4月28日(金)のマーケット
4月27日の米国株式市場は上昇。NYダウは3日ぶりに反発し、ナスダックは続伸。フェイスブック親会社メタ・プラットフォームズは1~3月期の売上高がアナリストの予想を上回り、前年同期比で4四半期ぶりに増収に転じたため急騰した。アマゾンやアルファベットなど他のハイテク株にも好影響を与えた。ファースト・リパブリック・バンクは、空売りに利用できる株式の約96%が既に押さえられていて、利用できる株はあと4%しか残っていないと報じられたため、新規の売り方は乏しいという見方から反発した。一方、キャタピラーは1~3月期決算で受注残が昨年12月末から横ばいにとどまったため売られた。NYダウは前日比524ドル(1.57%)高の33,826ドル。NASDAQ総合指数は前日比287ポイント(2.43%)高の12,142。S&P500指数は前日比79ポイント(1.96%)高の4,135。
日銀が金融緩和の現状維持を決め、日経平均は上げ幅拡大。銀行株は売られたが、不動産株は買われた。新光電工は今期大幅減益予想だが、為替前提が1㌦=120円と保守的なため、今後の増額修正期待で大幅高。マキタは期の大幅増益予想と自社株買いの発表で急騰。関西電力は今期予想がアナリスト予想を大幅に上回り上昇。キッコーマンは野村証券が格上げ。キーエンスは決算が物足りないという見方で下落し、信越化学は値上げが浸透せず下落。
スタンダード市場では、カンロが好決算で大幅高となり、シダーは営業利益予想を上方修正したことで買われた。SECカーボンも業績上方修正で上昇した。宝飾品のナガホリはリバウンド狙いの買いが入った。TBグループは反落し、ダイハツディーゼルは今期減益予想で売られた。
グロース市場では、Vチューバー事務所運営のカバーが業績上方修正で高騰。サイバートラストやニューラルポケットが大幅続伸となり、ヘッドウォータースとアルファポリスが反発。月面着率失敗のispaceに対する売りが継続し、直近IPO銘柄のRidge-iはストップ安。
日足チャート上では、長い下ヒゲを伴う陽線となり、ほぼ高値引け。5日移動平均線を飛び越え、年初来高値を更新した。昨日、陰転となったパラボリックは1日で陽転し、買いの勢いの強さが感じられる展開。週足でも長い下ヒゲを伴う陽線。明確に上値切り上げのトレンドを形成。月足チャートでも同様の形状。年初から4ヵ月連続高となった。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。3月決算企業の決算発表シーズンが始まりました。
ここから本格化するのは主に製造業の決算です。半導体の調達不足、自動車の生産回復の遅れ、原材料の高騰、地政学的リスクなど不安要素が多いだけに、その影響が心配されています。
アドバンテストの今2024年3月期の見通しは、売上高は4800億円(▲14.3%)、営業利益も1050億円(▲37.4%)と、いずれも2ケタ減を見込んでいます。半導体メーカーの在庫調整、および生産調整はまだ続くと見られ、その影響が前期以上に顕在化してくることになりそうです。
わずかな希望として、株式市場が懸念している中国向けの半導体輸出規制の強化という流れについて、アドバンテストは直接的な影響は小さいという見通しを持っており、この点は数少ない朗報と言えるでしょう。
テスター市場における同社のシェアも、わずか3年間で43%から57%へ大幅に伸びています。引き続き決算動向を注視してまいります。
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注目記事 Pick up
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【キーワードは「女性取締役」】
日本証券新聞5月1日(月)紙面1面TOP記事掲載
足元で“採用ドミノ”の動き 次の候補銘柄は!?
今最もホットなキーワードが「女性取締役」だ。議決権行使助言世界最大手の米ISSが、2月以降の総会から女性取締役不在企業の経営トップ選任議案への反対推奨を開始したのが発端。4月半ばになって、世界最大の政府系ファンド、ノルウェー政府年金基金も同様の議決権行使方針をとると報じられた。そして、27日には岸田文雄首相も男女共同参画会議において、「2030年までにプライム上場企業の女性役員比率を30%以上とすることを目指す」と明言。女性取締役不在企業には、どんどん“外堀”が埋められつつある。
実際ここにきて女性取締役採用発表が相次いでいる。四電工(1939・P)は27日、元フジテレビで現在フリーアナウンサーの中野美奈子氏(写真、本名・戸谷美奈子)の起用を発表。スポーツ紙にも取り上げられるなど話題を集め、四電工は一時4.5%高となった。同じ27日には、信越化学(4063・P)も日本芸術文化振興会理事長の長谷川眞理子氏を初の女性取締役候補としており、採用ドミノの様相を呈しつつある。決算内容が失望された信越化学は急落ながら、女性取締役採用はガバナンス改善のサインと受け止められる可能性もある。
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今日の市況概況
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4月28日(金)☆[概況/大引け]
日銀決定会合を受け円安株高。フォワードガイダンスに「賃金の上昇を伴う形で」が追加された
大引けの日経平均は398円高の2万8,856円、TOPIXは24ポイント高の2,057ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,659、下落銘柄数は155。出来高は15億8,744万株、売買代金は3兆7,751億円。
日銀金融政策決定会合はイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)などの維持を決めたため、日経平均は上げ幅を拡大した。
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