大引けの日経平均は29円安の2万7,423円、TOPIXは4ポイント高の1,992ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,276、下落銘柄数は509。出来高は9億8,859万株、売買代金は2兆2,986億円。
先週末の米国株反落を受けて、週明けの日経平均も反落して始まったが、売り一巡後は下げ幅を縮めた。プライム市場全体では上昇銘柄数の方が多く、TOPIXは小幅高に持ち直した。
米国でインフレ圧力の強い状況が続いているため、FRBによる利上げが6月以降も継続するという見方から、レーザーテックやソフトバンクグループが売られ、マネジメントソリューションズやSansanなど中小型グロース株も下落した。
任天堂はシティグループが来期営業減益予想に変更し、投資判断を「中立」に下げたことで敬遠された。ニンテンドースイッチの終盤期におけるソフトウェアの2本目、3本目需要の落ち込みが、従来予想を上回っているためだという。
味の素は、野村証券が半導体絶縁材料のABF(味の素ビルドアップフィルム)の売上減速を予想し、レーティングを下げたことで下落した。
一方、高配当利回り株の日本製鉄が反発し、神戸鋼や中山製鋼、合同製鉄など他の鉄鋼株も上昇した。
低PBR銘柄のアーレスティ、エフテック、三協立山が上昇率上位となった。
ファナック(6954)は野村証券がFA部門の受注は1~3月期が大底と予想し、レーティングを「Neutral」→「Buy」に引き上げたことで買われた。
新日本科学はいちよし経済研究所がフェアバリューを引き上げた。医薬品開発の前臨床試験に使用されるサルの密輸がカンボジアで行われた疑いにより、前臨床試験で世界最大手のCRL(チャールズ・リバー・ラボラトリーズ)がカンボジア産のサルの使用を一時中止したため、新日本科学について、サルを使った試験データの価格が上昇し恩恵を受けると予想している。
業種別下落率上位は情報通信、その他製品、小売、ゴム、医薬品で、上昇率上位は鉄鋼、証券、建設、ノンバンク、紙パルプ。(W)