2月5日(金)のマーケット
前日の米国株式市場は大幅上昇で、ナスダックとSP500指数は最高値を更新。週間の新規失業保険申請件数が77万9千件と、前週の81万2千件から改善し、市場予想の83万人を下回ったため、雇用環境の改善が期待された。また、イエレン財務長官が、個人投資家の取引で株式市場が乱高下した問題について、金融規制当局と協議すると報じられ、市場の混乱が沈静化に向かうと期待された。NYダウは前日比332ドル高(1.08%高)の3万1,055ドル。ナスダックでは、アップルは韓国・現代自動車傘下の起亜による自律走行型の電気自動車の生産委託交渉が合意に近づいていると報じられ上昇。また、オンライン決済サービス会社のペイパルは昨年10~12月期に新規アカウント数が急増したことが好感された。ナスダック総合指数は前日比167ポイント高(1.23%高)の1万3,777ポイント。
本日の東京市場は、米国市場の大幅上昇を受けてギャップアップでのスタート。伸び悩む場面も見られたが騰勢を強め、高値圏での推移。好業績となった自動車株ではマツダがストップ高まで買われ、先日大幅高となったソニーも一段高。昨日の下落を一日でカバーする力強い展開となった。大引けの日経平均は437円高の2万8,779円。売買代金は3兆1,898億円。TOPIXは25ポイント高の1,890ポイントとなり高値更新。
新興市場はまちまちの展開。JASDAQ指数は反発。シンバイオ製薬は今期の黒字化予想を発表しストップ高。CAICAも買われた。低位株のフジタコーポが急騰。対して、太陽光発電のウエストHDは続落。ジオマテックは反落。マザーズ指数は5日ぶりに小反落。メルカリやミンカブが反落。識学と弁護士ドットコムが下落。一方、政府による観光業への新たな支援策への期待で旅行会社のHANATOURとベルトラが上昇。
チャート上では、ギャップアップでの上昇となり、ほぼ高値引けとなる強い足。ボリンジャーバンドの+1σ(2万8,744円)線を上抜け、2万9,000円も目前となった。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。寒い日が続きますが日脚は伸びてきました。春の息吹きが感じられます。
日本は今週、緊急事態宣言の1か月間の延長が決定されたばかりですが、世界を見回すと様子が少し異なります。コロナウイルスの感染拡大に徐々に歯止めがかかってきた模様です。
今週の株式市場は、ワクチン接種の広がりに期待する「ワクチン相場」が続きました。コロナ危機の発生からほぼ1年が経過して、この間に売り上げを大きく減少させた航空会社、旅行代理店、航空チケット販売、イベント会社、スポーツジムなど、初期の頃から大きく株価の下落した銘柄が軒並み上昇しました。
緊急事態宣言による営業時間短縮の対象となっている飲食店、居酒屋はまだ動きが鈍いままとなっていますが、アパレル各社には着実に買いが向かっています。足元の企業業績の回復はまだ鈍いままですが、コロナ危機の先を見すえる動きが広がりつつあります。
それでも楽観は許されません。先週大騒ぎとなったゲームストップ、ロビンフッドを巡る一件は、一歩間違えれば信用危機に発展しかねなかった事案です。それでも今週に入っていったんは落ち着きを取り戻しました。あらゆる点で綱渡りの状態です。急上昇した市場のボラティリティは再び元の水準に収まりつつあります。
マーケット参加者はこのようにリスクを強く意識しながら、一歩ずつ前進することを余儀なくされるように思います。激震の続きそうなマーケットですが、日々の動向に振り回されずしっかりしがみついてゆきましょう。
※【動画】NSJヘッドラインに特別ゲスト出演。2021年の展望を伺いました。是非ご覧ください!
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注目記事 Pick up
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【今週の展望 「2月9日」経て季節性好転へ】
日本証券新聞2月8日(月)紙面1面記事掲載
上放れの機を探る展開か
先の波乱局面を乗り越えて、日経平均は再び1月25日高値2万8,822.29円に急接近中。舌を巻く強さだ。結局、流動性相場は「押したら買い」。各国金融当局の姿勢に変化の兆しが見られない限り、簡単には終わらないということ。
1月下旬の短期急落について、もちろん理屈でも説明は付くが、例年の季節習性通りの動きとみることも可能か。グラフは過去10年間の日経平均の値動きを合成したもの。大和証券・木野内栄治チーフテクニカルアナリストが1月29日付レポートで取り上げていた。
①秋口から急伸②年明け後はもみ合いに転じ③2月初旬いったん突っ込む場面を経て④4月末に向けて再上昇――例年繰り返されるパターンで、今年は若干早めに③が生じたといったところ。レポートでは、NISAの日(2月13日)前後は「良い投資機会になりやすい」とするが、厳密に言えば、グラフ上では「2月9日」。
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今日の市況概況
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2月5日(金)☆[概況/大引け]
米国景気見通し改善期待を背景に日経平均は28,779円(437円高)と反発を強めた。ソニーが好調継続で、自動車株が買われ、旅行関連も高い
大引けの日経平均は28,779.19円の437.24円高、TOPIXは1,890.95ポイントの25.83ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,548、値下がり銘柄数は563。出来高は15億3,727万株、売買代金は3兆1,898億円。
米国景気見通しの改善期待を背景に、米国雇用統計発表前だが、日経平均は反発を強めた。
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