TOP  NSJアップデート  銘柄・相場情報  <ズームアップ> NISSOHD 27年度に利益倍増目指す中計策定 専門人材育成で企業を強力支援
銘柄・相場情報2024年8月8日

<ズームアップ> NISSOHD 27年度に利益倍増目指す中計策定 専門人材育成で企業を強力支援

製造業向け人材派遣・請負のNISSOホールディングス(9332・P)が頑強。一時34円(4.5%)高の776円と、前週末以降の急落分を取り戻す展開となった。

7日に2027年度を最終年度とする中期経営計画を公表。28年3月期の業績目標として売上高1500億円(25年3月期計画は1,060億円)、営業利益75億円(同38億円)、ROE(自己資本利益率)20%以上、配当性向30%以上などを掲げた。

主力の総合人材サービスでは日本を代表する自動車・半導体・電子業界の人材ニーズに対応すべく、最新の製造設備を有する研修施設で付加価値の高い人材を育成している。半導体関連では装置技術エンジニアを育成する拠点として、5月に「日総テクニカルセンター熊本第2棟」を竣工しており、最先端半導体製造装置の実機による技術研修を強化した。自動車業界ではEV(電気自動車)シフトに伴い電気工学やバッテリー技術の専門知識を持つ人材の需要が拡大するなど、製造業全体で新たなスキルや教育プログラムの必要性が高まるなか、人材のリスキリング(職業能力の再開発・再教育)を推進していく。

また、労働人口の減少、従業員の高齢化、外国人材の活用、技術革新への対応など、製造メーカーが抱える社会課題に対し、顧客ごとにカスタムしたサポート体制も構築。産官学を含むコンソーシアムへの参加をはじめ、業務資本提携、スタートアップへの出資やM&A(企業の合併・買収)にも取り組むことにより、グループ全体のシナジーを創出する考えだ。

併せて、7日開示した今3月期第1四半期(1Q、4~6月期)決算によると、売上高は251億6,400万円と、四半期ベースの過去最高を更新した。総合人材サービスの請求単価が上昇しており、とりわけ高収益のエンジニア系人材サービスの在籍人数増加や稼働時間回復が寄与。営業利益は8億7800万円で着地し、前期比24%増の38億円と最高益更新を見込む通期計画に対する進捗率は23%と順調なスタートをきった。(NA)