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コラム2021年12月17日

【本日のマーケット】12月17日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

12月17日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場で主要3指数は反落。グロースからバリューへのシフトでNYダウはプラス圏で底堅く推移していたが、わずかに反落。今後の金利上昇を見込んで高PER銘柄のハイテク株中心の下落となったため、ナスダックの下落率が大きかった。NY証券取引所ではスノーフレークやセールスフォースが売られたが、ファイザーとバンク・オブ・アメリカ、AT&Tは買われた。NYダウは前日比29ドル(0.08%)安の35,897ドル。ナスダックは2.47%の大幅下落。アップルやテスラ、エヌビディアが売られ、アドビは売上高見通しがアナリスト予想に届かなかったため急落。NASDAQ総合指数は前日比385ポイント(2.47%)安の15,180ポイント。S&P500指数は前日比41ポイント(0.87%)安の4,668。

本日の東京市場は、米国でFOMC通過後の買い戻しが一巡し、高PER銘柄のハイテク株中心に売られたため反落でのスタート。前場は2万8,800円台を中心に推移していたが、後場寄りから下げ幅を拡大。欧米各国の中央銀行が出口戦略に踏み切る中で、日銀金融政策決定会合でのコロナ対応資金繰り支援策縮小も嫌気された格好。また、米国証券取引委員会(SEC)が15日に、企業経営者や創業者などによる自社株取引を制限する規則案を公表したため、米国株は規制実施前に経営者による自社株売りが増えると警戒された。大引けの日経平均は520円安の2万8,545円。売買代金は3兆3,804億円。TOPIXは28ポイント安の1,984ポイント。

新興市場も続落。JASDAQではジオマテックが反落し、フェローテックとウエストHDが安い。一方、ニッポン高度紙はリチウムイオン電池関連として3日続伸。マザーズ指数は3.72%の急反落。IPOラッシュに加え、連日の下落で追証の発生や節税目的の損益通算売りが要因。ステムリムは大幅反落となり、セルソースが大幅安。対して、サイエンスアーツは3日続伸となり、コールセンター運営受託のバーチャレクスは年初来高値。

日足チャート上では、昨日の大幅上昇で一気に200日移動平均線を上抜けて、一目均衡表の雲抜けも達成となっていたものの、本日の急落で再び5日移動平均線も割り込んだ。週足では、長い上ヒゲを引き、13週・26週線移動平均線に抑えられた格好。TOPIXの日足のチャートは2,000ポイント回復を達成したが、本日の急反落で維持できず。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週はオリエンタルランド(4661)の株価が急伸して、木曜日には上場来高値を更新しました。なぜこのタイミングでオリエンタルランドの株価が急伸したのか、何が理由なのか、正直に申し上げてはっきりとはわかりません。特別の材料が出たわけではないようです。

私が株価上昇の理由を知らないだけで、ひょっとしたら私以外の方々にとっては理由は明白ということもよくあります。首をかしげるばかりなのですが、しかし経験的に言ってこういう時は注意を要します。

株価の変動は言ってみれば「理外の理」というものが大半で、実はその方が多数を占めるのかもしれません。しかし理由のわからない株価上昇(下落も)が、実は最も重要で注意を要します。そういう説明のつかない上昇や下落の方が、株価が真実を物語っていることが多いものです。

今回のケースでは、ひょっとしたら株式市場は「アフターコロナ」、コロナ後の世界をすでに一部では模索し始めているとも考えられます。季節の移り変わりと同じように、経済の局面変化はからりと明確に場面が変わることはなく、次第に順を追って少しずつ変わってゆきます。

年末のあわただしいこの季節、次なる展開が水面下で準備されているとすれば、より注意深く市場の動きを追いかけていかなくてはならないでしょう。来たる年の業績相場に向けて、個々の銘柄をじっくりと追いかけてゆくべき時間帯と言えそうです。

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注目記事 Pick up
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【今年もあるか!?“掉尾の一振”】
日本証券新聞12月20日(月)紙面1面TOP記事掲載 

「納会直前4日間」は22勝6敗 納会JQ28連勝中

米国株安を受けた17日の日経平均は520.64円安の急反落。前日の上げ幅(606.60円)の85.8%を帳消しにした。日銀金融政策決定会合でのコロナ対応資金繰り支援策縮小もキッカケとなった。なお、16日のニューヨークダウは29.79ドル安ながら、アップル、セールスフォース、マイクロソフト3銘柄合計の下落寄与度約156ドルを踏まえれば、実質プラスのようなもの。一方で、NASDAQ指数は2.47%安と下げが厳しい。先のFOMC(米連邦公開市場委員会)のタカ派姿勢を受けた金利上昇予想の高まりがグロース株への敬遠ムードを誘っているようだ。これを受けた日経平均も東京市場も東京エレクトロンなどグロース系の銘柄に下げが目立っていた。とはいえ…。

米国市場は17日に、日本のメジャーSQ(特別清算指数)算出日に相当するクアドルプル・ウィッチングを通過し、翌週からはクリスマス休暇が本格化するタイミング。東京市場においても今年の245営業日中、残すは9営業日と年末カウントダウンに入る。もちろん、クリスマス暴落に見舞われた2018年のようなケースもあるが、通常なら、内外機関投資家の市場参加が減って、全般は閑散、個人主導で個別銘柄が激しく動く「もちつき相場」が想定されてくるところ。節税対策の“損出し売り”一巡なども背景となる。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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12月17日(金)☆[概況/大引け] 

大幅反落。米SECの経営者による自社株売り新規則案や米中対立による上海株下落、日銀によるコロナ対策縮小決定が響いた

大引けの日経平均は520円安の2万8,545円、TOPIXは28ポイント安の1,984ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は451、値下がり銘柄数は1,635。出来高は14億4,002万株、売買代金は3兆3,804億円。
日経平均は大幅反落。

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