TOP  NSJショートライブ  速報・市況  ☆[概況/大引け] 中国政策効果で朝高。節税対策の売りで日経平均はしぼんだが、12月利上げ見送り観測で息を吹き返した
速報・市況2024年12月10日

☆[概況/大引け] 中国政策効果で朝高。節税対策の売りで日経平均はしぼんだが、12月利上げ見送り観測で息を吹き返した

大引けの日経平均は207円高の3万9,367円、TOPIXは6ポイント高の2,741ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は703、下落銘柄数は874。出来高は17億206万株、売買代金は3兆9,325億円。
中国共産党が9日に中央政治局会議を開き、「外からの打撃」に備えると表明した。
トランプ次期米政権との第2次貿易戦争に備え、来年の金融政策を「穏健な」から「適度に緩和的」に変更し、財政政策も「積極的な」から「より積極的な」に強めた。
10日の東証では安川電機や資生堂、サイゼリヤ、日本ペイントなどの中国関連が買われ、鉄鋼株や商社株も物色され、日経平均は取引開始早々に304円高の3万9,465円となった。
中国の不動産不況により、中国では鋼材消費が落ち、余剰分がアジアに輸出され、鉄鋼市況を悪化させたため、中国の景気対策で中国産鋼材の安値輸出が減るという期待からJFEなどの鉄鋼株は買われた。

だが、防衛関連の三菱重工やデータセンター関連のフジクラ、「スイッチ」後継機への期待の任天堂などこれまで買われてきた銘柄が売られたため、日経平均は朝方の高値からすぐに値を消した。
損失を抱えている銘柄と儲かっている銘柄を売れば、確定申告で売却益に対する税金を節税できるため、フジクラなどには売りが出た模様。

後場に入ると日経平均は再び上向いた。
日銀が9日に来年1月の金融政策決定会合前に氷見野副総裁が懇談会で講演する予定を発表した。
日銀が7月に追加利上げを発表した時はサプライズと受け止められたため、次の利上げの前に氷見野副総裁が講演することで、日銀の考え方を伝えようとしていると受け止められた。
その分、12月会合での利上げは行われないという見方から、円は売られ、1ドル=151円台となり、日経平均は上げ幅を拡大した。

トプコンは株式非公開化に向けて入札プロセスに入っていることが分かったとブルームバーグが報じたため大幅高となった。

ピーエス・コンストラクション(1871)が上昇。プレキャストコンクリートはあらかじめ工場で制作したコンクリート部材で、現場で型枠を組み施工するため、現場での作業は短時間となり、建設業界の人手不足で恩恵を受けると期待されている。

業種別上昇率上位は卸売、鉄鋼、電機、輸送用機器、海運で、下落率上位は保険、電力ガス、その他製品、非鉄、医薬品。(W)

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