12月23日(金)のマーケット
12月22日の米国株式市場は反落。NYダウは一時803ドル安となったが、終盤は下げ幅を縮めた。半導体メーカーのマイクロン・テクノロジーが第1四半期(9~11月)に赤字となり、第2四半期(12月~2月)の赤字見通しもアナリスト予想よりも大きかったことで売られ、他のハイテク株も半導体関連を中心に下落した。NY証券取引所ではエクソンモービルやボーイング、フォードやGMが売られた。ベライゾンは続伸。NYダウは前日比348ドル(1.05%)安の33,027ドル。ナスダックではエヌビディアやAMDが売られ、アップルやマイクロソフト、アマゾンも安い。テスラは2車種の値引きを発表したため、需要減速が深刻と受け止められ大幅安となった。NASDAQ総合指数は前日比233ポイント(2.18%)安の10,476。S&P500指数は前日比56ポイント(1.45%)安の3,822。
日経平均は反落。米国で半導体大手のマイクロンの決算と第2四半期の赤字予想がアナリスト予想よりも悪化する見通しのため、レーザーテックや東京エレクが売られた。海運株は利食い売りに押された。エーザイは臨床試験中のアルツハイマー治療薬で3例目の死亡が報じられ下落。一方、政府の原発建て替え方針を受け、電力各社が買われた。銀行株と保険株が引き続き高い。gumiはSBIやスクウェア・エニックスと資本業務提携を結びストップ高。
スタンダード市場では、フェローテックは下落が続き、イクヨとクルーズが反落。菊池製作所が安値更新となった。伊勢化学は業績予想と期末配当の増額で朝方買われたが買いが続かず。原発関連の助川電気と木村化工機は高い。マーチャントは子会社による糖尿病治療薬の期待で反発。
グロース市場では、マイクロ波化学がロックアップ解除が警戒され急落。前日ストップ高の坪田ラボは大幅反落。リファインバースは大幅続落。富士山マガジンは設立20周年を機に初配を行うと発表したことで買われた。CANBASが反発。データホライゾンは年初来高値を更新した。
日足チャート上では、大きくギャップダウンとなり、上下にヒゲを伴う実体線の短い陽線。ボリンジャーバンドのマイナス3シグマ(2万5,876円)に急接近となった。RSIが9月30日以来の20割れとなり、売られ過ぎ水準に。年末相場を迎え、薄商いとなる中で2万6,000円処で踏み止まれるか。週足チャートでは大陰線を引き、一目均衡表の雲を下抜け。ボリンジャーバンドのマイナス2シグマ目前で踏み止まった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鈴木一之です。寝耳に水とはまさにこのことです。クリスマス週の平穏なムードは火曜日のお昼過ぎに一変しました。
日銀が12月19~20日に開催された今年最後の金融政策決定会合において、イールド・カーブ・コントロールの変動幅の許容範囲をそれまでの0.25%から0.5%に拡大する方針を決定しました。
長期国債先物には売りが殺到し、長期金利は急上昇して、為替市場ではドルが売られ、それまでの137円台から133円台まで円が急騰しました。株式市場も金利上昇と円高を嫌気する形で株価が急落しました。
日本でも電力料金をはじめ、物価の上昇圧力は生活実感として今やかなり強く感じられます。庶民的な感覚は目に見えない圧力となって、日銀の政策変更をうながしたように感じられます。
波乱の2022年相場は締めくくりもまた波乱が待ち受けていました。日経平均は解散価値ベースで下値への不安は限られているように思います。その上で、まもなく始まる2月・3月決算企業の決算発表を注視しておきたいと思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ブラックロック 日本株 高評価】
日本証券新聞12月26日(月)紙面1面TOP記事掲載
世界最大(10兆ドル!)の機関投資家が語る相場観
マイクロン決算悪を受けた前夜の米国市場をなぞる形で、23日の東京市場も半導体関連主体の下げとなり、日経平均は一時401.49円安。引け値ベースでも10月3日以来の安値だ。12月第2週(12~16日)も3週連続売り越しとなった外国人の姿勢も懸念されている。「海外市場急落→外国人売り→日本株安」…、こんな展開が2023年も続くのだろうか。とはいえ、水面下では変化の芽も生じつつあるようだ。
昨年末時点での運用資産残高が10兆ドル(1,300兆円)に達する世界最大の機関投資家・米ブラックロックは16日、オンラインで23年見通しに関するメディア勉強会を開催した。詳細は年明け後の本紙最終面掲載予定だが、日本株に関する部分が非常に興味深かったので、ここで紹介したい。スピーカーは地口祐一チーフ・インベストメント・ストラテジスト(写真)だ。
「先進国株式の短期的(6~12カ月)見通しは日本株だけが『中立』で、他は『アンダーウエート』としている。東京市場では、東証食品株指数やゴールドマン・サックスのリフレバスケット指数が右肩上がりとなってきた。価格転嫁への期待が背景だ。日本経済に大きな構造変化が生じている。
・・・続きは紙面・Digital版で!
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
12月23日(金)☆[概況/大引け]
反落、半導体関連や海運、エーザイが売られ、金融と電力が高い。gumiはストップ高
大引けの日経平均は272円安の2万6,235円、TOPIXは10ポイント安の1,897ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は575、下落銘柄数は1,192。出来高は11億6,344万株、売買代金は2兆4,922億円。
米国株反落を受けて、日経平均も反落した。米国でマイクロンの第2四半期の赤字見通しがアナリスト予想より悪化したため、他の半導体株も売られた影響で、日本でもレーザーテックやアドバンテストが下落した。
詳しくはコチラ