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コラム2020年8月21日

【本日のマーケット】8月21日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

8月21日(金)のマーケット                                                                   

前日のNY市場では、自社株買いを発表したインテルをはじめ、アップルの時価総額が2兆ドルを超えるなど大型ハイテク株が買われ、4日ぶりの反発。ナスダック指数は反発し最高値を更新です。電気自動車のテスラは2,000ドル乗せ、ズームビデオも上昇。本日の東京市場は NY市場の上昇を受けてギャップアップでのスタートで2万3000円台回復。一時は254円高の2万3135円までの上昇を見せる場面もありましたが、週末要因と薄商いで徐々に伸び悩みの展開で2万3000円割れ。大引けは39円高の2万2920円と小幅反発。TOPIXも小反発ながら1600ポイント回復。

新興市場は堅調展開。JASDAQ指数は小幅反発。プロルート、出前館、不二硝子が物色され上昇。対してSpeeeやチエル、オリコンは下落となりました。マザーズ指数は2.3%超の反発。直近IPO銘柄のT&Sは連日の高騰で、9営業日で初値から3.2倍と活況。コマースOneはテンバガー候補の期待から3日連続のストップ高。リファインバースは三菱ケミカルと資本業務提携でストップ高。一方でAimingやホープは下落。

昨日IPO銘柄のニューラルポケットは買い気配を切り上げ、公開価格の900円の5.3倍の4765円買い気配で2日目も売買成立せず。同社はAIアルゴリズムによる画像・動画分析とエッジコンピューティング技術を活用して、AIエンジニアリング事業を展開している。資金吸収額5億円台の軽量案件。(※【動画】IPO情報局で配信中)物色マインドは根強く、個人投資家中心に「動くものに付く」流れは健在の様子。

チャート上では5日移動平均線(2万3011円)に頭を抑えられ、一目均衡表の転換線(2万2917円)で下げ止まった形。25日移動平均線(2万2712円)は下方に位置。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。現在のマーケットを取り巻く状況を見回して、今週は3つの変化が目にとまりました。ファーウェイに対する米国の禁輸拡大、アップル株の急伸、そして米国の大統領選挙、この3つです。

中でも3つめの米国の大統領選挙の行方が重要です。

11月の投票日まで80日を切り、いよいよ米国の大統領選挙も最後の直線コースに入った感があります。昨年までのトランプ政権であれば再選は揺るがない情勢でした。しかしコロナ対策で致命的な失敗を冒し、失業率が急降下している以上、支持基盤である白人・労働者階級からの支持が得られにくくなっています。

人種問題でも対処法を誤ったことで、もともと低空飛行だったマイノリティからの支持は期待できません。圧倒的に現職有利という経験則からは遠ざかるばかりで、現時点では民主党が政権を奪回する可能性がかなり高まっています。

その民主党の大統領候補に正式に指名されたバイデン・前副大統領の政権構想が徐々に明らかになっています。

主なものだけでも、同盟関係の再構築、温暖化対策の強化、製造業を含めた先端技術への投資拡大、キャピタルゲイン課税の強化、富裕層への所得税率引き上げなど、トランプ政権との違いを浮き彫りにするものばかりが並んでいます。

その中で対中国政策だけは、民主・共和両党ともに大枠では一致しています。中国への制裁関税は見直される可能性があるものの、中国に対する強硬なスタンスは民主党政権になっても大きな路線変更はないと見られています。

そうなるとファーウェイへの制裁強化は今後も継続されそうです。それがアップルをはじめ米国の大企業の競争優位につながり、現在の流れは民主党政権が誕生しても簡単には揺らぎそうにありません。

米中間の覇権争いはここから何年、何十年も続く雲行きです。日本にとってすべてがプラスに作用するばかりではなく、同時にマイナス面ばかりでもありません。株価で言えばもうしばらく下値固めと上値トライの応酬が続きそうな雲行きです。

外需関連株はもうしばらく事態の推移を見守っておき、まずは内需関連株の動きを重視していたいところです。

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注目記事 Pick up
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【止まらない任天堂 目標株価引き上げ合戦も】
日本証券新聞8月24日(月)紙面1面記事掲載 

“隠れた焦点”は日経平均採用?

任天堂(7974・月足)

止まらない任天堂(7974)。20日の「7日ぶり小反落」から即座に切り返し、一時2.9%高の5万4,880円まで買われた。月初の3日安値から19.6%高に達してきた。2007年7月以来の高値水準だ。

ニンテンドースイッチや「あつまれ どうぶつの森」のヒットが続き、「巣ごもり消費の勝ち組」としての評価は高まるばかり。スイッチの基幹部品を手掛ける米エヌビディアが21日に5~7月期好決算を発表して話題を呼んだことも、あらためて任天堂への関心を高める要因となった。

今月に入って、野村証券が6日付で「7万1,000円」目標を掲げると、マッコーリー、岡三両証券は「7万2,000円」目標を打ち出してきた。となると…。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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8月21日(金)☆[概況/大引け] 

週末要因で薄商いとなりしぼんだ。任天堂やエムスリーが買われ、日本ペイントはウットラムが親会社になることで上昇。マザーズは好調

大引けの日経平均は22,920.30円の39.68円高、TOPIXは1,604.06ポイントの4.86ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,330、値下がり銘柄数は718。出来高は9億1,028万株、売買代金は1兆6,777億円。
米ファイザーと独ビオンテックが新型コロナウイルスワクチンを10月にも申請する方向が好感され、日経平均は朝方反発したが、週末要因で買いが続かず、薄商いでしぼんだ。

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