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コラム2022年8月19日

【本日のマーケット】8月19日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

月19日(金)のマーケット                                                                   

8月18日の米国株式市場は小反発。NYダウは続落で始まったが、終盤は小反発に転じた。8月のフィラデルフィア連銀製造業業況指数は6.2となり、7月のマイナス12.3から上昇し、エコノミスト予想の中央値のマイナス5.0も上回った。週間の新規失業保険申請件数は25万件と市場予想の26万5千件を下回った。一方、7月の中古住宅販売戸数は年率換算で前月比5.9%減の481万戸となり、6カ月連続で減少し、市場予想の489万戸を下回った。半導体のウルフスピードは第1四半期の収入予想がアナリスト予想を上回ったことで急騰した。NYダウは前日比18ドル(0.06%)高の33,999ドル。ナスダックも小反発。半導体関連のエヌビディアとAMDが買われた。NASDAQ総合指数は前日比27ポイント(0.21%)高の12,965ポイント。S&P500指数は前日比9ポイント(0.23%)高の4,283。

米半導体製造装置のアプライド・マテリアルズの8~10月期見通しがアナリスト予想を上回ったことを受けて、日経平均は高寄りしたが、米株先物が反応薄で伸び悩んだ。来週後半の米ジャクソンホール会議のFRB議長講演まで様子見という見方も。プライム市場では、ソニーGや新光電工、ロームが買われ、三井松島が大幅高。フジクラは大和証券が目標株価を引き上げた。一方、レーザーテックは売られた。米政府がコロナワクチンの公費負担の廃止検討で医薬品は安い。

スタンダード市場では、卵殻膜成分の化粧品通販のアルマードがCBC社と海外での営業拡大を目指すことが注目され大幅続伸。ジュエリーの光・彩は3日連続ストップ高。リチウムイオン電池関連の田中化研が反発。Abalanceは6日ぶりに反落し、Jトラストは9日ぶりに反落。

グロース市場では、東京通信がデジタル人材紹介の子会社設立計画で一時ストップ高。政府が通信システムにサイバーセキュリティ対策をした防衛関連企業への税制優遇を検討すると報じられ、FFRIが買われた。ジモティーとブシロードは反落。マイクロ波化学は高寄り後に反落。

日足チャート上では、5日移動平均線上での推移となり、200日移動平均線が上向きに転じた。今週は1月5日以来の2万9000円回復となったが、17日には25日移動平均線との上方乖離が5.22%まで拡大し、一服も必要な局面とみられる。週足では長い上ヒゲを伴う陽線を引き上放れ。一目均衡表の雲抜けも達成して景色も変わってきた。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。暑い夏は景気がよいという経験則に則って、株式市場は堅調な動きを続けています。日経平均は今週、ついに29,000円の大台を突破しました。7か月ぶりの高値水準に達しています。

米国ではインフレ抑制のための政策金利の引き上げが進められていますが、2か月にわたり市場を揺さぶった景気の先行きに対する悲観的な見方が急速に後退しています。7月末のFOMC以降、市場内では積み上がったショートポジションの巻き戻しの動きが続いています。

40年ぶりのインフレをもたらした「強すぎる経済」に対する警戒感は後退し、確かに米国経済は全体としてマイルドな成長に戻りつつある模様です。一方で企業業績はあいかわらずしっかりした状況が維持されています。

今週はホーム・デポが5-7月期の決算を発表しました。売上げ、利益ともに市場予想を上回っており、いずれも四半期ベースの最高記録です。

足元では住宅ローン金利が急ピッチで上昇しており、さらに木材をはじめあらゆる資材価格が値上がりしていることから、弱めの数字での着地が警戒されていました。しかし今回もまた心配は杞憂で終わりそうです。

もちろんこれだけで全面的に喜ぶことはできません。ハードルをひとつ超えると次のハードルが出現します。サプライチェーンの乱れはいまだ完全には修復されず、株価が上昇したからと言って全面的に楽観的な見方にひたるわけにはいきません。警戒心を抱きながら、次の秋相場の展開にしっかり備えたいものです。

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注目記事 Pick up
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【ベーシック・アカウント構想(BA構想)
日本証券新聞8月22日(月)紙面1面TOP記事掲載 

野村総合研究所 金融デジタルビジネスリサーチ部 BA発案者 竹端克利氏に聞く

日本証券業協会は今年7月20日、岸田文雄首相の掲げる資産所得倍増プランの実現に向けた提言を公表。そこに“備考”としてベーシック・アカウント構想(BA構想)が紹介されていた。BAは、マイナンバーを保有する全日本国民に特別な申請手続きを行うことなく自動付与される口座で、誰もが無償で証券などを受け取れる環境を実現するツール。通常の証券口座とは異なり、無償で受け取る機能に限定し、受け取った証券を売買する場合は通常の証券口座に移してから取引を行う。用途としては金融教育素材や市区町村による住民サービス、企業のマーケティングや個人からの贈り物として証券を受け取る“受け皿”となることを想定し、全国民にとって「証券保有=特別なもの」という認識から「証券保有=日常の風景」という認識に転換を促す可能性があるものとして注目されている。2020年秋にBA構想を提唱した野村総合研究所の金融デジタルビジネスリサーチ部グループマネージャーの竹端克利氏(写真)に狙いなどを聞いた。なお、日銀が保有するETFの一部を国民に無償配賦する際の受け皿の1つとしても利用できるのではないかとの見方も出ている。

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今日の市況概況
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8月19日(金)☆[概況/大引け] 

米アプライド・マテリアルズの8~10月期見通しを好感し、日経平均は高寄りしたが、来週後半の米ジャクソンホール会議まで様子見姿勢という見方からもみ合いに

大引けの日経平均は11円安の2万8,930円、TOPIXは4ポイント高の1,994ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,077、下落銘柄数は650。出来高は10億2,240万株、売買代金は2兆3,963億円。
米半導体製造装置メーカーのアプライド・マテリアルズの8~10月期見通しがアナリスト予想を上回ったことを受けて、日経平均は高寄りしたが、米株先物が反応薄だったため、伸び悩んだ。

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