12月16日(木)のマーケット
前日の米国株式市場は大幅反発。注目されたFOMCは11月から始めたテーパリング(量的緩和の縮小)の減額幅を月額150億ドルから月額300億ドルに加速させることを決定した。これにより、新規の債券買い入れプログラムは従来想定より3カ月早く来年3月に終了する見通し。FOMCメンバーによる金利予測の中央値では、2022年に0.25%ずつ3回の利上げを行うことが適切と見ていることが示された。想定内の結果となり、大イベント通過から米国市場は大幅反発。また、パウエルFRB議長が会見で、米国経済は最大限の雇用に向けて急速に進展しているとの発言も好感され上げ幅を拡大した。NYダウは383ドル(1.08%)高の35,927ドル。NASDAQ総合指数は前日比327ポイント(2.15%)高の15,565ポイント。S&P500指数は前日比75ポイント(1.63%)高の4,709。
本日の東京市場は、米国株の大幅反発を受けて、幅広く買いが入り大きくギャップアップでのスタート。日経平均は一気に200日移動平均線をブレイクし、2万9,000円を挟んだ水準で推移。10時30分過ぎから上げ幅を縮める展開となったが、後場からは再度買い直されて、大引けにかけて本日の高値を形成。大引けの日経平均は606円高の2万9,066円と、11月26日以来の2万9,000円台回復。売買代金は2兆6,517億円。TOPIXは28ポイント高の2,013ポイントと、2,000ポイント乗せとなった。
新興市場も続伸。JASDAQは朝方に比べて上げ幅を縮めた。次世代半導体チップ実装用特殊ガラスキャリアのジオマテックは2日連続ストップ高。田中化研が続伸となり、アミタは急反発。一方でANAPやナフコは売られた。マザーズ総合指数はかろうじて1,000ポイントを回復。サイエンスアーツと日本電解は大幅続伸。サンバイオは全米外傷性脳損傷レジストリ協会の設立会員でストップ高。対して、Pアンチエイジが反落、Birdmanは利食い売りに押された。
チャート上では、大きくギャップアップとなり2万9,000円を回復。頭を抑えていた200日移動平均線(2万8,858円)を一気に飛び越え、一目均衡表の雲抜け(2万9,044円)を達成。年末相場の“掉尾の一振”の可能性も出てきた。
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注目記事 Pick up
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【IPO激震 公開価格割れラッシュか】
日本証券新聞12月17日(金)紙面1面TOP記事掲載
“ネットプロ・ショック”の裏に宝の山も
空前のIPO(新規上場)ラッシュの火ぶたが切られた。“先鋒”を務めた15日上場のネットプロテクションズHD(7383・東マ)は、公開価格を5%弱下回る水準で初値を形成→ストップ安→引けにかけて値を戻すなど値荒い展開となった。同社は①ブックビルディングでの海外配分比率が高い(75%)②仮条件上限が想定価格を上振れ――と大型案件であっても上場時に順調発進が見込まれる2大条件をクリアしていた。にも関わらず厳しい船出となったインパクトは大きく、“次鋒”の16日上場2社も大型案件でないにも関わらず静かな滑り出し。True Data(4416・東マ)は公開価格を1.3%上回る2,250円、ブロードエンタープライズ(4415・東マ)は同7.7%上回る3,005円でそれぞれ初値を付けた。
ネットプロテクションズHDは、前出の2大条件を具備しながら初値が公開価格を割った初のケースとみられる。IPOに詳しい市場関係者は、「海外では『ブックビルディングで株式取得』=『セカンダリーでも購入する意思表明』とされ、実際、海外配分比率の高い銘柄は上場時に外国人買いを交え上昇するパターンが多い」という。ネットプロテクションズHDはこうした“IPO常識”を覆した格好となり、マーケットに与えた衝撃は大きい。
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今日の市況概況
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12月16日(木)☆[概況/大引け]
FOMC後の米国株大幅反発が安心され、日経平均は2万9,000円を回復。半導体関連と海運、OLCの上げが目立った
大引けの日経平均は606円高の2万9,066円、TOPIXは28ポイント高の2,013ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,676、値下がり銘柄数は421。出来高は10億5,352万株、売買代金は2兆6,517億円。
FOMCがインフレ対策で後手に回ることを回避し、インフレファイターに転じたことが評価され、米国株は大幅反発となった。米国株高が安心され、日経平均は2万9,000円を回復。
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