3月4日(金)のマーケット
3月3日の米国株式市場は反落。2月のISM非製造業景気指数は56.5と1月の59.9から低下し、市場予想の61.0に反した。ロシアのプーチン大統領が、フランスのマクロン大統領と電話会談し、目的を達成するまでウクライナでの軍事作戦を続けると発言したことも警戒された。クラウド技術を活用したビッグデータの保管・分析サービスを提供するスノーフレイクは、今年度について製品売上高の伸びが鈍化する見通しを示したことで急落。一方、ベストバイは2025年度の売上高見通しが好感された。NYダウは前日比96ドル(0.29%)安の33,794ドル。ナスダックではテスラやAMDが売られた。NASDAQ総合指数は前日比214ポイント(1.56%)安の13,537ポイント。S&P500指数は前日比23ポイント(0.53%)安の4,363。
本日の東京市場は、プーチン大統領がフランスのマクロン大統領との電話会談で、目的を達成するまでウクライナでの軍事作戦を続けると発言したことを受け、反落でのスタート。寄り後に、ロシア軍の攻撃により、ウクライナのザポロジエ原子力発電所で火災が発生したと報じられ、先物に売りが殺到。日経平均は一時802円安の2万5,774円まで急落となり、先週24日につけた昨年来安値を更新。その後、ザポロジエ原発の火災はロシア軍の攻撃により敷地外の訓練用建物で起きたものであり、放射線の安全は守られていると報じられ、下げ幅を縮めた。しかしながら、冷却水の供給に必要なバックアップ電源がなくなる事態を引き起こすリスクが警戒され、日経平均は安値圏での推移。大引けの日経平均は591円安の2万5,985円と2万6,000円割れ。売買代金は3兆6,277億円。TOPIXは36ポイント安の1,844ポイント。
新興市場は共に3日続落。JASDAQも売られ、フェローテックやフルヤ金属、ウエストHDが下落。対して、ロシアに対する制裁の影響で非鉄金属の調達が難しくなると不安視されているため、電子部品から貴金属を回収するアサカ理研は大幅高。ロシアによるサイバー攻撃の脅威が高まっていることを受け、日本政府がサイバー対策強化を要請したため、マザーズ指数の下落率は4%超と大きくなった。サイエンスアーツやエネチェンジ、フリーが大幅安となり、直近新規公開株のBeeXは4日続落。一方、ログリーは2日連続ストップ高。GRCSとセキュアが高い。
日足チャート上では、本日の急反落でギャップダウンの大陰線。ザラ場安値で先週24日、ロシアがウクライナ侵攻を開始した日の安値を1円下回った。ボリンジャーバンドのー2σ近辺での大引け。週足では長い上ヒゲを伴う陰線。ボリンジャーバンドのー2σを下抜け、下方向へのバイアスが掛かっている。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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ウクライナに対するロシアの野蛮な侵略行為を強く非難します。ロシアは一刻も早く軍事行動を止め、今回の出来事で傷ついた世界からの信頼回復に力を注ぐべきです。
歴史が大きく転換する様を私たちは目の当たりにしています。2月24日に開始されたウクライナへの軍事侵攻は、本日(3月4日)で9日目を迎えました。しかし一向にロシア軍の侵攻は止まらず、逆に戦闘行為はエスカレートする一方です。
航空会社はロシア上空の飛行を停止し、燃料消費とフライト時間をいとわずにロシア回避の動きを強めています。グローバルな金融機関はロシアが関わるプロジェクトの融資、保険引き受けから撤退を決めました。
シェル、BP、エクソンモービルなど資源開発の世界的な大企業が、何千億にも及ぶ損失をいとわずに次々とこれまでの投資を清算しています。アップルやディズニーもロシアでのサービス提供を停止しました。これらすべてが減損損失と売上げの消失につながります。
トヨタはロシア国内での工場稼働を停止しました。ホンダはロシア向け輸出から手を引きます。日本の自動車メーカーがこうむる業績への影響は1000億円近くに達すると見られています。自動車産業の活動が鈍ることは日本および世界経済にとって下押し圧力が強まります。
戦後体制が大きく揺らいでおり、世界の株式市場は日々のニュースフローに右往左往しています。その過程で各国の株価が示す新たな価値、価格の発見機能が始まっていると考えられます。誰もが見通しの効かない世界に投げ込まれ、しばらくの間は変動性の高い値動きが続くと見られます。
しかしそれがマーケットの役割でもあります。下値への到達が確認されれば新たな買い手が現れると予想されます。今はその時を虎視眈々とうかがっているところです。変化を恐れず、市場での激しい値動きにしがみついて、新たなチャンスを待ちたいと思います。
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注目記事 Pick up
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【日経平均591円安 ロシアが揺さぶる「東京市場」】
日本証券新聞3月7日(月)紙面1面TOP記事掲載
供給危機“恩恵”銘柄には買いが続く
4日の日経平均は一時802.99円安。(ロシアが侵攻開始した)24日のザラバ安値を1.36円下回る場面があった。朝方、ロシア軍によるウクライナの原発砲撃が伝えられると先物売りが殺到。福島第一原発の事故の経緯もよぎったか。ちなみに、“3.11”がメジャーSQ(特別清算指数)算出日に重なるのは東日本大震災当日から数えて、今年で3回目となる。
ロシア絡みで一時4.0%安と、昨年10月26日以来の安値に売られたのは御大・トヨタ自動車(7203)。1月半ばに40兆円超えが話題を呼んだ時価総額も32兆円まで縮小してきた。4日からのロシア工場停止発表が背景だ。三菱UFJ証券は3日付で、ロシア販売減少やルーブル安の営業減益効果を500億円と試算していた(今3月期予想の1.78%ではあるが…)。
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今日の市況概況
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3月4日(金)☆[概況/大引け]
ウクライナの原発施設で火災発生し一時800円安。日野自動車は排ガスデータ不正で急落
大引けの日経平均は591円安の2万5,985円、TOPIXは36ポイント安の1,844ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は210、値下がり銘柄数は1,929。出来高は15億2,925万株、売買代金は3兆6,277億円。
ロシア軍の攻撃によりウクライナの原子力発電所で火災が発生したと報じられ、日経平均は一時802円安の2万5,774円まで売られた。
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