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コラム2024年9月30日

【本日のマーケット】9月30日(月)

9月30(月)のマーケット                                                                   

9月27日のNYダウは続伸、ナスダックは反落。8月の個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)は前年同月比2.2%上昇し、7月の2.5%上昇から鈍化し、市場予想の2.3%上昇も下回った。NYダウは一時、453ドル高となったが、買い一巡後は伸び悩んだ。イスラエルがレバノンのヒズボラ本部を攻撃したため、米国が主導する停戦見通しが遠のいた。加えて、中国が企業に対して、米エヌビディア製半導体ではなく、中国産の製品を購入するよう圧力を強めていると報じられ、エヌビディアが売られたことも、影響した。NY証券取引所では、エクソン・モービルやビザが買われたが、イーライ・リリーは下落した。NYダウは前日比137ドル(0.33%)高の42,313ドル。ナスダックではエヌビディアが売られ、マイクロンテクノロジーも反落。一方、ウィン・リゾーツはアラブ首長国連邦(UAE)のアル・マルジャン島に建設中のカジノリゾートを有望視したモルガン・スタンレーが投資判断を引き上げたことで買われた。NASDAQ総合指数は前日比70ポイント(0.39%)安の18,119。S&P500指数は前日比7ポイント(0.13%)安の5,738。

石破自民党新総裁の誕生で金融所得課税や日銀が利上げを実施しやすくなったことが警戒された。1ドル=141円台の円高でトヨタをはじめとした自動車株が売られ、利上げ警戒で不動産株が安く、金融所得課税への懸念で富裕層関連の三越伊勢丹などの百貨店株が急落。半面、銀行株は買われた。石破新総裁が地方創生に注力することで、ふるさと納税関連のチェンジHDが急騰。防災省の新設も目指すため、モリタHDや能美防災、帝国繊維が買われた。

スタンダード市場では、石破氏が総裁選で原発原子力をゼロに近づけると発言していたため原発関連の助川電工が急落。レーザー核融合関連の神島化学も大幅安。技研HDは防災関連として物色された。化学品商社の三京化成とセブンイレブン向けに水産食材を納入しているSTIフードが高い。

グロース市場では、QPS研は最終赤字が拡大する見通しで急落した。アストロスケールもツレ安。サイバー防衛対策強化を掲げた高市氏が敗れたため、セキュリティ関連のFFRIは急落した。一方、地方創生への期待で、産直アプリの雨風太陽はストップ高。自治体関連のホープも高い。

チャート上では、大陰線を示現。急落となり、先週木曜日・金曜日の2日間の急騰分を打ち消す格好となった。3万8000円を下回ったが、25日移動平均線(3万7559円)を割り込むことなく推移して下値での底堅さも感じさせた。

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石破ショック 日経平均2,000円安
 日本証券新聞10月1日(火)紙面1面TOP記事掲載

企業業績は堅調 増額、還元強化も

9月30日の東京株式市場は銀行など一部のセクター・銘柄を除いてほぼ全面安の展開。日経平均株価は一時、前日比2,031.65円安の3万7,797.91円まで売られた。大引けは同1,910.01円安の3万7,919.55円だった。

27日の引け後に結果が判明した自民党総裁選では決戦投票で石破茂氏が高市早苗氏を破り当選。10月1日召集の臨時国会で第102代内閣総理大臣に就任することになった。

総裁選では高市氏が有利との見方から緩和的な金融政策、積極財政への期待が高まり、円安・株高が進んでいた。27日引け後の海外市場、週明け30日の東京市場では「高市トレード」が一気に巻き戻され、円高・株安の流れとなった。27日に1ドル=146.40円台まで下落していた円相場は海外市場で141円台に接近、週明けの東京市場でも141円台半ばで推移するなど4円近い円高となった。また、27日の米国市場ではCMEの日経平均先物が2,400円安の3万7,450円まで売られていた。

石破氏が総裁選で財政規律の重視、金融所得課税の強化などの政策を掲げてきたことが、ネガティブに受け止められ「石破ショック」につながった。ただ、この動きは一時的なものにとどまり、株式市場は再び堅調さを取り戻すことが予想される。今後の政治日程としては10月9日に衆院解散、15日公示、27日投開票のスケジュールが有力視されている。新政権への期待が高まり、解散から投票日までは株式市場が上昇しやすいアノマリーがある。石破新総裁の主な政策には地方創生、防災省の創設、防衛力強化、再生エネルギー重視のエネルギー政策などがあり、今後の取り組みが注目される。

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今日の市況概況
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9月30日(月)☆[概況/大引け]

金融所得課税志向や日銀利上げ環境を警戒。自動車や不動産、百貨店、半導体関連が売られ、地方創生と防災関連は高い

大引けの日経平均は1,910円安の3万7,919円、TOPIXは95ポイント安の2,645ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は130、下落銘柄数は1,506。出来高は26億5万株、売買代金は6兆1,216億円。
石破自民党新総裁が金融所得課税に前向きなことや、日銀の利上げに反対していた高市氏が敗れたため、日銀も利上げを実施しやすくなったという見方が警戒された。
衆議院総選挙が10月27日の見通しで、次回の日銀金融政策決定会合は10月30日~31日なので、政治への配慮が必要なくなるという見方も、利上げ警戒感を高めた。

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