5月10日(水)のマーケット
5月9日の米国株式市場でNYダウは続落。債務上限問題の協議や、10日に4月の消費者物価の発表を控え、様子見姿勢となった。NY連銀のウィリアムズ総裁は、インフレ率が依然として高すぎるとの見方を示した。イーライリリーが反落し、タイソンフーズは続落。ビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズは第1四半期が黒字転換し急騰した。ボーイングはアイルランドの格安航空会社ライアンエアから最大300機の737MAXを受注したことで買われた。NYダウは前日比前日比56ドル(0.17%)安の33,561ドル。ナスダックは反落。オンライン決済サービスのペイパルが通期の調整後営業利益率の伸びの見通しを下方修正したため大幅安となった。NASDAQ総合指数は前日比77ポイント(0.63%)安の12,179。S&P500指数は前日比21ポイント(0.46%)安の4,119。
米国の債務上限問題とCPI(消費者物価指数)の発表を控え、様子見姿勢となり日経平均は反落した。レーザーテックや日本製鉄が売られ、三菱自とレノバは今期大幅減益予想で大幅安。大平洋金は営業赤字継続予想で売られ、カルビーは今期計画がアナリスト予想に届かず下落した。一方、三菱商事と丸井、日本冶金工は自社株買いの発表で上昇。配当性向を30%から100%に引き上げた世紀東急は本日も大幅高。JMDCは野村証券が目標株価を引き上げた。
スタンダード市場では、LSIのファブレスメーカーのアクセルが今期営業減益予想となり急落した。自動車用プレス部品のJ-MAXは中国の生産動向が極めて不透明なことを理由に今期減益予想のレンジ幅が大き過ぎることで急落。セルシスは大幅続伸。三菱ロジスネクストは好決算で買われた。
グロース市場では、ANYCOLORが大株主の売却の観測で大幅反落。パーキンソン病老人ホームのサンウェルズは大幅増益継続予想だったが、利益確定の売りに押された。基礎化粧品のファブレスメーカーのWaqooは三井住友DSアセットマネジメントによる保有判明でストップ高。
チャート上では、寄付きがほぼ高値となり下ヒゲを伴う陰線。昨日の長い陽線の中に位置する陰線で、「はらみ線」が示現。酒田五法では、前日の値幅以内で寄り引けした足で、変化の前提なりとされる。陽線に陰線がはらんだ時は、その翌日が上寄り陽線か下寄り陰線かを見て方針を決すると記されており、明日の値動きが注目される。
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注目記事 Pick up
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【今が旬!還元拡充銘柄躍動】
日本証券新聞5月11日(木)紙面1面TOP記事掲載
次の発表候補は? アクティビスト大株主銘柄に照準
決算発表が本格化するなか、ここにきて株主還元拡充銘柄への感応度の高さが目立つ。決算内容はいまひとつでも増配や自社株買いへの好感買いが膨らむパターンだ。10日の値上がり率上位を見ても、大幅増配の丸井グループ、世紀東急、自社株買いの日新、冶金工、デジタルアーツなどがズラリと並んだ。
「PBR1倍割れ」が問題視され、ROE(自己資本利益率)向上が求められる流れのなかでは、今後も大規模な還元強化に動く企業が相次ぐものとみられ、11~15日の3営業日で合計2,000社を超える(東証開示ベースで2,144社)決算発表終盤も発表内容には目が離せない。
ここで注目したいのがアクティビスト大株主銘柄だ。典型的なのが、「配当性向100%」を掲げて前期30円から今期90円への増配を発表した世紀東急工業(1898・P)。ストラテジックキャピタルがここ1年間で9回の買い増し報告を行い、直近4月26日報告分で保有比率15.58%に達していた。今回の決定にもアクティビストのプレッシャー(水面下での対話)が影響した可能性は高そうだ。
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今日の市況概況
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5月10日(水)☆[概況/大引け]
反落。日本製鉄が急落。三菱自とレノバ、大平洋金が売られ、三菱商事と丸井は自社株買いを好感。JMDCは野村証券が目標株価を引き上げた。
大引けの日経平均は120円安の2万9,122円、TOPIXは11ポイント安の2,085ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は437、下落銘柄数は1,341。出来高は13億1,532万株、売買代金は3兆1,877億円。
日経平均は反落した。
米国の政府債務上限引き上げ問題は、協議に進展がなく、12日に再び協議することになった。
本日の米国で4月の消費者物価が発表されることも様子見姿勢となった要因。
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