1月13日(金)のマーケット
1月12日の米国株式市場でNYダウは3日続伸。12月の消費者物価指数が前年同月比6.5%上昇し、市場予想と一致したが、11月の7.1%上昇からは鈍化した。前年比のピークは6月の9.1%上昇。フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は講演で、「今年もあと数回は利上げを行うだろうが、一度に0.75%の利上げを行う時代は確実に終わったと思う。今後は0.25%の利上げが適切だろう」と述べた。NY証券取引所では、ディズニーやボーイング、セールスフォースが買われ、ディフェンシブ株のコカコーラは売られた。NYダウは前日比216ドル(0.64%)高の34,189ドル。ナスダックは5日続伸。エヌビディアやAMD、メタプラットフォームズが買われ、ペプシコが下落。NASDAQ総合指数は前日比69ポイント(0.64%)高の11,001。S&P500指数は前日比13ポイント(0.34%)高の3,983。
日経平均は6日ぶりに下落。1ドル=128円台の円高と長期金利が日銀の上限の0.5%を超えたことを警戒。プライム市場では、ファーストリテが第1四半期が営業減益で売られ、円高に伴いトヨタをはじめとした自動車株やHOYAなどの精密株が下落。PRTIMESは減益決算でストップ安。長期金利上昇で地銀の上昇が顕著。TSMCが日本で2番目の工場検討で半導体製造装置が高い。中国の景気対策期待で鉄鋼株も堅調。トレファクは今期3度目の上方修正を好感。
スタンダード市場では、ウエストHDが第1四半期が減益決算で売られ、ワークマンや東映アニメが安い。一方、ケイブは上期が営業赤字だったが、でらゲーの子会社化による負ののれん発生益で最終利益は黒字転換したため大幅高となった。プリントネットは業績上方修正でストップ高。
グロース市場では、TKPが最終赤字で大幅安となり、ビジネスSNSのウォンテッドリーは第1四半期決算の通期予想に対する進捗率が物足りず急落した。半面、クラウド構築のFIXERは第1四半期の通期予想に対する進捗率が高くストップ高となった。monoAIが急反発。
日足チャート上では大陰線。今週は5日移動平均線を回復して推移していたものの、再び割り込む展開。週足ではギャップアップとなるも、長い上ヒゲを伴う陰線。売り圧力の強さが感じられる。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。景気ウォッチャー調査の12月分のデータが内閣府から1月12日に発表されました。それを見ると、全体としては12月の現状判断の指標は「47.9」となり、前月比▲0.2ポイントと2か月連続して低下しました。
この景況感にかなりの「二極化」が見られています。
明るさが顕著なのが「全国旅行支援」の影響を受ける観光業や飲食店です。3年ぶりにコロナ禍による行動規制の緩和もあって、12月は全国各地で安定した来店客の増加が報告されています。
その一方で、物価高によって消費者の買い控えも進んでいることが同じくらいに全国で見られました。全国のスーパーで生活防衛意識の高まりから、来店客一人あたりの買い上げ点数が減っている所も見られるようです。人々は買い物には慎重な姿勢がうかがえます。
TSMCは熊本に続いて、日本で2つ目の半導体工場の建設を検討するとの構想が明らかになりました。テスラも12月には厳しい株価の下落が余儀なくされましたが、テキサスの工場に1000億円を投じて拡張する計画がニュースで伝えられています。
新しい年が始まって2週間。国も企業も、二極化の下でコロナや物価高の先をにらんで動き出しています。この状況にしっかりと対処してゆきたいものです。
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注目記事 Pick up
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【どうなる?17~18日日銀会合】
日本証券新聞1月16日(月)紙面1面TOP記事掲載
銀行株急騰/外需株売りの背景を探る
13日の日経平均は6日ぶりの急反落となった。決算発表を受けたファーストリテイリングが217円強分(全体の66%弱)押し下げる一方で、業種別指数ランキングがこの日の相場内容を如実に物語っている。値上がり率断トツ(2.98%高)が銀行株で、下落率1、2位は輸送用機器、精密の代表的な円高デメリット業種が占めた。三菱UFJFG(8306・P)は2015年6月高値を更新して08年7月以来の高値水準。ここ一両日で一時9.6%高となった。これらの動きは足元で生じた金融市場の乱調を反映した動きだ。来週17、18日の日銀金融政策決定会合に向けた思惑が背景となっている。
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今日の市況概況
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1月13日(金)☆[概況/大引け]
6日ぶりに下落。長期金利が日銀上限の0.5%を超えたため地銀の上昇が顕著
大引けの日経平均は330円安の2万6,119円、TOPIXは5ポイント安の1,930ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は597、下落銘柄数は1,172。出来高は14億7,983万株、売買代金は3兆4,556億円。
日経平均は6日ぶりに下落した。1ドル=128円台の円高と長期金利が日銀の上限の0.5%を超えたことが警戒された。
来週1月17日~18日の日銀金融政策決定会合で、さらに長期金利の上限を拡大するのではないかという見方や、イールドカーブコントロール(長短金利操作)自体を撤廃するのではないかといった思惑が金利上昇に拍車を掛けた。
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