4月17日(金)のマーケット
本日は600円を超える上昇となりましたが、値上がり銘柄数1063、値下がり銘柄数1034と売り買い拮抗となり指数インパクトの大きい銘柄が物色された格好。トランプ米大統領が16日、経済活動の再開を感染者数が少ないエリアから認める考えを記者会見で示したことから、最悪期脱出に向けた手掛かり材料との見方が広がり、時間外のダウ先物が700ドル超上昇したことが好感されました。
物色対象の広がりも感じられ、「アフターコロナ」が意識される展開です。特に新興市場は資金流入の受け皿となっている模様で、日経ジャスダック平均は10連騰、マザーズ指数は5連騰と中小型株に物色の矛先が向かいました。3/26に上場したマザーズ銘柄のサイバーセキュリティクラウド(4493)は今週だけで15,630円から31,050円と2倍に。サイバーワークス(4434)は2万円台と超値がさ株続出が目を引きます。
チャート上では、3/25の戻り高値1万9,564円を火曜日に上回り、週足では2週連続で陽線高値引けとなっており、来週はいよいよ2万円大台回復も視野に入って来ます。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週はアマゾン・ドットコムとネットフリックスの株価がいち早く史上最高値を更新しました。
アマゾンは外出禁止令で自宅にこもらなければならない世界の人々の救世主です。ネット通販の取り扱い個数が増え、プライム会員向けにビデオは見放題、ミュージックは聞き放題です。急増する取扱い個数に荷さばきが追いつかず、17万人に達する追加雇用を発表したばかりです。
在宅勤務が進展するにつれて、ネットフリックスも会員数を急速に増やしています。マイクロソフトのテレビ会議システム「チームズ」も導入事例が急増しており、クラウドの利用急増とも相まって株価は最高値に迫っています。アップル、グーグル、テスラ、エヌビディア、AMDも同様に戻り歩調を強めています。
それに呼応して半導体の世界最大手、台湾のTSMCが好調な先行き見通しを発表しました。足元の1-3月期の売上高は+4割以上も増加しており、2020年12月期は売上高が+15%増加すると予想しています。
TSMCと言えども今年はマイナス成長は避けられない、とアナリストは予想していました。しかしそのような予想を覆すほどのデータ通信量の増大、データセンター向け半導体の好調が牽引しています。
日本では4月7日に発令した7都府県向けの「緊急事態宣言」が、10日足らずで全国規模に適用が拡大しました。今年のGWは日本全国の大多数の人たちが、自宅およびその周辺で過ごすことが多くなるでしょう。中小企業や自営業は非常に厳しい局面が続き、日本はついに全国民への一律「10万円給付」に踏み込みます。
息苦しい毎日が続きますが、職場の在宅ワークはさらに広がり、家庭内でのささやかな楽しみを見い出す日々が続くことになりそうです。株価も恐る恐る底値固めから上値の限界をトライすると見られます。
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注目記事 Pick up
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【相場を斬る(52)】
日本証券新聞4月20日(月)紙面1面記事掲載
・勝ち組・負け組が2極化 新興市場 トレンド改善が顕著に
新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言で、マスク着用はもちろん、筆者も交代制の在宅勤務を余儀なくされる状況になった。飲み歩くことも無く、物足りない夜が日々過ぎていく。
ただ、巷では飲食店に閑古鳥が鳴く一方で、若年層後半から中年層前半を中心に「Zoom飲み」なるオンライン飲み会が、流行の兆しを見せている。画面を覗きながらの飲み会なんてと小馬鹿にしていたが、物は試しといざ参加してみると、これが想定外に楽しいもので、「食わず嫌い」というフレーズが、ぴったり当てはまることになった。
なかなか会う機会がない遠方の友人と簡単に飲み、相場を語り合える環境が身近にあることを再認識するともに、年齢とともに新しいことに興味を失うオジサン化状態をリセットする良いきっかけになった。
論語に「朋(とも)あり遠方より来たる」という故事成語がある。孔子が「Zoom飲み」を目の当たりにしたら、故事がどのような表現になるのかを思い浮かべながら、テレワーク関連銘柄の値動きをチェックするのも、また乙なものである。
・意識を集中する「対象の違い」
日経平均は3月19日の安値1万6,358円を底に上昇に転じ、直近では2万円が目前に迫る位置まで切り返してきたが、このリバウンド相場に参入できた投資家とできなかった投資家が見事に二極化している。
必要以上にコロナ不安による迷いを増幅させ、最後まで行動を起こせなかった投資家が多く見られる一方、こんなに分かりやすい相場は滅多にないと発言する辣腕(らつわん)投資家も存在している。人間には時間が平等に与えられているが、両者の違いは、投資において意識を集中させていた対象の違いにある。
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今日の市況概況
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4月17日(金)☆[概況/大引け]
日経平均607円高の19,897円。
全国に緊急事態宣言で感染封じ込め期待から「コロナ収束後」に視線が向かい自動車や海運、鉄鋼、サービスが高い
大引けの日経平均は19,897.26円の607.06円高、TOPIXは1,442.54ポイントの20.30ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,063、値下がり銘柄数は1,034。出来高は14億905万株、売買代金は2兆6,104億円。
緊急事態宣言が全国に拡大され、経済への打撃が警戒されたが、それ以上に新型コロナウイルスの感染封じ込め効果が期待され、買い優勢で始まった。
加えて、米ギリアド・サイエンシズが開発した抗ウイルス薬「レムデシビル」の臨床試験で、新型コロナウイルスに感染した患者が急速に回復していると報じられ、時間外取引でNYダウ先物が上昇したことも支援材料となった。
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