12月29日(木)のマーケット
12月28日の米国株式市場は下落。中国は12月7日に新型コロナウイルスの感染対策を緩和した後、各地で感染が急拡大していて、北京や内陸部で重症の患者が増加するなど、医療体制のひっ迫が一層深刻になっていると報じられた。中国は入国時の隔離措置を1月8日に撤廃するが、感染拡大が続いているためエネルギー需要が落ち込むと警戒され、NY原油先物は続落となり、エクソンモービルが下落。ディズニーはプライベートエクイティ投資会社TRCキャピタル・インベストメントが株式公開買い付け価格を1株当たり89.15ドルから85.00ドルに引き下げことで売られた。金利上昇でセールスフォースも売られたが、JPモルガンは小幅高となった。NYダウは前日比365ドル(1.10%)安の32,875ドル。ナスダックではアップルやネットフリックス、モデルナが売られたが、テスラは8日ぶりに反発した。NASDAQ総合指数は前日比139ポイント(1.35%)安の10,213。S&P500指数は前日比46ポイント(1.20%)安の3,783。
中国からイタリア着の2機は乗客の半数近くが陽性だったことが警戒され、米NASDAQが年初来安値。日経平均も一時2万6000円割れ。中国関連が売られ、ファーストリテや海運、資生堂が安い。クスリのアオキは第2四半期の増益率鈍化で大幅安。一方、中国は今月、外国からの輸入オンラインゲーム45本を認可し、その中に含まれていたコーエーテクモとネクソンは買われた。三井不動産など不動産株が反発したが、大和証券が「強気」継続。
スタンダード市場では、マクドナルドやワークマンが売られ、ミズホメディーや光ビジネスフォームは配当落ちも影響した。STIフードが急落となった。片や、建造物検査のERIは上期2ケタ営業増益で急騰した。グラファイトDは特別配当を発表しストップ高。阿波製紙が大幅続伸。
グロース市場では、バンクオブイノベが急反発。スマレジはインバウンド回復期待が追い風で急伸。アミタはMSC水産認証機関として認証審査サービス提供でストップ高。ホープはチェンジとの資本業務提携と三菱商事との協業検討を契機に連日のストップ高。LAHDやグロームは安い。
チャート上では、ギャップダウンとなり下放れ。ローソク足は下ヒゲが長く、かろうじて陽線となり下値抵抗を見せた。終値で2万6000円台を維持したが、9月末以来の安値水準となった。
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注目記事 Pick up
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【バリュー株大復活 グロースに苦境続く】
日本証券新聞12月30日(金)紙面1面TOP記事掲載
騰落率上位が2022年相場を象徴
今年の相場も残り1日となった。安値探りのなかで年を終えようとしているのは残念だが、ここでは、個別に騰落の際立った銘柄から2022年を振り返ってみたい。
表はプライム銘柄の昨年末比騰落率上位(28日現在)だが、ざっと見て、上昇率上位銘柄の社名には漢字、下落率にはカタカナが目に付く。表から漏れた上位銘柄を見てもこの傾向は変わらない。「オールドエコノミー」などと揶揄(やゆ)されてきたバリュー株の大復活と、グロース銘柄の惨状が背景だ。後者は、28日の米NASDAQ指数が2カ月半ぶりに年初来安値を更新し、昨年末から34.7%安となったことも象徴的だろう(動意期間のニューヨークダウは9.5%安)。高PERの高成長株には金利上昇が痛手となる、いわば教科書通りの動きだ。
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今日の市況概況
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12月29日(木)☆[概況/大引け]
中国発による再度の世界感染拡大リスクを警戒。ファーストリテや海運、資生堂が安い
大引けの日経平均は246円安の2万6,093円、TOPIXは13ポイント安の1,895ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は938、下落銘柄数は822。出来高は10億2,178万株、売買代金は2兆3,178億円。
中国はゼロコロナ政策を解除したが、26日に中国からイタリアのミラノに到着した直行便2機では乗客212人のうち97人が陽性だった。
中国からの海外渡航者を通じて、再び世界中に感染拡大のリスクが広がることが警戒され、米国では中国売上比率の高いアップルが売られ、28日にナスダックは年初来安値を更新した。
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