2月18日(木)のマーケット
2月17日の米国株式市場は大幅続落。バイデン大統領が、ロシアによるウクライナ侵攻の脅威が非常に高く「近日中に起こる可能性がある」との認識を示したため、NYダウは今年最大の下げ幅となった。ビッグデータ分析のパランティアテクノロジーズやクラウド関連のセールスフォースが売られ、金融株やスリーエム、キャタピラーも安い。一方、ウォルマートは決算が好感され、コカコーラは増配と自社株買いを発表し上昇。NYダウは前日比622ドル(1.78%)安の34,312ドル。ナスダックも大幅続落。エヌビディアやAMD、テスラが売られた。ネットワーク関連のシスコ・システムズは業績上方修正と自社株買いを発表したことで買われた。NASDAQ総合指数は前日比407ポイント(2.88%)安の13,716ポイント。S&P500指数は前日比94ポイント(2.12%)安の4,380。
本日の東京市場は、米国市場の大幅下落を受けてギャップダウンでのスタート。CMEの日経平均先物の終値にサヤ寄せする形で2万6,800円台での推移となった。一時は440円安の2万6,792円まで売られたが、10時30分過ぎに先物に大量の買戻しが入り一気に2万7,000円台まで値を戻した。来週末に米露外相会談が開催される見通しとの報道を受け、来週末まではウクライナ侵攻は無いのではないかとの見込みで先物に買戻しが入った。後場からは下げ幅を縮め、一時は16円安の2万7,216円と、プラス圏目前まで迫る場面も見られた。週末を控え、不透明要因も多いことから上値は追えず続落。大引けの日経平均は110円安の2万7,122円。売買代金は2兆8,069億円。TOPIXは6ポイント安の1,924ポイント。
新興市場も共に続伸。JASDAQも下げ幅を縮小。フェローテックとシンバイオ製薬、東洋合成は売られたが、セプテーニや東映アニメが買われ、ジーダットはストップ高。マザーズ指数は前場700ポイントを下回り685ポイントまで売られたが、後場は一時小幅高に持ち直した。FRONTEOが反発し、ブロードエンターが大幅続伸。エンバイオはドバイに太陽光発電所建設を材料視。対してアスカネットは6日ぶりに反落となり、アスタリスクは続落。
日足チャート上では下ヒゲを伴う陽線で底堅さを感じさせた。25日移動平均線(2万7,358円)からは下方乖離となったものの、5日移動平均線(2万7,152円)近辺までの戻りとなった。上値は重く1月31日以来のパラボリックは陰転を示現。週足では連続陽線の後の十字足に近い陰線。一目均衡表の雲の下限近辺で踏み止まった。1月の安値を割り込まず、本日の安値が2番底となるか注目される。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。株式市場は目まぐるしい動きとなっています。
先週末に明らかになった米国の消費者物価統計によってインフレに対する警戒感が一段と強まり、今週は週初から株価は下落基調を余儀なくされました。
軟弱な地合いに拍車をかけているのが、ウクライナ情勢です。戦争か、回避か、紛争激化への危険は最初から存在しない可能性もあります。誰もわかりません。
それだからか、株価もバリュー株を中心に意外なほどの強さを見せています。とりわけ好決算が確認された銘柄には下値抵抗力が強まってきた様子も見えます。
下値抵抗力が備わりつつあるひとつの兆候として、企業から発表される業績内容に敏感に反応している点があります。12月期の本決算を発表したアサヒグループホールディングス(2502)は、事業の構造改革が実を結びつつあり、前期は最高益を更新するに至りました。決算発表をきっかけに株価も堅調です。
コロナウイルスは社会に大きなダメージを与えましたが、損失ばかりではありません。本来起こり得る変化を前倒しで呼び込んでいます。変革を目指す企業にとってそれはプラス方向の変化としても現れています。
現時点ではそのような変化は12月決算企業の一部に見られますが、3か月後には3月決算企業の中からも数多く出現してくると予想されます。いまはまだ見えにくいことかもしれませんが、そのような変化をいち早くとらえてゆきたいものです。
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注目記事 Pick up
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【「ウクライナ」 1カ月が正念場に SMBC日興証券 末澤豪謙金融財政アナリストに聞く】
日本証券新聞2月21日(月)紙面1面TOP記事掲載
侵攻の季節的条件、プーチン大統領の思惑、市場の反応…
二転三転するウクライナ情勢――。15日は「ロシア軍が一部撤収」の報にニューヨークダウ422.67ドル高。17日にはバイデン大統領が「数日内には侵攻も」との認識を示し、同622.24ドル安。これを受けて朝方440.33円安まで売られた18日の日経平均も、「米ロ外相、来週会談」とのロイター報道で急速に下げ渋るなど、右往左往といったところ。表層で飛び交うニュースの奥で、実際には何がどうなっているのか。この手の情報分析に圧倒的な強みを持つ、SMBC日興証券の末澤豪謙金融財政アナリスト(写真)に話を聞いた。
――先の「一部撤収」は一体何だったのか。
「情報戦の一環で欺瞞(ぎまん)工作だろう」
――“ウクライナ危機”は、このままいつまでも続くのだろうか。
「向こう1カ月が正念場であり、この間に情報戦や外交交渉が続く」
・・・続きは紙面・Digital版で!
今日の市況概況
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2月18日(金)☆[概況/大引け]
日中の侵攻リスクで前場は一時440円安。来週、米ロ外相会談が開催されることになり後場は下げ幅を縮小
大引けの日経平均は110円安の2万7,122円、TOPIXは6ポイント安の1,924ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は916、値下がり銘柄数は1,166。出来高は11億2,566万株、売買代金は2兆8,069億円。
バイデン大統領がロシアによるウクライナへの軍事侵攻の可能性について、「私の感覚では今後数日中に起こると思う」と述べたため、17日の米国株は大幅続落となり、18日の日経平均は一時440円安の2万6,792円となった。
だが、米ロ外相会談が来週開催される運びとなったため、後場は下げ幅を縮めた。
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