5月17日(水)のマーケット
5月16日の米国株式市場は反落。ホームセンターのホーム・デポはこれまで住宅リフォーム需要拡大の追い風を受けてきたが、高インフレと金利上昇で需要が減少し、2~4月期は既存店売上高が前年同期比4.5%減少し、通期予想も下方修正したため売られた。スポーツ用品のナイキやディスカウントストアのターゲットなど他の消費関連も下落した。バイデン大統領がG7広島サミットには出席するが、その後に予定していたパプアニューギニアとオーストラリアへの訪問は取り止めると発表した。債務上限の引き上げ交渉が難航していることが外遊日程変更の理由で、野党と合意できなければ6月1日に米国債がデフォルト(債務不履行)に陥る恐れが警戒され、米国株は一段安となった。NYダウは前日比前日比336ドル(1.01%)安の33,012ドル。ナスダックでは製薬のホライズン・セラピューティクスが急落した。連邦取引委員会(FTC)がアムジェンによるホライズン・セラピューティクスの買収を阻止するため訴訟を提起する見込みと報じられた。連邦取引委員会が買収に反対しているのは、医薬品の開発競争が阻害され得ることが理由。NASDAQ総合指数は前日比22ポイント(0.18%)安の12,343。S&P500指数は前日比26ポイント(0.64%)安の4,109。
日経平均は3万円回復。前日の米国株は反落したが、岸田首相が18日に海外半導体メーカーの首脳らと面会し、投資を要請する予定と報じられたため、東京エレクトロンなど半導体関連が買われた。レーザーテックとソフトバンクGは制度信用取引の期日明けで上昇。三菱UFJは中間決算発表時に自社株買い期待。JALや三越伊勢丹などインバウンド関連が買われた。海運と石油と鉄鋼は安く、中国景気に対する不安感から安川電機とTHKが下落。
スタンダード市場はもみ合い。ビューティ花壇は大幅反落し、シダックスは前期大幅増益だったが、今期の業績が伸びないことで急落した。マクドナルドはいちよし経済研が格下げ。レーサムは大幅高が継続。コメ兵が5日続伸。トレイダーズとゼネテックは続伸。
グロース市場も小動き。カバーとマイクロアドに対する買いが継続し、ヘッドウォータースはAI事業で協業を強化したことで注目された。上期好決算のブランジスタは本日も大幅高。一方、モンスターラボとラストワンマイル、HPCシステムズは大幅続落となった。
チャート上では、寄付きが安値の陽線でほぼ高値圏での大引け。3万円の大台をクリアして、ボリンジャーバンドのプラス2シグマ(2万9939円)上での推移となった。売買代金も連日で3兆円越えとなっており、強い動きが継続している。日経平均は5日続伸で、5日間の上げ幅は971円となった。
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注目記事 Pick up
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【広島サミット19日開幕 伊勢志摩後は日本株長期上昇】
日本証券新聞5月18日(木)紙面1面TOP記事掲載
GX、AI、観光…幅広く期待
G7広島サミット(先進7カ国首脳会議)が19日から21日まで、広島市で開かれる。日本で前回開かれた2016年の伊勢志摩サミット(三重県)は、当時の安倍晋三首相が世界にアベノミクスをPRしたこともあり、開催直前に1万6,000円台だった日経平均株価は年末には1万9,114円まで値上がり。その後、新型コロナ直前の20年2月まで4年近く上昇基調を続けた。
今回のサミットでは環境問題、チャットGPTに代表される生成系AI、インドをはじめグローバルサウスと呼ばれる新興国への対応などが大きなテーマになり、日本でも先進的に取り組んでいる銘柄に世界から注目が集まりそう。また、ロシアのウクライナ侵攻の真っ最中で、平和都市・広島から平和を訴えるため、サミット後にインバウンドを含めた観光客の人気も呼びそうだ。
宮本勝浩関西大学名誉教授は広島サミットの経済効果は約924億円と推定。伊勢志摩サミットの約483億円を大きく上回る。関連銘柄への好影響も増えそうだ。広島が地元の岸田文雄首相も「わが国の魅力を世界に向けて発信する機会が到来する」と意欲を示す。関連銘柄も中長期の上昇が期待できる。
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今日の市況概況
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5月17日(水)☆[概況/大引け]
3万円回復。首相が海外半導体メーカー首脳に投資要請予定。訪日外客数発表前にインバウンド関連も高い。中国関連は下落
大引けの日経平均は250円高の3万93円、TOPIXは6ポイント高の2,133ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は759、下落銘柄数は1,007。出来高は14億2,804万株、売買代金は3兆3,542億円。
日経平均は2021年9月以来の3万円回復となった。
前日の米国株は反落したが、岸田首相が18日に海外半導体メーカーの首脳らと官邸で面会し、投資を要請する予定と報じられたため、レーザーテックや東京エレクトロン、アドバンテストなど半導体製造装置や検査装置メーカーが買われた。
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