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速報・市況2025年4月25日

【更新】☆[概況/大引け] 大幅続伸、円高誘導への懸念後退や米中貿易交渉に期待

大引けの日経平均株価は前日比666円59銭(1.9%)高の3万5,705円74銭、TOPIXは同35.47ポイント(1.4%)高の2,628.03ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,068、下落銘柄数は510。出来高は18億7,254万株、売買代金は4兆4,020億円。

日米財務相会談では米国から為替相場の水準や目標に関する発言が盛り込まれず、円相場が143円台後半に弱含んだため、電機、精密機器、輸送用機器といった輸出関連株を中心に幅広く物色された。トランプ米大統領が貿易に関する中国との政府間交渉は進行中だと言及したことも、貿易戦争の激化による景気減速への懸念を和らげた。

5月の大型連休が接近するタイミングに当たり、先物市場の売り方の買い戻しが指数を押し上げ、日経平均は2日以来の水準まで戻して終了した。

個別では2期連続最高益更新と増配計画を発表したニデックが10%超の急騰となり、6.75%自社株買いと3期ぶり最高益を見込む富士通は大幅反発。ほかにも、ルネサス、メタウォーター、横河ブHDといった好業績が確認された銘柄が上昇。米国でエヌビディアなど半導体関連が高かったことで、アドテスト、ディスコ、東エレクも買われた。
ロシュ向け血友病治療薬や関節リウマチ治療薬の販売が好調で、1~3月期大幅増益で着地した中外薬は上場来高値を更新する場面があった。
日産自は小幅続伸。前期純損失が最大で7,500億円に上るとの見通しを示したものの、今後の改革への取り組み強化を期待する買いが入ったもよう。
このほか、10%超の自社株買いを発表した杉本商事(9932・P)とアイシンは大幅高。
みずほや三井住友などメガバンクは小幅高。4月の東京都区部コアCPIが1年3カ月ぶりに3%台まで上昇したため、日銀の利上げ継続の追い風になるとの見方が広がった。
一方、野村不HDは今期最高益更新の見通しを示したものの、アナリスト予想を下回ったことで売られた。

業種別上昇率上位は非鉄金属、電機、その他製品、海運、ガラス土石、精密機器、機械で、下落上位は空運、水産・農林、食料品など。(NA)

●マーケットコメント
しんきんアセットマネジメント投信 藤原直樹氏

「トランプ米大統領の発言が朝令暮改だったことで、米国中心にマーケットは振り回されてきたが、トランプ氏のやや弱腰の姿勢が見えてきたことが安心感を強めている。FRB議長を解任するとまで発言したあたりから、米国株のほか債券やドルまで売り込まれたことで、さすがに米政権内でもまずいといった認識が強まったのではないか」

「日米財務相会談では為替水準について特段の言及がなかった。ことさらドル高是正を強調すると、ドル安に歯止めがかからなくなるといったリスクを勘案したのだろう」

「企業業績の観点からはニデックの決算に勇気づけられた。今期業績計画は小幅減収・増益となったが、関税問題などを織り込んだ上で増益を見込んだ点を評価したい。業績予想を開示しなかったファナックでさえ株高となったのは、市場の関税問題に関するアレルギーが弱まりつつあるためだとみている」

「大型連休入りする日本株はしっかりの展開ではないか。短期的には米国は関税政策で強硬姿勢を取らない可能性が高く、各国との交渉の進展を見極める時間帯となろう」

「日経平均にはもう少し戻り余地がある。EPS(1株当たり利益)が足元で2460円程度のため、当面の上値はPER(株価収益率)15倍で算出した37,000円程度ではないか。一方、今期10%減益で、PER14倍と想定すると31,000円程度になる。7日に付けた安値3,0792円は悪材料をかなり織り込んだ水準とみてよかろう」

【更新】第1段落に出来高などの指標を追加したほか、市場参加者のコメントを追記して更新します。

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