2月17日(金)のマーケット
2月16日の米国株式市場は反落。1月の卸売物価が前年同月比6.0%上昇し、市場予想の5.4%上昇を上回ったため、FRBによる利上げ継続が警戒された。週間の新規失業保険申請件数は前週比19万4千件増加となり、市場予想の20万2千件増加よりも少なかった。セントルイス地区連銀のブラード総裁は「経済成長が続き、労働市場が堅調な中でも、利上げを継続することでインフレ期待が低く抑えられ、年内にディスインフレ傾向を固定できる」と発言した。ブラード総裁は今年のFOMC(連邦公開市場委員会)で投票権を持っていないが、審議には参加していて、前回(1月31日~2月1日)のFOMCは0.25%の利上げ(4.50~4.75%)となったが、「0.5%の利上げを主張した」と述べ、インフレを継続的に減速させるのに十分な金利水準は5.25~5.50%との見方を示した。クリーブランド地区連銀のメスター総裁も今年のFOMCで投票権を持っていないが、「私見では0.50%ポイント利上げを正当化する説得力のある経済的根拠を確認している」と述べた。金利上昇を受け、高PERのハイテク株が売られ、利上げ継続が消費を悪化させるという見方からタイソンフーズも下落した。ショッピファイは1~3月期の見通しがアナリスト予想を下回ったことで大幅安となった。NYダウは前日比431ドル(1.26%)安の33,696ドル。ナスダックは4日ぶりに反落し、テスラやエヌビディア、AMDが安い。なお、シスコシステムズは決算がアナリスト予想を上回り、第3四半期見通しを上方修正したことで買われた。NASDAQ総合指数は前日比214ポイント(1.78%)安の11,855。S&P500指数は前日比57ポイント(1.38%)安の4,090。
米地区連銀総裁が0.5%の利上げ支持と発言したことが警戒され、日経平均は反落。米商務省高官が対中半導体輸出規制に理解を求めたため半導体関連が下落。一方、高配当利回りの日本製鉄は7日続伸。ブリヂストンは今期の増益計画と増配予想で買われ、三菱ケミカルは業績上方修正で高い。アドウェイズは自社株買いの発表でストップ高。日本放送連盟が総務省に外資規制等に係る法令改正に対する意見を提出したため、放送局各社は軒並み高となった。
スタンダード市場では、DNAチップ研が4日続落。米穀卸の木徳神糧は今期減益見通しで急落した。一方、オーミケンシはカーボンナノチューブ含有セルロース繊維と製造方法で特許登録したことが注目されストップ高。ダイワ通信はAI活用の登園通知システムを発表しストップ高。
グロース市場では、前日ストップ高のCANBASが本日はストップ安。EDPは大株主のコーンズテクノロジーが売却で7日続落。セキュアは米AiFiと無人店舗ソリューションの展開に向けた業務提携でストップ高。ヘッドウォータースはBTMと協業強化でストップ高。
日足チャート上では5日移動平均線を挟んで、上下にレンジの狭い推移で保ち合い相場が継続。本日は再び5日移動平均線を割り込んでの週末を迎えた。週足では5週ぶりの下落。上下にヒゲを伴い実体線が極端に短い十字足の状態。膠着感の強さがうかがえる。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。企業経営者はたいへんです。誰が金融政策運営のトップに就こうとも、民間企業では日々の業務は途切れずに継続してゆきます。
クライアントに対する製品の供給責任と、社員やその家族の人たちの生活は死守しなければなりません。厳しい判断の連続という日々が続きます。
経営者はどのように企業の舵取りを行ってゆくのか。結局のところ、雇用も生産も設備投資も、景気のサイクル的な変動はすべてが企業活動を根幹としているからです。
村田製作所の中島社長は、「スマホメーカーはまだかなりの在庫を抱えている」と見て先行きには慎重なスタンスです。コロナ禍とウクライナ戦争を経て、メーカーは部品在庫を厚めに手元に置いておく行動が定着しました。
グローバル化の進展によって、部品が瞬時に工場ラインに届けられたのはもはや過去のモデルとなりつつあります。ニューノーマルはこの辺から始まっています。変化の芽はすでにまかれていると見られます。
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注目記事 Pick up
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【サバ、記録的な不漁で水産業界直撃 STIフード、計画未達】
日本証券新聞2月20日(月)紙面1面TOP記事掲載
極洋は販売停止、「業界全体で問題」
サバが記録的な不漁となっており、水産関連企業の業績が懸念されている。近年の健康ブームで缶詰の中でもサバ缶は爆発的人気となっており、食卓から消えるようなことがあるなら、ようやくコロナ禍の傷が癒えつつある水産業界に再び影を落としそうだ。
セブン―イレブンなどにサバ缶や焼きサバなどを卸しているSTIフードHD(2932・S)が14日発表した前12月期決算は5%増収、13.6%営業減益で、ともに計画を下回った。原材料費高騰や値上げによる一部商品の売上減もあるが、決算説明会で十見裕代表取締役社長CEOは「何とか計画を達成するかと思ったら12月になって番狂わせが起きた。サバの水揚げが12月にほとんどなかった」とこぼす。
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今日の市況概況
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2月17日(金)☆[概況/大引け]
反落、3月FOMCを警戒。高配当利回りの日本製鉄は7連騰。ブリヂストンが買われ、放送局が高い
大引けの日経平均は183円安の2万7,513円、TOPIXは9ポイント安の1,991ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は617、下落銘柄数は1,134。出来高は11億1,321万株、売買代金は2兆6,692億円。
米国でクリーブランド地区連銀とセントルイス地区連銀の総裁は今年のFOMC(連邦公開市場委員会)において投票権を持っていないが、審議には参加していて、利上げ幅は0.25%ではなく、0.5%と主張したため、3月21日~22日のFOMCでの利上げ幅が警戒され、日経平均は反落した。
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