1月4日(水)のマーケット
1月3日の米国株式市場でNYダウは続落だが終盤下げ渋り。アップルが需要鈍化を受けて複数の部品供給業者に対して、「エアポッド」や「アップルウオッチ」、「MacBook(マックブック)」を含む一部製品の部品生産を減らすよう伝えていると報じられたことで売られた。12月31日に中国国家統計局が発表した12月の総合購買担当者景気指数(PMI)は42.6、3日公表の12月の財新中国製造業PMIは49に低下した。国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事が1日に「世界経済の3分の1が景気後退に陥る」との見方を示したことも影響しNY原油先物が売られ、エクソンモービルやシェブロンが売られた。一方、ボーイングとディズニーは上昇。NYダウは前日比10ドル(0.03%)安の33,136ドル。ナスダックは続落となり、テスラが急落。テスラは10~12月期の世界納車台数が40万5278台と、アナリスト予想平均(42万760台)に届かなかず、新しい組立工場を昨年2カ所開設したにもかかわらず、納車を5割拡大するとの目標が未達となったことが響いた。アップル(ナスダック上場でNYダウにも採用)や半導体関連のエヌビディアが安い。アマゾンとメタプラットフォームズは上昇。NASDAQ総合指数は前日比79ポイント(0.76%)安の10,386。S&P500指数は前日比15ポイント(0.40%)安の3,824。
正月休み中に1ドル=129円50銭近辺まで円高が進み、大発会は広範囲に下落。プライム市場では、海運市況下落を受け海運株の下げが目立った。エーザイなどの医薬品株や、円高で日立や三菱重工も安い。東電やレノバ、東京ガスといった電力ガス株も下落。一方、固定型の住宅ローンの引き上げで、メガバンクやりそなが買われた。第一生命とT&Dも金利上昇で高い。政府が電気自動車用急速充電器の普及を目指し、規制緩和を進めると報じられ、東光高岳が急騰した。
スタンダード市場では、八千代工業やERIが利益確保の売りに押され、乾汽船やAbalanceが安く、ミズホメディーが調整。電気自動車用急速充電器のモリテックスチールはストップ高。ワークマンが続伸となり、まんだらけは3月にドバイで開かれるアートフェアに出店で高い。。
グロース市場では、バンクオブイノベやEDP、ANYCOLORが売られ、M&A総研やスマレジが反落。調整していたマイクロ波化学が切り返し、急速充電器関連のエネチェンジが高い。直近新規公開株のmonoAIが急騰し、BTMとELEMENTSはストップ高。
チャート上では大きくギャップダウンとなり、短い下ヒゲを伴う陰線。終値ベースでは、昨年10月安値を割り込み、昨年3月以来の安値水準。再びボリンジャーバンドのマイナス2シグマ(2万5,609円)が目前となった。
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注目記事 Pick up
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【377円安 急落発会、むしろ吉兆!?】
日本証券新聞1月5日(木)紙面1面TOP記事掲載
2019年と「そっくり」(大和・木野内氏)、その背景は
2023年相場の幕開けとなる4日大発会の日経平均は一時432.61円安となった。曜日並びの関係から、年末年始休暇中の米国株の立ち会いは2回のみ。2日間合計でもニューヨークダウ0.25%安、NASDAQ0.87%安にとどまったが、3日のアップル3.7%安、テスラ12.2%安(ともに直近52週安値)など内容の悪さが手控えムードにつながっている。
その昔のバブル期には発会の動向で年間相場を占う向きもあった。今年で言えば、年明け早々暗雲垂れ込めてきた格好か。もっとも、少なくとも近年は発会安で始まる例が多く、軟調発進自体はさほど珍しいことでもない。むしろ興味深いことに、「大発会の騰落」と「年間騰落」が逆になるケースが過去9年間で8回を数えている(表参照)。もちろん、「発会安の年は年間高が有望」などと言っては強弁に過ぎるが、今年は多くの証券会社が前半安・後半高(=年間高)を予想しているだけに、ここでの下げは想定内と言えよう。
特に、大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは4日付レポートで「この大発会は2019年とそっくりだ」と指摘している。
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今日の市況概況
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1月4日(水)☆[概況/大引け]
円高を受け広範囲に下落し、海運や医薬品、電力ガスが安い。銀行は上昇し、グロース市場の直近IPO銘柄が高騰
大引けの日経平均は377円安の2万5,716円、TOPIXは23ポイント安の1,868ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は213、下落銘柄数は1,584。出来高は12億4,487万株、売買代金は2兆7,628億円。
日銀の緩和縮小観測が影響し、3日の海外市場で円相場が一時1ドル=129円50銭近辺に円高が進んだため、大発会の東京株式市場はほぼ全面安となった。
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