6月7日(水)のマーケット
6月6日の米国株式市場は小反発。NYダウは一時163ドル安となった場面もあったが、終盤は小幅高に戻した。AI関連のシースリー・エーアイが続伸となり、コマース・プラットフォームのショッピファイとバンク・オブ・アメリカが買われた。反面、ユナイテッドヘルスやメルクといったディフェンシブ株は売られた。NYダウは前日比10ドル(0.03%)高の33,573ドル。ナスダックではAMDは買われたが、エヌビディアは3日続落。証券取引委員会(SEC)が提訴したため、暗号資産(仮想通貨)交換業者のコインベースは売られた。コインベースについて、実際には未登録の証券だった多数のトークンを利用者に取引させ、規制を逃れていたと訴えた。NASDAQ総合指数は前日比46ポイント(0.36%)高の13,276。S&P500指数は前日比10ポイント(0.24%)高の4,283。
最近の急上昇への警戒とSQ(特別清算指数)前の「魔の水曜日」も不安視され日経平均は3万2000円割れ。世界半導体市場統計が23年の半導体市場見通しを下方修正したため、レーザーテックやアドバンテストが下落。商社は利食い売りで反落。塩野義製薬はクレディ・スイスが格下げし、カチタスはみずほ証券による格下げが響いた。水素関連の川崎重工や三菱化工機、岩谷産業、トクヤマは物色された。TOYOTIREはGS証券が投資判断を引き上げ。
スタンダード市場では、半導体関連のフェローテックとテセックが買われ、HDD向け研磨剤のMipoxも高い。デジタルサイネージのアビックスは観光客誘致の自治体案件が期待された。住石HDは信用取引の臨時措置で下落した。ミライアルは8~10月期営業減益で売られた。
グロース指数は4日続伸。AI関連のヘッドウォータースと、ボッシュと資本提携のフィーチャへの買いは本日も継続。M&A総研が反発し、フューチャーリンクはローカルマーケティング支援の情報発信サービスの販売開始でストップ高。エクサウィザーズは反落。
チャート上では短い上ヒゲを伴う大陰線。昨日の大陽線を包み込む足となった。酒田五法では、「上位における陽の陰はらみ」と呼ばれ、攻防の分岐点とされる。かろうじて5日移動平均線(3万1862円)上で踏み止まったが、明日以降の値動きは注視されるところ。
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注目記事 Pick up
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【メタバース市場の拡大に期待】
日本証券新聞6月8日(木)紙面1面TOP記事掲載
アップルがHMDを発表 メタも今秋には新機種投入
チャットGPTなどの生成AIと並び、次世代ICTのキーワードとして「メタバース」が注目を集めそうだ。メタバースとは「メタ(超越)」と「ユニバース(宇宙)」を組み合わせた造語で、インターネット上の仮想空間のこと。ゲームやコミュニティなどの娯楽、ビジネスでは遠隔会議や遠隔操作などへの利用が見込まれている。現実空間と仮想空間を結ぶVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)などの技術を総称してXR(クロスリアリティ)と呼び、これらの技術を駆使したメタバース空間が生み出す新たな市場は2030年には約79兆円(総務省の情報通信白書)になるとの予想がある。
ここへきてにわかに注目を集めているのは、アップルが5日の年次開発者会議(WWDC)でヘッドマウントディスプレイ(HMD)「ビジョン プロ」(写真)を2024年に発売すると発表したためだ。高精細な有機ELディスプレイを搭載し、画質は4Kを超えるほか、多数のカメラ、マイクを搭載し、ここから得た情報を高速処理する高性能半導体を搭載している。アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)は単なるゴーグル型のディスプレイではなく、「空間コンピューティング」を実現するツールであることを強調している。価格は3,499ドルからで、140円換算で50万円弱と高価。当初の利用者は限られたものになりそうだが、かつてiPhoneがスマートフォンのあり方を変えたように、アップルの参入がメタバース市場の普及を加速させるとの期待が膨らんでいる。
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今日の市況概況
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6月7日(水)☆[概況/大引け]
593円安。最近の急上昇への警戒と「魔の水曜日」も不安視。水素関連は好調を継続
大引けの日経平均は593円安の3万1,913円、TOPIXは29ポイント安の2,206ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は504、下落銘柄数は1,268。出来高は16億8,794万株、売買代金は4兆6,521億円。
日経平均は最近の急上昇が警戒され反落し、3万2,000円を割り込んだ。
先物取引のSQ(特別清算指数)算出の週の水曜日は波乱が起きることがあるため「魔の水曜日」と言われていることも不安視され、下げに拍車を掛けた。
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