3月24日(金)のマーケット
3月23日の米国株式市場は反発。イエレン財務長官が22日の上院の公聴会では「預金の全面的な保険や保証に関することを、私は検討したり議論したりしていない」と話したことで株が売られたが、23日の下院の公聴会では「もちろん、正当化される場合は追加措置を講じる用意があるだろう」と述べたため、NYダウは序盤に481ドル高となった。だが、市場では銀行による貸し渋りへの警戒感を抱いているため、NYダウは買い一巡後に伸び悩み終盤に165ドル安となり、最後は75ドル高で取引を終えた。コンサルティング会社のアクセンチュアは通期の営業利益予想とフリーキャッシュフローを上方修正し、今後1年半で従業員の約2.5%に当たる1万9千人の人員削減計画を発表したことで買われた。銀行などの金融株では、ウェルズファーゴは上昇したが、バンク・オブ・アメリカとチャールズ・シュワブは下落した。NYダウは前日比75ドル(0.23%)高の32,105ドル。ナスダックではエヌビディアが上昇を継続し、AMDとネットフリックスが買われた。コインベースは大幅続落。NASDAQ総合指数は前日比117ポイント(1.01%)高の11,787。S&P500指数は前日比11ポイント(0.30%)高の3,948。
1ドル=130円台前半に円高が進行したため、日経平均は続落となったが、下げ渋りを見せた。プライム市場では、ロームやテルモが売られ、ノンバンクと保険も安い。非鉄と不動産も下落した。一方、業界団体の予測で2024年の半導体前工程の製造装置への投資額は前年比21%増を受けて、東京エレクとSCREENは買われた。川崎汽船は配当取りの動きで高い。コスモエネルギーは中期計画の株主還元方針を好感。リブセンスはAI活用の口コミ要約で買われた。
スタンダード市場では、直近新規公開株のSHINKOがストップ高。ユニバーサルは経常利益予想の大幅増額修正で急騰。サイバーステップが大幅高。リードは電動キックボードの特許申請を行ったと報告し、上昇した。宝飾品のツツミは昨年来高値。Abalanceとアクセルは反落。
グロース市場では、直近新規公開株のハルメクがストップ高。ラバブルとTDSEが大幅高継続で、セルシードはストップ高。ビッグデータ解析のVALUENEXが急騰。そのほか、AICROSSやINTLOOPが高い。一方、マイクロアドと東京通信、monoAIは反落した。
日足チャート上では、週初に大陰線を引き、一目均衡表の雲を下抜け2万7,000円割れとなった。祝日を挟み、200日移動平均線を回復。続落ながら陽線を3本引いて底堅さを感じさせた。週足では、上下に長いヒゲを伴う陽線。13週・26週移動平均線上に位置しており、一目均衡表の雲抜け(2万7,442円)が目前となった。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。週半ばに今年2回目のFOMCが開催されました。そこでFFレートの0.25%利上げが決定されました。
ほぼ予想通りの結果だったとはいえ、その予想自体が、0.25%の利上げを行うのか、それとも利上げそのものが見送られるか、というふたつに分かれていたように思います。
今では「FedWatch Tool」という便利な機能のサービスもあります。事前の市場予想が手軽に入手できます。それによれば0.25%の利上げに大きく傾くという流れが既定路線となっていましたが、しかし利上げ見送りの選択肢も完全には捨てきれない状況にあったのも事実です。
米国の金融政策と銀行行政はここにきて二転三転しているようにも見えますが、銀行に安易な経営の道を走らせずに金融緩和を続け、さらに引き締めの出口を探るのは至難の業です。米国と世界経済が直面しているのは、まさにそのような現実なのです。この一件はまだこの続きがありそうな雲行きです。
目の前の不安に左右されるのは市場心理として無理のないところですが、価値を生み出す企業の実体は少しも変わりません。安定した価値を生み出す企業を選別する動きがますます強まることでしょう。
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注目記事 Pick up
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【東芝 “2年越しのTOB騒動”決着へ】
日本証券新聞3月27日(月)紙面1面TOP記事掲載
TOB価格4,620円には不満の声も
東芝(6502・P)が23日の買収提案受け入れ発表を受け、一時6.4%高。約2年を要した非公開化問題がようやく決着に向かう。
そもそもの発端は「東芝に買収提案へ」とした2021年4月7日付日本経済新聞報道だ。英投資ファンドCVCキャピタルが買い手とされ、4,530円でストップ高比例配分となった。その後も「提案価格の5,000円は安過ぎる」「6,200円が妥当」とする香港オアシスの書簡が話題を呼ぶなど買収価格を巡る思惑をベースに株価形成され、昨年6月には高値5,938円を付けている。今回、日本産業パートナーズなどの国内連合が示したTOB(株式公開買い付け)価格は4,620円。くしくも最初の報道があった当日終値の近似値となった。米利上げ進展とともに金融情勢の悪化した昨秋以降は、観測報道ベースの買収価格が次第に引き下がり、それに伴って株価水準が切り下がった経緯がある。
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今日の市況概況
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3月24日(金)☆[概況/大引け]
円高進行で続落だが、朝方に比べて下げ幅を縮めた。配当取りで川崎汽船が高い
大引けの日経平均は34円安の2万7,385円、TOPIXは2ポイント安の1,955ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は851、下落銘柄数は881。出来高は10億1,922万株、売買代金は2兆5,249億円。
パウエルFRB議長は22日の会見で「利下げは我々の基本シナリオではない」と述べたが、米FF金利先物取引では5月で利上げが停止され、早ければ6月にも利下げに転じる可能性を織り込み始めている。そのため、ドルが売られ、1ドル=130円前半に円高が進んだ。
円高進行を受けて、日経平均は続落となったが、朝方に比べて下げ幅を縮めた。
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