xenoBrainによるAI解析
経済の未来をスコア化するSaaS型AIサービスを展開しているxenodata lab(ゼノデータ・ラボ)
AI解析ツールの【xenoBrain】で膨大なデータから企業業績や需要動向、素材価格の将来動向についてAIが総合的に評価したスコアを生成。より高度な意思決定のサポートとなるツールを提供しております。
SaaS型AIサービス【xenoBrain】を利用して「新型コロナウイルスの国内上場企業への影響予測」を行い、新型コロナウイルスに関連する国内の状況を鑑み、解析結果の無料公開を行ったところ多方面から大反響を頂きました。
xenoBrain独自の63業界分類で分析を行い、全63業界とそのサプライヤーが受ける影響を業界別にまとめた一部を抜粋してご紹介します。今回は鉄道輸送業界をピックアップ。今後のアクションを考える一つの指針としてお役立てください。
業界別影響度ランキング *出所:
2021年3月期の上場企業損失合計、6兆円と推定。世界的感染拡大でコロナの影響長期化へ
世界的な拡大を見せる新型コロナウイルスの企業業績への影響を独自にスコア化し、そのスコアに基づいて各企業ごとの増減益金額を算出、その金額を全上場企業 合計し全上場企業の損失(利益)合計を計算、約6兆円と算出された。
業界ごとに見てみると、自動車関連、鉄道輸送業界の推定影響金額規模がそれぞれ△2.5兆円、△8,000億円最も大きいと算出された。これは、3密回避などによる 出張・旅行等の外出控えの長期化やテレワークなどの影響が、市場規模の大きい業界で直接的に影響した結果上位を独占した。また、自動車メーカーは世界に生産拠 点を分散させているが、米国、欧州など既に被害が甚大なエリアや、インド、インドネシア、ブラジルなど現時点で終息が見えないエリアなどが多く、グローバル化 が結果的に推定損失金額を大きく引き上げる結果となった。また、外出控えやテレワークによる、住居を除く不動産の需要減退がこれから本格化するとみられ、それ に伴い中期的には不動産開発(△1,500億円)や建設関連業界(△2,800億円)など市場規模の大きい業界に大きな被害がでると推定されたことも全体の損失金額を押 し上げている大きな要因といえる。
一方、プラスの経済効果が大きい業界には、医療関連(+3,500億円)、スーパー(+870億円)、Eコマース(+370億円)などがあり、今後生活様式の変化により 力強い需要の恩恵受けることになると推測されたが、他業界の損失金額を相殺するほどの金額的な影響はならないと推定された。今後、第二波、第三波と緊急事態宣 言等による厳しい自粛要請が起こると、この経済損失金額はさらに拡大するとみられ、未上場企業も含めると、その経済損失金額は過去日本が経験したことがない規 模に膨れ上がる可能性が高いといえる。
鉄道輸送業界
外出自粛とテレワークに伴う鉄道利用の 急減で減益予測
2020年2月以降、鉄道利用が大幅に急減し、駅 ビル、ホテル等の駅周辺施設の関連事業にも 悪影響が生じることで、減益と予測された。 実際にJR各社の2020年3月期の決算は軒並み減 益となっており、今後もテレワークの浸透や 不要不急の外出を避ける動きが継続すると、 コロナ以前の収益を確保することは困難とな る可能性がある。