3月18日(金)のマーケット
3月17日の米国株式市場は序盤反落したが、売り一巡後は再び上昇となった。2月の製造業生産指数や3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が市場予想を上回ったことが支えとなった様子。ロシアが外国の債権者に対する利払いを実施し、債務不履行(デフォルト)を回避したことを受けて、一段高となった。暗号資産関連のブロックや石油関連のオキシデンシャル・ペトロリウムが買われ、バークシャー・ハサウェイも上昇。NYダウは前日比417ドル(1.23%)高の34,480ドル。ナスダックではテスラやアマゾン、ネットフリックスが高い。NASDAQ総合指数は前日比178ポイント(1.33%)高の13,614ポイント。S&P500指数は前日比53ポイント(1.23%)高の4,411。
本日の東京市場は、3連休を控え様子見姿勢でのスタート。前日までの4日間で1,490円の急騰となっているだけに、利益確定の売りも出やすく、上値は抑えられマイナスに転じる場面も見られた。しかし、底堅い推移から徐々に上げ幅を拡げ、大引け前にこの日の高値を付けた。大引けの日経平均は174円高の2万6,827円と5日続伸。売買代金は4兆1,427億円と大商い。TOPIXは10ポイント高の1,909ポイント。
新興市場も共に上昇。JASDAQは5日続伸。再生可能エネルギー関連のウエストHDが買われ、リチウムイオン電池関連の田中化研も大会。一方、セレスポは反落となった。マザーズは3日続伸。メルカリやJTOWER、HENNGEやフリーが高い。在宅訪問薬局のNYUGA PRIMARYはきらりプライム事業で年間500店超の新規加盟を狙っていることが好感された。対して、グローバルウェイとエッジテクノロジー、セルソースは下落。
日足チャート上では、25日移動平均線を明確に上抜けて、パラボリックも陽転。トレンド転換となるか。週足では底入れを示唆する大陽線を引き、週間で6%超の上昇率。2万7,317円に位置する13週移動平均線も射程圏内となってきた。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。ロシアとウクライナとの紛争は戦争開始から3週間以上が経過しました。プーチン大統領に対して世界中から非難が寄せられていますが、市街地への攻撃は次第に激しさを増しています。
緊迫した状況下で、今週はFRBによる今年2回目のFOMCが開催されました。結果として当初の宣言通りに、FRBはコロナ危機に対応した金融緩和策を転換し、FFレートの0.25%引き上げを決定しました。
その上で今年は6回にわたって、政策金利を引き上げる方向性をドットチャート上に示しました。バランスシートの圧縮、「量的引き締め」も年半ばには開始するスケジュールとされており、米国の金融政策は急激な引き締め方向に舵を切ることになります。
記者会見でパウエル議長は今回の利上げの決断について、「インフレが弱い立場の人々に苦痛を強いている」点を強調していました。物価動向の中心である原油価格は、主要品目のWTI先物が2週間前に一時130ドル台をつけた後、今週は100ドル割れまで急落していますが、上値を再度うかがう展開となってきました。
ロシアが降ろした「鉄のカーテン」によって、世界は大きく姿を変えました。コロナウイルスによる「新しい日常」とはまったく異質の、それこそ「ロシア抜きの」新しい世界の構築が急務であることが突きつけられています。これまでとはまるで異なった世界が形成されつつあり、今後はその点を心してかからなければなりません。
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注目記事 Pick up
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【日米機械株復権 その背景とは】
日本証券新聞3月22日(月)紙面1面TOP記事掲載
ディア、キャタピラー人気にあやかる物色戦略
米国株大幅続伸を受けた18日の日経平均は、昨年9月8日(8連騰)以来の5日続伸となったものの、17日の急伸(890.88円高)の反動や3連休控えの様子見気分からマイナスに転じる場面もあった。久々の週足大陽線を引いて、ひとまずの底入れ期待が膨らんでいるものの、実際に何を買うかとなると案外難しい。ここでは米国市場の動きなども参考にしてみたい。
全面高商状となった17日の米国市場でも、業種別で上げが目立ったのはエネルギーや素材(鉱山株など)。ウクライナ危機を受けた動きだろう。そして、個別で注目を集めていたのが連日で最高値を追う農業機械・建設機械のディア・アンド・カンパニー(ティッカー:DE)か。穀物価格の高騰で所得向上した農家が設備投資を拡大しているとされる。
建設機械・鉱山機械の雄、キャタピラー(同CAT)も1月高値に再び接近。昨年3月最高値にもあと1割ほどで手の届く位置に付けてきた。資源開発で鉱山機械需要拡大、ゆくゆくは建機の“ウクライナ復興需要”も視野に入ってこよう。
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今日の市況概況
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3月18日(金)☆[概況/大引け]
終盤上げ幅拡大。再生可能エネルギー関連のレノバと水素関連の帝国電機製作所、マグネシウム電池のワイエイシイが急騰
大引けの日経平均は174円高の2万6,827円、TOPIXは10ポイント高の1,909ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,268、値下がり銘柄数は826。出来高は18億772万株、売買代金は4兆1,427億円。
3連休前だが下がらなかっため買い戻しも入り、終盤上げ幅を拡大した。
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