかなる下げがあっても何とかくぐり抜けることができるように思います。

理由のひとつは、トヨタ自動車や三菱重工、三菱商事、任天堂など決算内容の好調だった銘柄の急騰が目立つ一方で、決算悪化から急落する銘柄が多いのも現実だからです。逆説的な言い方になりますが、大きく値下がりする銘柄が存在することで現在の市場の健全さが推し量れるように思います。

いつ調整が入っても不思議ではない状況で、ひとまずは行き着くところまで今回の株価上昇のラウンドを追いかけてみたいと思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【SBG牽引、日経平均バブル後最高値 5四半期ぶりの黒字で投資もイケイケ
日本証券新聞2月13日(火)紙面1面TOP記事掲載 

孫氏の説明会復帰も間近か

日本株の飛躍を象徴するかのように日経平均株価が34年ぶりに3万7,000円台に乗せ、バブル後最高値を更新。その原動力がソフトバンクG(9984・P)が8日に発表した好決算だ。5四半期ぶりの黒字回復で、イケイケムードが高まっている。

今3月期第3四半期(3Q、4~12月)決算は4,587億円の最終赤字(前年同期は9,125億円の赤字)だが、10~12月に限ると9,500億円の黒字(同7,834億円の赤字)と1兆7,000億円も改善した。決算説明会で後藤芳光取締役専務執行役員は「久しぶりの四半期ベースの黒字で、少々ほっとしている」と素直な心境を吐露した。

3Qは投資利益が牽引。12月の米TモバイルUS株の1兆1,000億円無償取得や9月にIPOをした英半導体設計大手アームの好業績が追い風となった。TモバイルUSの株価は右肩上がりで、AT&Tやチャイナテレコムを抜いて、通信事業者の時価総額世界トップ。アームも上場来高値圏で推移している。

10~12月の投資損益は4,246億円の黒字。SBGが重視するNAV(時価純資産)は19.2兆円と3カ月で2.8兆円も増えた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2月9日(金)☆[概況/大引け] 

3連休を控え失速

大引けの日経平均は34円高の3万6,897円、TOPIXは4ポイント安の2,557ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は566、下落銘柄数は1,048。出来高は21億4,004万株、売買代金は5兆5,733億円。
ソフトバンクグループが5四半期ぶりに黒字確保で急騰し、日経平均は一時423円高の3万7287円となったが、買い一巡後は3連休を控え、ともに上げ幅を縮めた。

詳しくはコチラ

関連記事