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コラム2024年12月27日

【本日のマーケット】12月27日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

12月27日(金)のマーケット                                                                   

12月26日の米国株式市場はもみ合いとなった。ユナイテッドヘルスはレイモンド・ジェームズが割安に注目し、「フェイバリットストック」に加えたことで買われた。favoriteはお気に入りや有望の意味。量子コンピューター関連のイオンキューやリゲッティ・コンピューティング(ナスダック上場)が高い。NYダウは前日比28ドル(0.07%)高の43,325ドル。ナスダックではテスラが売られた。ビットコインの下落を受けて、マイクロストラテジーが安い。NASDAQ総合指数は前日比10ポイント(0.05%)安の20,020。S&P500指数は前日比2ポイント(0.04%)安の6,037。

日経平均は大幅高。新年受け渡しで新NISAによる買い期待や、ホンダと日産の経営統合協議に続いて、ニデックが牧野フライスに同意なきTOBを発表したため、業界再編型の経営統合が増えると期待された。DeNAはゲーム事業の10~12月期の売上収益が大幅増となり急騰。さくらインターネットはラピダスが協業検討と報じられ高い。日産は「ホンダとの統合比率はおよそ5対1が協議の出発点となりそうだ」と報じられ下落した。

スタンダード市場では、直近新規公開株のアルピコがストップ高。EストアーはBASEがJG27を通じてTOBを発表しストップ高。岡本硝子はガラス偏光子の生産能力増強を発表したことで買われた。ピアラはジーニーと資本業務提携を発表し大幅高。コーチエィとセプテーニが大幅安。

グロース市場では、直近新規公開株のvisumoとフォルシアがストップ高。ブランディングテクは日本アジア投資との資本業務提携を発表し2日連続ストップ高となった。パーソナルトレーニングの個別ジム運営の247が上昇。LAホールディングスが売られ、Synsは4日続落。

日足チャート上では、大陽線を示現。ギャップアップで寄付き、4万円の大台回復を達成して週末を迎えた。パラボリックも陽転となり、買いトレンドの発生をうかがわせる動き。ここ数カ月の保ち合い相場の高値である10月15日の4万257円を上抜いたことからテクニカル的には上を目指す局面と見られる。週足でも大陽線。13週移動平均線(3万8874円)を支えに、節値を取り払い上値指向に見えるチャート形状となった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。2024年もいよいよ押し迫ってまいりました。残すは大納会の取引のみとなっています。

最後の最後になって日経平均は4万円の大台に乗せてきました。まったく意外性の強い1年を締めくくるにふさわしい展開となりつつあります。

今年はなんと言っても株式マーケットを取り巻く環境が大きく変わった1年でした。新NISAのスタート、東証の市場改革、企業への資本コストを意識した経営、ROE基準、アクティビティストの活躍、MBOによる上場廃止、TOBを通じた子会社防衛、政策保有株の売却ラッシュ、それを吸収する自社株買い、グループ再編、社長の若返り、などなど。

ずいぶんと画期的な変化がいくつも現れたように思うのですが、それでも日本はNY市場の空前の上昇にまるで追いつけない状況が続きました。大きな改革であるほど、すぐには結果は出ません。

しかし水面下に深く潜って、株式市場の細部を見わたした場合、個々の企業はそれぞれにかなり明確に変化しています。それを上手く表現できないまま、市場では放置されているような状態が続いているように見えます。

それが明確に表現された事例が、トヨタ自動車(7203)による「ROE20%宣言」なのでしょう。これほど力強く、端的にはっきりと宣言した例は見当たりませんが、実際にはどの会社も同じことを考えているはずです。

そうであれば、日本の株式市場は捨てたものではありません。来年は日経平均が45,000円くらいを目指すものと見ています。来年もしっかりと歩んで行きましょう。

今年1年たいへんお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。

どうぞ良いお年をお迎えください。

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【牧野フラに“同意なき買収提案”
日本証券新聞12月30日(月)紙面1面TOP記事掲載 

「オアシス去ってまた一難」か

ニデック(6594・P)が27日寄り前に開示した牧野フライス(6135・P)に対する「公開買付けの開始予定に関するお知らせ」が話題を集めた。TOB価格は26日終値に41.9%のプレミアムを乗せた1万1,000円。牧野フラはカイ気配で始まり、大引けでストップ高比例配分。

ニデックの同意なき買収は、同じ工作機械株で昨年7月13日のTAKISAWA以来2社目。今回も、当時と同じ名称で当該企業に宛てた「企業価値の最大化に向けた経営統合に関する意向表明書」をサイト上で公表している。

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今日の市況概況
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12月27日(金)☆[概況/大引け] 

日経平均は713円高の4万281円。新NISAによる買い期待とニデックによる牧野フライスへのTOB発表効果

大引けの日経平均は713円高の4万281円、TOPIXは34ポイント高の2,801ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,362、下落銘柄数は250。出来高は21億3,623万株、売買代金は4兆3,282億円。
日経平均は700円を超える上げ幅。
新年受け渡しで新NISA(少額投資非課税制度)による買い期待や、先日判明したホンダと日産の経営統合協議に続いて、ニデックが牧野フライス(6135)に同意なきTOB(株式公開買付)を発表したため、業界再編型の経営統合が増えると期待された。

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