1月28日(金)のマーケット
1月27日の米国では第4四半期の実質GDPが年率換算で前期比6.9%増と第3四半期の同2.3%増から加速し、市場予想の5.5%増も上回った。これを受けて、NYダウは朝方は605ドル高となったが、その後はFRBによる金融引き締め警戒感から伸び悩み、後半は前日終値を挟んだもみ合いとなった。ボーイングやオンラインゲーム関連のロブロックスが売られた。一方、ソフトウェア開発のサービスナウは決算がアナリスト予想を上回り、化学のダウケミカルは好決算で買われた。NYダウは前日比7ドル(0.02%)安の34,160ドル。ナスダックも序盤は上昇したが、買い一巡後は下落に転じた。テスラはサプライチェーン(供給網)の問題で、工場がは生産能力を大きく下回る水準での操業が数カ月間続いていることも明らかとなり売られた。インテルは工場投資の負担により、1~3月期の利益見通しがアナリスト予想を下回ったことで下落。ネットフリックスはヘッジファンドのパーシング・スクエア・キャピタルによる保有が判明し上昇。NASDAQ総合指数は前日比189ポイント(1.40%)安の13,352ポイント。S&P500指数は前日比23ポイント(0.54%)安の4,326。
本日の東京市場は、売られ過ぎの反動で大きく反発でのスタート。寄付き後の買い一巡後に上げ幅を縮めたが、再び切り返した。米アップルの決算が市場予想を上回ったことで、時間外の米株先物も上昇となっており、安心感が広がった。直近3日間の急落で1400円の下落となっていたことで、自律反発狙いの買いも入り、昨日の下落分の3分の2を戻す形となった。大引けの日経平均は547円高の2万6,717円。売買代金は3兆3,464億円。TOPIXは34ポイント高の1,876ポイント。
新興市場も反発したが、日経平均と比べると上昇率は小幅。JASDAQではアミタや田中技研、ハーモニックドライブが買われ、トレードワークスはCXRエンジニアリングと資本業務提携で買われた。一方、東映アニメと出前館は下落。マザーズではメルカリや弁護士ドットコムが買われ、アスカネットはセブンイレブンで3Dプレートによる非接触・空中ディスプレイPOSレジの実証実験で人気となった。対して、アジアクエストは下落。
日足チャート上では底値圏での「陰の陽」はらみ。酒田五法の中でも「変化の前提」とされており、相場転換のサインとなるか注目です。昨日の3%急落に対して2%の上昇。BBの-2σを回復してきており、目先はー1σの2万7,386円を目指す展開を期待したい。週足では一目均衡表の雲を下に突き抜け、長い下ヒゲを形成。ちょうど、100週移動平均線で踏み止まった格好。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。日経平均は先週、28,000円を割り込んだばかりですが、今週は木曜日に26,000円の大台割れ寸前まで急落することとなりました。目の前で大台が次々と変わってゆく猛烈な下落スピードでした。
株安の中心にいる米国市場は、NYダウ工業株が瞬間的に1日で▲1,000ドル以上も下落する日もありました。調整らしい調整がないまま、昨年暮れにも史上最高値を更新するまで上昇してきただけに、どうやらはっきりと調整局面に入りつつあります。
今週、IMFは3か月ごとの世界経済の見通しの改定を発表しました。それによれば2022年の世界経済は昨年10月の4.9%から、4.4%にまで引き下げられました。各国でコロナウイルスの封じ込め策が強化される影響が出ることが引き下げの理由です。
中でも目立っているのが米国です。昨年10月の5.2%見通しから今回は4.0%に、▲1.2ポイントも引き下げられました。同じようにユーロ圏も、それまでの4.3%から3.9%にまで、▲0.4%の引き下げとなっています。
さらに中国もそれまでの5.6%から、4.8%へ▲0.8ポイントの引き下げとなりました。それぞれの理由として、米国は賃金の上昇に基づくインフレ圧力の強さ、中国は「ゼロコロナ政策」を貫くことで内需に対する移動規制の影響が警戒されています。
その中で日本だけは、わずかですが成長率の見通しが引き上げられました。昨年10月の3.2%から、+0.1%の3.3%となっています。
デフレが定着してモノが売れない「日本化」が少し前までは恐れられていましたが、当の日本では不況を恐れるという状況よりも、反対にマンション価格がどんどん上昇して社会的に問題になるほどです。経済は底堅く推移しています。株価の落ち着きを待って次なる買いチャンスを見定めるべきだと思います。
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注目記事 Pick up
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【「パウエルショック」後急反発の行方は】
日本証券新聞1月31日(月)紙面1面TOP記事掲載
日経平均547円高 イベントラッシュの翌週が焦点
28日の日経平均は一時594.55円高の怒りの急反発。といっても、前日の下落幅(841.03円)には届かず、昨年末水準(2万8791.71円)から、なお2,000円幅の下ザヤにとどまっているのが現状だ。ともあれ、5日のFOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨公表に端を発するグローバル相場波乱は、25~26日のFOMCを経て、ひとまずセリングクライマックス局面を通過したのか…。
27日の急落について、「パウエルショック」との呼び名が広がりつつある。かつて2013年5月のバーナンキショックを彷彿(ほうふつ)とさせるものだ。野村証券とニッセイ基礎研究所がともに27日付ストラテジーレポートで、この表現を用いた。SMBC日興証券は「『パウエルプット』の不在」としたが、意味するところは同じだろう。26日のパウエル議長会見は、一段とタカ派姿勢を強める一方で何らの言質も与えず、市場が最も嫌う不透明感を一気に高めたことも背景にある。
・・・続きは紙面・Digital版で!
今日の市況概況
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1月28日(金)☆[概況/大引け]
3分の2戻し。上方修正の信越化学や富士電機、新光電工が大幅高だが、レーザーテックと東京エレクは売られ、大手鉄鋼は格下げで下落
大引けの日経平均は547円高の2万6,717円、TOPIXは34ポイント高の1,876ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,928、値下がり銘柄数は220。出来高は13億2,965万株、売買代金は3兆3,464億円。
日経平均は前日の841円安に対して、本日は3分の2戻しとなった。
前日の米国で10~12月期の実質GDPが前期比年率6.9%増と7~9月期の同2.3%増から成長率が加速し、市場予想の5.5%増も上回ったことを受けて、米国株があまり売られなかったため、東証は反発した。
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