2月26日(金)のマーケット
前日の米国株式市場でNYダウは大幅反落。週間の新規失業保険申請件数が73万件と、前週の84万1千件から減少し、予想の83万8千件も下回った。景気回復期待を反映し、10年債利回りが一時、1年ぶり高水準となる1.614%まで上昇したため、高PER銘柄が売られた。NYダウは前日比559ドル安(1.75%安)の3万1,402ドル。ナスダックの下落率はさらに大きく、テスラやエヌビディア、AMD、プラグパワーの下げが目立った。。ナスダック総合指数は前日比478ポイント安(3.52%安)の1万3,119ポイント。
本日の東京市場は、米国株大幅反落を受けて全面安でのスタート。米国で急ピッチな金利上昇が警戒され、NASDAQやNYダウが大幅安となったことから、ソフトバンクグループやファーストリテイリング、東京エレクトロン、アドバンテスト、ソニー等が売られた。指数構成銘柄の下落寄与度上位10銘柄で590円の下落幅となった。注目された日銀のETF買いが入ったものの下落幅は拡大。大引けの日経平均は1,202円安の2万8,966円の安値引け。売買代金は3兆6212億円。TOPIXは61ポイント安の1,864ポイント。
新興市場も下落。JASDAQではベクターやシンバイオ製薬、フェローテックが売られた。対して、新報国製鉄は最大摂氏900度の高温域でも膨張しない合金を開発したことが注目され急騰。マザーズ指数も大幅反落。BASE、メルカリ、JIG-SAWが売られ、直近IPO銘柄のWACULも反落。一方、ロゼッタは上昇継続。G-FACTORYはストップ高。
チャート上では、日足チャート上では急落で25日移動平均線(2万9180円)を下回り、一気に2万9000円割れで目先調整色も。ただ、1月末の「ゲームストップショック」の時も、同様の展開から1日で急回復となり25日移動平均線を回復し、3万円到達への上昇のキッカケとなったが、週明けからの3月相場はどうなるか要注目。 週足では 長い陰線を引き、先週・先々週の上昇分を打ち消す格好。 月足では11月以降、連続陽線となるも、長い上ヒゲを残す格好となり、目先天井形成となるか、来月の動きが注目される。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。2月最後の金曜日、週末に株式市場は大きな動揺に見舞われました。日経平均は午前中の段階で一時▲900円の下落を記録し、大引けでは▲1202円の下落となりました。2016年6月以来の下げ幅です。
月末の株価はなぜか激しく動きます。1月末の「ロビンフッド・ショック」に続く2月末の波乱です。思わず昨年のことを思い出してしまいました。2020年の今ごろ、コロナウイルスの感染第1波が押し寄せていた時期です。株式市場は急速なリスク資産の圧縮に見舞われました。
ジョンソン・エンド・ジョンソンが開発したワクチンがFDAによって承認されれば、米国ではファイザー、モデルナに続いて3例目のワクチンとなります。
それに伴って米国をはじめ世界中で経済再開への期待と不安が進行しています。期待は人々の行動の自由と景気の回復で、一次産品市況は今週も世界中で進行しました。
一方で不安は金利の上昇です。米国の10年物国債金利は現地木曜日に1.6%台まで上昇しています。コロナ危機が始まって以来、最も高い水準にあります。
株式市場は、誰もが思いもよらなかったスピードで駆け上がってきた分だけ、短期的な調整は避けられないところです。年明け以降の最初の押し目形勢がしばらく続くことになるでしょう。金融相場は上下の波動が激しくなりがちです。
誰も現状に浮かれてなどいませんが、もしそういう状況があったとすれば、今回の下落で修正されて、かえって上昇相場の持続性は長くなると考えられます。
※【動画】NSJヘッドラインに特別ゲスト出演。2021年の展望を伺いました。是非ご覧ください!
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注目記事 Pick up
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【今週の展望 日経平均1202円安 “テーパータントラム”の再来!?】
日本証券新聞3月1日(月)紙面1面TOP記事掲載
米国長期金利ショックのその先は…
米国長期債利回り急上昇を発端に、世界同時株安めいた様相を呈している。金利上昇の直撃を受けるのは高PERのグロース株。2月25日の米国市場では、ニューヨークダウの1.7%安に対し、NASDAQは3.5%安に達した。これを受けた26日の日経平均は、後場売り直されて1,202.26円安の安値引け。ソフトバンクグループやアドバンテストなど日経平均採用値がさ株に急落が目立ち、これら下落寄与度上位10銘柄の寄与分(590円弱)で下落幅の半分近くを占めた。前日まで連日で過去最高(15.66倍)を更新していたNT倍率もさすがに急低下となった。
市場では、「テーパータントラム(金融緩和縮小懸念で生じた市場の“かんしゃく”)の再来」との声も聞かれた。2013年5月、当時のバーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長発言を受けての金利急騰・株価急落劇のことだ。直前まで異次元緩和期待で急騰していた日経平均にはカウンターとなり、5月23日に1,143.28円安した経緯がある。下落率7.3%安は歴代11位で、現在の水準なら2,200円安に相当する。
もちろん、当時とは経済・金融情勢が全く異なる。今回は、複数の米地区連銀総裁が足元の長期金利について「妥当な反応」「現時点では懸念していない」としたことが上昇容認と受け取られ、一時1.61%に到達(1月末は1.0%台)。“分岐点”1.5%を一気に越えてショックを生んだ。とはいえ、2日前の議会証言で、バーナンキ議長が「忍耐強く回復を支え続ける」と金融緩和の長期間維持を表明。量的緩和の早期縮小懸念を打ち消したばかりだ。
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今日の市況概況
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2月26日(金)☆[概況/大引け]
日経平均は2万9,000円割れ。米国株大幅安と日銀ETF買い入れ動向が不透明なことも影響。全面安で電機株と不動産株の下げ目立つ
大引けの日経平均は28,966.01円の1,202.26円安、TOPIXは1,864.49ポイントの61.74ポイント安。東証1部の値上がり銘柄数は172、値下がり銘柄数は1,985。出来高は16億8,876万株、売買代金は3兆6,212億円。
急ピッチな金利上昇で前日の米国株が大幅安となったため、東証は全面安で、日経平均は2万9,000円割れとなり安値引け。
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