9月1日(木)のマーケット
8月31日の米国株式市場は4日続落。クリーブランド地区連銀のメスター総裁は「来年初頭までにフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を4%を多少上回る水準まで引き上げ、そこで維持する必要があるというのが私の現在の見解だ。FRBが来年、FF金利の目標を引き下げるとは予想していない」と述べた。企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が発表した全米雇用報告では8月の民間部門雇用者数は13万2千人増加で、市場予想の30万人増加を下回った。シェブロンやバンク・オブ・アメリカ、セールスフォースなどが売られた。一方、写真・動画共有アプリ「スナップチャット」を運営するスナップは、人員20%削減を計画を示したことで収益改善が期待され買われた。NYダウは前日比280ドル(0.88%)安の31,510ドル。ナスダックではエヌビディアやAMDが売られ、サイバーセキュリティのクラウドストライクは下期の伸びが小さくなる可能性を示唆したことで下落した。NASDAQ総合指数は前日比66ポイント(0.56%)安の11,816。S&P500指数は前日比1ポイント(0.78%)安の3,955。
米国株の4日続落を受けて、日経平均は大幅続落となった。米政府がエヌビディアとAMDに対して、AIチップの対中輸出停止通達を出したため、東証でも半導体関連が安い。中国財新製造業PMIが3カ月ぶりの50割れとなったことや中国深センのロックダウンも響き、海運株は軟調。トヨタは鋼材の値上げ合意で売られ、日本製鉄は買われた。積水ハウスは来週の上期決算発表時に通期予想と配当増額を期待。菱洋エレクは業績上方修正と増配で急騰。
スタンダード市場では、フェローテックが反落し、ワークマンは11日続落、ソレキアは大幅続落。ベクターは定款の事業目的にNFT、ブロックチェーン、メタバースを追加し急騰したが伸び悩み。いちご企業のホーブは続伸。リチウムイオン電池関連の田中化研が急反発。ロングライフが高い。
グロース市場では、EDPやM&A総研が反落し、TORICOは信用取引規制強化で大幅続落。8月29日に教職員のメンタルヘルスプロジェクトを発足したメンタルヘルスが再騰。トヨタの電気自動車向け電池への増産投資で二次電池用温度センサーの大泉製作所はストップ高。
チャート上では、ギャップダウンとなり上下にヒゲを伴う陰線。5日・25日各移動平均線からは下放れてしまい、200日移動平均線(2万7,501円)が下値目途として意識される水準。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【NISA拡充で一本化】
日本証券新聞9月2日(金)紙面1面TOP記事掲載
恒久化で非課税枠拡大へ 金融庁が税制改正要望発表
金融庁は8月31日、2023年度税制改正要望を発表。このうち所得倍増プラン関係で、NISA(少額投資非課税制度)はNISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3通りあるものを新しいNISAに一本化して恒久化する抜本的拡充を要望した。この他、企業が職場つみたてNISAを行う場合の税額控除や金融所得課税の一体化として損益通算の範囲をデリバティブ取引に広げることなども盛り込んだ。今後、財務省と協議したうえ、年末の与党の税制改正大綱で話し合われる。来年の国会で成立すれば、金融庁は24年から実施したい意向。
新NISAは簡素で分かりやすく、利用者の使い勝手が良い制度にする。一般のNISAについては24年から2階建てに制度変更される予定だったがそれを取りやめる。制度を恒久化するとともに、非課税保有期間も無期限化。年間投資枠を拡大し、弾力的な積立を可能とする。現行、つみたてNISAは40万円×20年間=800万円、一般NISAは120万円×5年=600万円の非課税限度額も年間投資額の増額も入れて、拡大する。
・・・続きは紙面・Digital版で!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
9月1日(木)☆[概況/大引け]
続落。米国のAIチップ対中輸出停止で半導体関連が安い。海運が軟調。積水ハウスと菱洋エレクは高い
大引けの日経平均は430円安の2万7,661円、TOPIXは27ポイント安の1,935ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は196、下落銘柄数は1,607。出来高は11億42万株、売買代金は2兆7,170億円。
米国株4日続落を受けて日経平均は続落となった。
詳しくはコチラ