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コラム2022年6月3日

【本日のマーケット】6月3日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

6月3日(金)のマーケット                                                                   

6月2日の米国株式市場は3日ぶりに大幅反発。企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が発表した5月の全米雇用報告で、民間部門雇用者数は12万8千人増と、市場予想の29万5千人増を大きく下回った。FRBの金融引き締めに対する警戒感が和らぐという期待から買いが入った。セールスフォースや暗号資産関連のブロックなどハイテク株が買われ、ボーイングも高い。一方、ジョンソン&ジョンソンや医薬品のイーライ・リリーなどのディフェンシブ株は売られた。NYダウは前日比435ドル(1.33%)高の33,248ドル。ナスダックも大幅上昇。テスラやAMD、エヌビディア、アマゾン、メタプラットフォームが買われ、医薬品のモデルナとアムジェン(ナスダック上場でNYダウ採用銘柄)は下落。NASDAQ総合指数は前日比322ポイント(2.69%)高の12,316ポイント。S&P500指数は前日比75ポイント(1.84%)高の4,176。

米国株大幅反発を受け、日経平均も大幅反発。プライム市場では、ファーストリテや良品計画やUアローズ、ABCマートは月次売上好調で買われた。チタン2社が続伸。アステリアが大幅高。一方、東芝は買収提案の公募に対して、計10件の提案があったと発表したが、件数を除く詳細は非開示だったため、株主総会までは追加の情報は出てこないという見方で下落。カプコンは「バイオハザード」の新作を発表したが材料出尽くし感で安い。東ソーはモルガン・スタンレーが格下げ。

スタンダード市場では、第三者割当増資による資金確保を契機にサイバーステップは連日の高騰。ピープルは第1四半期決算を好感しストップ高。原発関連の助川電気が物色された。アルチザネットワークスは2~4月期の増益率鈍化で売られた。レーサムとフルヤ金属は反落し、コメ兵は続落。

グロース市場では、キャンバスはストップ高となり、リボミックは次世代新薬として注目されているRNAアプタマー創薬に適用可能な基盤情報技術を早大と開発しストップ高。ブランジスタやモダリスが大幅高。東京通信とピクスタが売られ、直近新規公開株のトリプルアイズは続落。

日足チャートでは、ギャップアップで2万7500円をクリア。4月戻り高値の2万7,580円を抜いたことで、2万8,000円どころを走る200日移動平均線が射程圏内となってきた。ボリンジャーバンドのプラス2シグマを上回ったことで、拡散方向でプラス3シグマ(2万8,107円)が目途となりそう。週足では、13週移動平均線・26週移動平均線を上抜いた。終値で26週線を上回るのは3月最終週以来のこと。2万8,000円回復の準備が整ってきた。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週から6月相場に入りました。
ピリピリしたムードの強い今週の株式市場でしたが、週が進むにつれて次第と市場の環境が明るくなってきたようにも感じられます。ひとつには、企業からの設備投資の動きが依然として活発に見られる点にあります。

今週もパナソニックが事業戦略を説明するミーティングで、3600億円を投じて日本国内と欧州向けに空調設備を増産するという設備投資計画を明らかにしました。この計画によって、2024年度までに3年前比で6割の生産能力の増強を目指すことになります。

空調設備の需要がそんなに強いのかと外部の人間としては不安になりますが、やはりそれだけ社会全体の省エネニーズは活発なのでしょう。最新の空調設備に変えて脱炭素化の道を探る動きが顕在化しているようです。

設備投資が活発化する世の中は元気がでます。6月は株主総会の季節です。引き続き企業からの発表に気をつけておきたいものです。

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【転機を示す「NT倍率」急上昇
日本証券新聞6月6日(月)紙面1面TOP記事掲載 

ファーストリテ急伸が象徴的 日経平均型の上昇展開か

ファーストリテ(9983・週足)

米国株高を受けた3日の日経平均は一時362.45円高となる急反発。4月21日の戻り高値を払って、3月30日以来の2万8,000円乗せを射程にとらえた。

この日の相場のハイライト銘柄と言えば、一時6.5%高に買われたファーストリテイリング(9983・P)だろう。5月の国内既存店売上高前年比17.5%高を好感したもので、1銘柄で日経平均を約130円押し上げている。昨年3月最高値11万500円から今年の3月安値5万4,310円まで売られ、長らく日経平均の足を引っ張ってきた銘柄だが、1月26日の年初来高値まで3%足らずに迫り、週足チャートの上値を抑えてきた26週移動平均線もはっきりと上回った。

ファーストリテの動きは象徴的でもある。というのは、この株に限らず日経平均構成ウエートの高い値がさ株に上昇が目立ち、(日経平均をTOPIXで割った)NT倍率が14.36倍(1日14.16倍、2日14.23倍)に急上昇してきたためだ。

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今日の市況概況
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6月3日(金)☆[概況/大引け] 

反発。アパレルとチタン2社が買われた。東芝とカプコンは下落

大引けの日経平均は347円高の2万7,761円、TOPIXは6ポイント高の1,933ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は995、下落銘柄数は774。出来高は11億828万株、売買代金は2兆6,793億円。
米国株反発を受け、日経平均も反発。ファーストリテイリングや良品計画、ユナイテッドアローズ、ABCマートは月次売上好調で買われた。

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