TOP  NSJショートライブ  速報・市況  ☆[概況/前引け] 小幅続落。FRBが中立金利を引き上げたため、年内1回の利下げも危うくなる可能性
速報・市況2024年6月13日

☆[概況/前引け] 小幅続落。FRBが中立金利を引き上げたため、年内1回の利下げも危うくなる可能性

前引けの日経平均は45円安の3万8,831円、TOPIXは17ポイント安の2,738ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は322、下落銘柄数は1,291。出来高は8億1,252万株、売買代金は2兆357億円。
米国のFOMCで政策金利予測の中央値が、年内の利下げをこれまでの3回から1回に減ることを示唆した。
為替の情報会社の「フォレックス・ウォッチ」の解説によると、FRBが「中立金利」(景気をふかしも冷やしもしない水準)と見做す長期均衡水準が前回の2.60%から2.80%へ上方修正されたことが注目だという。
2.80%にコアPCEコアデフレーターの前年比伸び率の2.8%を加えると5.60%となり、現在のFFレート誘導目標レンジを上回っており、今後発表されるデータで一段のインフレ鈍化が示されない限り、年内1回の利下げも危うくなる可能性があることを示唆しているという。

なお、米国では、オープンAIにクラウドサービスを提供しているオラクルが、3~5月期に前年同期比42%増だったクラウドインフラ事業の増収率が、25年5月期通期は前期比50%超に加速する見通しと述べたため、大幅高となり、東証でもディスコやソフトバンクグループ、アドバンテストなど半導体関連やAI関連が買われ、日経平均は高寄りした。
しかし、日銀金融政策決定会合を控え、様子見姿勢の中、日経平均は値を消し、小幅続落となった。
ルネサスエレクトロニクス(6723)はモルガン・スタンレーMUFG証券が目標株価を3,200円→3,800円に引き上げたことが好感された。当面大型のM&Aはなさそうなため、株主還元拡大の可能性が高まったと解説している。
防衛関連の三菱重工も買われ、物流施設開発のシーアールイーは大幅減益だったが、今後の改善期待で大幅高となった。
一方、東電や三菱商事、東京海上は売られ、トヨタやマツダも安く、日本製鉄など鉄鋼株も下落した。

業種別下落率上位は保険、電力ガス、非鉄、卸売、輸送用機器で、上昇率上位は機械、サービス、情報通信、電機、精密。(W)

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