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コラム2021年10月8日

【本日のマーケット】10月8日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

10月8日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場でNYダウは3日続伸。上院の与野党が連邦政府の借り入れ限度を定めた債務上限を12月3日まで引き上げることで合意したため、NYダウは一時558ドル高となった。その後は翌日に米国雇用統計の発表を控え上げ幅を縮めた。GMやフォードなどの自動車や鉱山会社のフリーポート・マクモラン、医療保険のユナイテッドヘルスやツイッターなど幅広く買われた。NYダウは前日比337ドル(0.98%)高の34,754ドル。ナスダックも3日続伸。テスラやモデルナ、AMDが高い。NASDAQ総合指数は前日比152ポイント(1.05%)高の14,654ポイント。S&P500指数は前日比36ポイント(0.83%)高の4,399。

本日の東京市場は、米国市場の3日続伸を受けて続伸スタート。寄付きのオプションのSQ値2万8,098円を上回り、徐々に上げ幅を拡大。一時は643円高の2万8,321円まで上昇する場面も見られた。米債務上限問題の不安後退と国慶節の連休明けの上海市場が上昇したことも安心感を誘った。後場からは今夜の米雇用統計の発表を控え、上値が抑えられた。大引けの日経平均は370円高の2万8,048円。売買代金は3兆1,984億円。TOPIXは22ポイント高の1,961ポイント。

新興市場も続伸。JASDAQではシグマ光機が好決算で買われ、ケルは通期業績上方修正で高い。一方で、かんなん丸とDMソリューションズが反落。ドーンは減益決算で売られた。マザーズ指数も続伸。メルカリは手軽にネットショップを出店できるサービスを開始したため、収益基盤の拡充が期待された。ジモティーはいちよし経済研が新規に「A」と発表し急伸した。霞ヶ関キャピタルは大幅続伸。対してHENNGEは下落。

日足チャート上では、週初から200日移動平均線を割り込み下放れ。一目均衡表の雲の下限を、終値ベースでなんとか踏みとどまっている形。本日の上昇で雲抜けも期待されたが、長い上ヒゲを引き、雲の中に押し戻された。週足では13週・26週移動平均線を共に下抜けてしまった格好。TOPIXは一目均衡表の雲の上に位置しており、200日移動平均線で踏み止まり、底入れを感じさせる。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。中国の恒大グループの債務不履行問題に対して市場は神経質をとがらせています。ドル建て債の利払いは再び延期され、恒大グループの株式は週明けの香港市場が取引停止となり、それが東京株式市場を揺さぶりました。

マクロ経済の鈍化の芽が出ていることも株価の上値を抑えています。先週は中国の9月の製造業PMIが1年7か月ぶりに「50」の分岐点を下回ったことが話題となりました。それに続いて今週は、日本で8月の景気動向指数が発表され、速報ベースながら景気一致指数は91.5(▲2.9)と2か月連続で低下しました。

すぐに景気判断が引き下げられることはありませんが、8月の鉱工業生産の95.0(▲3.2)に続いて、マクロ経済面の弱めのデータがまたひとつそろいました。

そのような経済環境下において、岸田新政権による衆院総選挙が実施されます。景気が徐々に弱含みとなる今回の総選挙は、果たしてどうなるのでしょうか。「新しい資本主義」、「新自由主義からの転換」を訴える岸田新首相のリーダーシップが早くも問われます。願わくば一日も早く、明るい世の中を取り戻してほしいものです。

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注目記事 Pick up
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【外国人大量売りにも一巡の気配
日本証券新聞10月11日(月)紙面1面TOP記事掲載 

先物主導の投機筋&米投信の節税対策

8日の日経平均は9月14日(バブル後高値)以来の続伸となり、TOPIXも10日ぶりの急反発。波乱続きだった市場にも、ともあれ落ち着きが戻ってきた。

懸案の米国債務上限問題では、米上院が7日、上限拡大法案を賛成多数で可決。また、恒大集団問題で揺れた中国も、国慶節休暇明けで売買再開の8日は堅調に始まった。中国連休入りとともに日本株の下げが加速した経緯があり、大和証券の木野内栄治氏は8日付レポートで「流動性が大きい東京市場がヘッジで売られてきたとすればそれは終了だ」と指摘する。あとは8日引け後の米雇用統計発表を平穏に通過すれば「嵐は過ぎ去る」との期待から、米国株高を受けての高寄り後も上値を試す展開となった。

なお、寄り値を上回って引ける「日足陽線」が2日続くのは、高値形成から急落に至ったここ3週間余で初めて。日々の日経平均騰落を①夜間(前日終値から当日始値まで)と②日中(当日始値から終値まで)に分解して集計したところ(表参照)、9月前半の急騰局面と下旬以降の急落局面でともに(特に後者は)②の寄与分が突出していた。これが何を意味するのか。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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10月8日(金)☆[概況/大引け] 

米デフォルトリスクの回避と上海株上昇で一時643円高。米雇用統計発表を控え、終値は370円高

大引けの日経平均は370円高の2万8,048円、TOPIXは22ポイント高の1,961ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,746、値下がり銘柄数は358。出来高は13億5,677万株、売買代金は3兆1,984億円。
米国の連邦債務上限問題は、暫定予算の期限となる12月3日までの歳出をカバーする水準に引き上げる法案が上院で可決されたため、米国債のデフォルト(債務不履行)の危機はいったん回避されることが安心された。

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