2月12日(金)のマーケット
前日の米国株式市場でNYダウは小幅反落。大統領報道官が半導体不足の解消に向けて供給網の障害を特定する作業を進めており、産業界や貿易相手国と連携し、積極的に取り組んでいると述べたことが下支え要因となった。NYダウは前日比7ドル安(0.02%安)の3万1,430ドル。また、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンがビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)を顧客が保有、送金、発行するのを支援する部門を新設すると発表したことで、ビットコインが最高値を更新し、ビットコイン関連のスクエアが買われた。ナスダックは反発。エヌビディアやラムリサーチといった半導体関連が買われた。ナスダック総合指数は前日比53ポイント高(0.38%高)の1万4,025ポイント。
祝日明けの本日の東京市場は、SQを迎えて上昇でのスタート。寄り後に高値を付けるとその後は週末の手仕舞い要因から日経平均は小幅安での推移。前日まで4連騰となっていたことから利食い売りが先行。対して、トヨタや日本電産、任天堂が買われTOPIXは底堅く推移し小幅高。大引けの日経平均は42円安の2万9,520円。売買代金は3兆202億円。TOPIXは3ポイント高の1,933ポイント。
新興市場は続伸の展開。JASDAQ指数は5日続伸。シンバイオ製薬が反発、フェローテックは業績上方修正と増配で買われた。クルーズは新作ゲームを公開しストップ高。対して、ワークマン、ニッポン高度紙は下落。マザーズ指数は続伸。メルカリが大幅続伸。MTGは第1四半期で通期の営業利益計画に到達したためストップ高。フリーは赤字決算だったものの、第2四半期5割増収となり急騰。一方、BASEは今期営業赤字予想となり下落。
チャート上では、ボリンジャーバンドの+2σ(2万9,595円)レベルでの推移。ここを上抜けると+3σの3万100円処が射程圏。週足では先週の大陽線の上方からのスタートで連続の大陽線。11月の上昇局面と、1月の上昇局面を彷彿とさせるチャート形状となった。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。来週の月曜日、10-12月期のGDPが発表されます。
現在のところ、エコノミストの予想では+8%程度の増加となっています。「GoToトラベル」や「GoToイート」の小売業の支援キャンペーンが実施されたこともあって、個人消費の伸びが景気の底入れを支えました。
これらのキャンペーンは新たな感染拡大をもたらした一因とも見られています。緊急事態宣言の発令もあって、続く1-3月期は▲5%強のマイナスに逆戻りすると予想され、半年間のプラス成長が続いたあとに、再びマイナス成長に戻るとの見方が大勢です。
一方では企業業績は順調に回復しています。先週、トヨタ自動車(7203)が第3四半期の決算を発表しました。9か月累計の売上高は19.5兆円(前年比▲15%)の減収に対して、10-12月期の3か月間だけをとってみれば売上高は8.1兆(+7%)と増収に戻りました。純利益も8386億円(+50%)と1年ぶりにプラスに回復しています。
トヨタ自動車の復調が部品メーカーや素材メーカーにも恩恵をもたらしており、この好循環が続いているうちに、将来に上向きの力を引き継いでいけるかどうか、時間との戦いとなってきました。来週から日本でもワクチン接種が始まります。春になれば湿度も上がってウイルスの飛散は少しでも抑えられるでしょう。
おっかなびっくりではありますが、市場全体の上値トライの動きに遅れないようについてゆくところです。ここで踏ん張れるかどうか、今がまさに正念場と言えるでしょう。
※【動画】NSJヘッドラインに特別ゲスト出演。2021年の展望を伺いました。是非ご覧ください!
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注目記事 Pick up
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【相場を斬る(71) 日経平均の25日線と52週線の傾きを注視】
日本証券新聞2月15日(月)紙面1面記事掲載
個別銘柄では出遅れ銘柄の水準訂正が継続
移動平均線(以下MA)を使って株価を分析する時に、日足・週足・月足のどれを見たらよいのかと質問されることが多々ある。投資初心者には、足の種類よりも、MAを使い定点観測的にチャートを継続して確認することの重要性を話すが、一定以上のレベルの投資家には、時間軸を硬直的に考えずに人間の視覚同様、遠くだけ、近くだけ、中間を固定して見るのではなく、日足の変化が週足に、週足の変化が月足にどのように影響を与えるかを考え、短・中・長期の流れを組み合わせた分析の重要性を説くことを心掛けている。
短期トレンドを見る日足では5日・25日、中期を見る週足では13週・26週、長期を見る月足では12カ月・24カ月などの日柄が一般的に使われるが、中期トレンドには短期トレンドが、長期トレンドには中期トレンドが内包されている。昨年3月のように相場が底値圏から上昇転換する時は、まず短期から改善し、次いで中期、長期と順を追ってトレンドが上昇転換し、反対に高値圏から下降に転じる時も短期、中期、長期と順を追って下降転換していくことを忘れてはいけない。
2月第3週以降25日MAの応当日株価が上昇
日経平均の長期トレンドを見ると、昨年6月に12カ月MAと24カ月MAのゴールデンクロスを形成し、株価と移動平均線の位置関係は「株価>12カ月MA>24カ月MA」、中期トレンドを見る週足でも10月最終週の13週MA割れを最後に、現在まで「株価>13週MA>26週MA」、日足も10日時点で「株価>5日MA>25日MA」となっており、「株価>5日MA>25日MA>13週MA>26週MA>12カ月MA>24カ月MA」とすべての足での順パターンを形成している。
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今日の市況概況
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2月12日(金)☆[概況/大引け]
反落したが下げ幅は小幅。TOPIXは小じっかり。ソフトバンクGとソニーは安いが、バイデン政権が半導体不足に対応方針で半導体製造装置が高い
大引けの日経平均は29,520.07円の42.86円安、TOPIXは1,933.88ポイントの3.06ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,004、値下がり銘柄数は1,107。出来高は13億4,398万株、売買代金は3兆202億円。
日経平均は週末の手仕舞いで5営業日ぶりに反落したが、業績改善を支えに下げ幅は小幅にとどまった。
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