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コラム2022年8月26日

【本日のマーケット】8月26日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

月26日(金)のマーケット                                                                   

8月25日の米国株式市場は続伸。26日のパウエルFRB議長の講演の前に持ち高調整の動きで長期金利が低下し、株式市場は買い戻しの動きが入り、取引終了にかけて上げ幅を拡大した。ビッグデータ分析のスノーフレークは8~10月期の売上高見通しがアナリスト予想を上回ったことで大幅高となった。顧客管理(CRM)ソフトのセールスフォースは通期の売上高見通しを下方修正したことで売られた。NYダウは前日比322ドル(0.98%)高の33,291ドル。ナスダックの上昇幅は大きくなった。半導体メーカーのエヌビディアが買われた。ゲーム用パソコンに使用される半導体需要減少を理由に、8~10月期の売上高計画が中央値で前年同期比17%減収を示し、12四半期ぶりの減収予想となる。だが、新製品投入前に価格引き下げも行っていて、こうした状況を年末までには切り抜けるとの見通しを示したため、市場ではここが最悪期という見方も意識され、株価は上昇した。NASDAQ総合指数は前日比207ポイント(1.67%)高の12,639。S&P500指数は前日比58ポイント(1.41%)高の4,199。

FRB議長の講演でイベント通過の反応になると予想し、買い戻しが入り日経平均は続伸したが、後場は上げ幅を縮めた。プライム市場では、ソフトバンクGと東京エレク、日本郵船やメルカリが高い。チタン2社も続伸。東レはマッコーリー証券の格上げを好感。ロシアからの肥料調達難で食料危機が警戒され、OATアグリオが急騰した。一方、島津は医療機器子会社が故障を装い部品交換を行い下落。ジャフコは旧村上ファンド系の持ち株比率低下で大幅安。

スタンダード市場では、いちご販売会社のホーブが北海道で残暑が長引かなかったことで出荷量増加が期待されており連日の高騰。アルテックは配当計画の大幅引き上げと自己株消却を発表し急伸した。タカトリは大口受注を発表したことで買われた。アルメディオや岡野バルブは反落。

グロース市場では、Vチューバーのライブ配信のANYCOLORが再び買われ、漫画全巻セットをEC販売しているTORICOはストップ高となった。産業廃棄物処理のアミタは大幅続伸。ステムリムが好調を継続。EDPとアクリートは続落となり、デジタルプラスは反落した。

日足チャート上では、ギャップアップでのスタートとなるも伸びきれず長い上ヒゲを伴う十字足。5日移動平均線(2万8,536円)を上抜けて来週への期待をつないだ。今晩のパウエルFRB議長の講演のイベント通過で買戻しが加速するか注目される。週足では下ヒゲの長い十字足。一目均衡表の雲の上限で踏み止まった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。お盆休みが終わり、日本の政治・経済界は早くも動きが慌ただしくなっています。

まず各省庁からは来年度予算の概算要求が出そろいました。防衛省の防衛予算の大幅増額が目玉となっていますが、そればかりでなくあらゆる省庁が提出した要求額を単純に積み上げただけで当初予算は110兆円を超えることになるといいます。

日経平均のPBR(株価純資産倍率)は、木曜日の時点で1.17倍。もし日本の景気が大きく崩れることなく持ちこたえられれば、28,400円という水準は現時点では非常に居心地のよい水準です。

反対に景気動向がここから大きく下向きに崩れるようだと、現在の解散価値の近くでとどまることはむずかしいでしょう。PBRで1.10倍とか1.00倍が視野に入ってきます。仮に1.10倍まで調整が入ると、その時の日経平均は26,500円くらいになります。

景気が大崩れせず、少しずつでも上向きになれば、その時はPBRは1.20倍から1.25倍までの上昇が十分に可能です。もし1.25倍まで高まれば、日経平均はその時こそ30,000円の大台を超えてくると見られます。すべては景気動向にかかっています。

企業業績を見る限り日本経済の基調はしっかりしたものとなっています。ここからは下値固めを続けながら、次のジャンプアップを待つ時間と考えられます。

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注目記事 Pick up
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「目指すは4万円台か」
日本証券新聞8月29日(月)紙面1面TOP記事掲載 

三井住友DSアセットの大胆予想が話題 割安、株主還元、ROE改善…

日経平均株価は3年後に前人未踏の4万円台も? 3万円台回復の見通しも立たない中、三井住友DSアセットマネジメントは日本株は割安で、今後高リターンが期待されるため「目指すは4万円台か」とのレポートを出した。投資家にとって心強い内容だ。

日経平均は1989年末の3万8,915円の高値を付けた後、低迷が続いているとの印象がある。しかし、アベノミクス以降様相は変わった。2012年7月からの10年間で見ると米S&P500や先進国株価指数のMSCIコクサイを上回るリターンを上げている。同社は、日本経済のデフレ脱却に加え、コーポレートガバナンス改革などで日本企業自身も変わっていることが背景にあると分析した。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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8月26日(金)☆[概況/大引け] 

今晩のFRB議長の講演でイベント通過の反応に期待して買い戻しが入ったが、後場は上げ幅縮小

大引けの日経平均は162円高の2万8,641円、TOPIXは2ポイント高の1,979ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は864、下落銘柄数は867。出来高は8億5,551万株、売買代金は2兆548億円。
今晩の米国でFRB議長の講演が行われるが、警戒されてきた分、イベント通過で落ち着きを取り戻すという見方から買い戻しが入った。

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