6月10日(金)のマーケット
6月9日の米国株式市場は続落。中国の上海市の一部区域で住民の外出を2日間禁止する措置が取られた。欧州ではECBが7月に量的緩和を終了し、0.25%の利上げを実施する方針と9月に追加利上げの可能性を示したため、欧州各国の株価が下落した。米国では10日に5月の消費者物価指数が発表されるため、インフレ高進が警戒されている。欧州の景気減速懸念でNY原油先物が反落しエクソンモービルが売られた。ブロックやショッピファイが安い。NYダウは前日比638ドル(1.94%)安の32,272ドル。ナスダックも大幅下落。アップルやAMD、アマゾンが下落。NASDAQ総合指数は前日比332ポイント(2.75%)安の11,754ポイント。S&P500指数は前日比97ポイント(2.38%)安の4,017。
米国株大幅安を受け、日経平均は大幅反落となり、幅広い銘柄が下落。プライム市場では、鉄鋼や精密、機械、サービスが業種別下落率上位。半導体関連も売られ、TOWAはクレディ・スイスによる投資評価引き下げで安い。IRジャパンは売り直され大幅安。買われた銘柄は乏しかったが、積水ハウスは米国で4社を買収することが好感された。太平洋セメントは石炭価格変動分上乗せで住友大阪セメントもツレ高。ラウンドワンは既存店売上高がわずかながらコロナ前を上回った。
スタンダード市場では、暗号資産交換所のREMIXはSBIが資本業務提携後も買い増していることが判明しストップ高。ナ・デックスは大幅増益継続計画でストップ高。ユビキタスAIはIoT機器の開発と市場投入までの期間を50%短縮する新製品でストップ高。ガーラは反落。
グロース市場では、直近新規公開株のANYCOLORが連日のストップ高。テックポイントは送受信用半導体が中国BYD社のドライブレコーダーに採用されストップ高。エッジテクノロジーは大幅増益予想で急騰。一方、ウェルスナビやビジョナル、弁護士ドットコムは反落した。
日足チャートでは、ギャップダウンで2万8000円を割り込んだ。200日移動平均線(2万7,943円)も下回っており、過熱感からの調整局面。本日のメジャーSQに絡んだ買い戻しも一旦終了となり、来週以降の動向が注目される。週足では、52週移動平均線を上抜いたが、上ヒゲを形成し押し戻される格好に。来週以降は13週移動平均線と26週移動平均線のゴールデンクロスが示現となりそう。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。日経平均が28,000円の大台をあっさりと回復しました。3月下旬の戻り高値をいともあっさりと更新しています。
この2週間で相場展開が大きく変わりました。それ以前とはまるで違うような雰囲気を感じます。これまで一方的に売り込まれていた小型成長株が急速に息を吹き返しつつあります。メルカリ(4385)が東証プライム市場に市場変更したばかりです。メルカリの後に続く企業はどこかと市場の関心は早くも次に向かっています。
何かが変わりつつあるとは感じるのですが、その「何か」がはっきりとはわからないところが現在のマーケットのむずかしいところです。はっきりとはわからないながらも、おそらくそれはマーケットの中心論点である金融政策を巡る動きでしょう。
現在の日銀による金融緩和はまだ相当の期間にわたって続くことになります。円安・ドル高の流れは揺るがずに市場を支配しそうです。よい面ばかりがもたらされるわけではありません。
企業業績で言えば、前2022年3月期は円安が輸出企業の円ベースの収益を支える役目を果たしたものの、今2023年3月期には同じような効果をもたらすとは限りません。ここからは光熱費、原材料価格の上昇など円安デメリットの側面が現れてくるはずです。消費者物価もまちがいなく今以上に上昇するでしょう。
ぬか喜びはできない現在の日経平均・28,000円乗せです。輸出関連企業とともに、内需セクターの一角にも目を向けておきたいと思います。
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注目記事 Pick up
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【ANYCOLOR 上場3日目もS高】
日本証券新聞6月13日(月)紙面1面TOP記事掲載
メルカリなきグロース市場の時価総額首位に“王手”
8日、華々しく株式市場にデビューしたANYCOLOR(5032・G)。上場2日目の9日に公開価格比3.1倍の4,810円で初値形成した後ストップ高(700円高の5,510円)。その勢いは続き10日もストップ高(1,000円台の6,510円)に買い進まれた。
時価総額は1,952億円に拡大し、早くも2,000億円の大台乗せ目前。グロース時価総額ランキングではフリー(4478・G、10日前引けで時価総額1,898億円)を抜き、2位に浮上した。週明け13日も買いが先行し、株価が「7,069円」以上となれば(そして首位のビジョナルの株価が変わらなければ)、ビジョナル(4194、10日前引け時価総額2,120億円)を抜き去り、市場首位に躍り出る。
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今日の市況概況
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6月10日(金)☆[概況/大引け]
422円安。業種別下落率上位は機械や精密、石油、鉄鋼、医薬品で、上昇業種はなし
大引けの日経平均は422円安の2万7,824円、TOPIXは25ポイント安の1,943ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は176、下落銘柄数は1,634。出来高は12億7,253万株、売買代金は3兆1,449億円。
米国株大幅安を受け、日経平均は反落し、幅広い銘柄が下落した。機械や精密、石油、鉄鋼、医薬品が業種別下落率上位で、上昇業種はなし。
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