4月10日(金)のマーケット
オプションSQの本日は日経平均1万9,500円を意識した動き。昨日決算発表のあったファーストリテイリング(9983)の急騰による「ユニクロ効果」があったとはいえ、日経平均は152円高の1万9,498円と反発。25日移動平均線を4日連続でクリアしました。また、週足のチャートでは陽線高値引けとなっており、来週への期待も感じられます。
16時に発表となった、注目の安川電機(6506)の決算は、連結の営業利益が223億3900万円と前々期比55.1%減。第1・四半期については営業利益40億円(決算変更のため、前年同期との比較は未公表)。「新型コロナウイルスの感染拡大によるお客さまの設備投資の動向が不透明であり、通期業績予想を見通すことが困難な状況」として、会社側による今期の連結業績見通しは公表見送りとなっております。来週、3月27日の3,185円を上抜けば、「アク抜け」となり、相場は短期の新ステージ入りとなりそうです。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。先週末に発表された米国の雇用統計(3月)は、雇用者数の伸びは▲70万人強のマイナスでした。驚くべき急変です。4月分はこの水準をはるかに上回るとの見通しが出ています。
発表される経済統計データのほとんどに「史上最大(最少)」、「過去最悪」の表現が付されるようになりました。IMF(国際通貨基金)は今回のパンデミック危機が「1930年代の大恐慌以来」の経済危機をもたらすと警告しています。
それに呼応して、各国の政府、中央銀行から次々と経済対策、および社会の感染防止策が講じられています。
日本では史上初の「緊急事態宣言」が発令されるに至りました。米国では週後半にFRBが再び動きました。緊急の資金供給策として2.3兆ドルを用意し、期間の長い債券と低格付け債を試算拡大策の買い入れ対象債に組み入れました。
さらに民間の金融機関を経由して、一般企業にも間接的に融資を実施する措置も導入しました。相当のリスクを冒すことになります。こうなるともはや「ヘリコプターマネー」に近づいており、米国は過去に例のない領域に踏み込む決断を下しました。おそらく他国の中央銀行もFRBのあとに続くことになりそうです。
「OPECプラス」も動きました。原油価格の値下がりに対して、サウジアラビアとロシアを含めた加盟国が1000万バレル/日で合意した模様です。外電が伝えています。当初はロシアは2000万バレル/日の減産を提案していましたが、ひとまず合意可能な線に落ち着きました。
次々とサプライズ級の合意や政策が発動されて、株式市場も少しずつ落ち着きを取り戻しつつあります。新型コロナウイルスが拡散することで国際社会が支払った対価は非常に大きなものとなりますが、ここから先の災いはなんとか食い止めようという意思が感じられる時間帯に入ってきたように見えます。
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注目記事 Pick up
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【ファーストリテ、一時6%高】
日本証券新聞4月13日(月)紙面1面記事掲載
・「大幅減額→急伸」の背景は
見送り気分漂う週末10日の相場に喝を入れたのがファーストリテイリング(9983)。売買代金トップの好人気のもと、一時6.2%高まで買われ、フシ目の5万円まであと0.2%強に迫った。その後に伸び悩んだ引け値でも日経平均を45円弱押し上げた。
折から2、8月期決算発表が本格化するなか、9日引け後の8月期第2四半期決算発表では、通期見通しを大幅下方修正。営業利益を2,450億円(前期比4.6%減)から1,450億円(同43.7%減)に引き下げている。「戦後最大の危機」といった柳井正会長兼社長の発言も伝えられていた。昨今の情勢で、大幅減額自体に違和感はないが、日経平均寄与度の際立って高い銘柄だけに市場には緊張感が走ったが、フタを開けてみればカイ気配のスタート。
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今日の市況概況
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4月10日(金)☆[概況/大引け]
FRBによる異例の資金供給策を受け米銀が上昇し、邦銀も連れ高
大引けの日経平均は19,498.50円の152.73円高、TOPIXは1,430.04ポイントの13.06ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,511、値下がり銘柄数は608。出来高は13億7,022万株、売買代金は2兆1,945億円。
新型コロナウイルスの感染拡大が警戒され、前場は安かったが、後場は日銀によるETF買い観測により上昇に転じた。
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