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コラム2023年6月30日

【本日のマーケット】6月30日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

6月30日(金)のマーケット                                                                   

6月29日の米国株式市場でNYダウは反発。FRBがストレステスト(健全性審査)の結果を発表し、深刻な不況に陥った場合でも、対象となった23の大手金融機関については企業などへの融資を継続できるとしたため、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックスなどが買われた。第1四半期のGDP確報値は、年率換算で前期比2.0%増となり改定値の1.3%増から上方修正された。個人消費と輸出の上方修正が要因なので、消費関連のビザとマスターカードも高い。NYダウは前日比269ドル(0.80%)高の34,122ドル。ナスダックは保ち合いとなった。コインベースは買われたが、マイクロン・テクノロジーは在庫過剰による財務悪化からの回復が遅れる懸念され下落した。エヌビディアは小幅安。NASDAQ総合指数は前日比0.4ポイント(0.00%)安の13,591。S&P500指数は前日比19ポイント(0.45%)高の4,396。

四半期末で動きにくかったが終盤下げ幅を縮めた。米マイクロンの下落を受け、レーザーテックやソシオネクストは安いが、イビデンとルネサスは堅調。一方、丸紅や三井物産は続落。コーセーは中国の「618」セールについて、前年を上回る売り上げにはなったものの計画以下の推移と説明したため売られた。高島屋は好決算で、通期業績予想を上方修正したが保守的という見方から再増額が期待され大幅高となった。円安メリットで海運株が高い。

スタンダード市場では、フェローテックが買われ、東洋合成は好調継続。クボテックは銀行借り入れを発表したが理由が受注拡大のためだったので大幅高となった。AI活用コンサルティングのジェクシードは5日続伸。歯科製品のナカニシは6日ぶりに反落した。レイは今期減益予想で下落。

グロース市場では、ヘッドウォータースは米エヌビディアのAIスタートアップ支援プログラムのパートナー企業と発表し急騰した。ティムスは微生物化学研究会と化合物探索の共同研究契約でストップ高。海帆が大幅高となり、Waqooは8日ぶりに反落。プレイドも利食い売りとなった。

日足チャート上では、先週に下抜けた5日移動平均線を水曜日に回復し、その後も堅調に推移。5日移動平均線の傾きも上向きとなり、来週に望みをつなぐ格好となった。パラボリックの陽転値も間近に迫っており、調整一服となるのか注目される。週足では、上下に長めのヒゲを伴う陽線。下抜けを回避し底堅さを見せた。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週はビッグニュースが相次ぎました。

ひとつはNTT(9432)の株式分割です。6月末で1株を25株に分割したことで、株価は170円台まで大きく低下しました。

分割前はNTTの最低投資金額は40万円を越えていましたが、今回の分割によって1万7000円程度で投資が可能となりました。証券会社に口座さえ開くことができれば、中学生や高校生の学生さんでも購入が可能です。

岸田政権は発足当初より「資産所得倍増プラン」を政策の骨子に掲げています。そのために来年からNISA制度を大幅に見直して、より使いやすいものへと制度改革を行いました。今回のNTTの決定はまさにその流れの一環にあると見られます。

そしてもうひとつ、高島屋(8233)の決算は大きなサプライズでした。

高島屋の3-5月期の営業利益は110億円(前年比+66%)に達し、18年ぶりに最高益を更新しました。第1四半期の3か月が経過した段階で、早くも通期の業績予想を上方修正しました(350億円→375億円)。それでもまだ十分に余力があり、最終的には400億円を越えてくるのではないかと見られます。

日本株に対する海外投資家の買いスタンスは小休止に入ったようですが、企業業績の好調が確認できれば再び買い越し姿勢を強めてくると予想されます。その時に備えて企業分析をより広く深く行ってみたいと思います。

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注目記事 Pick up
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【NTTに続け 投資単位引き下げに期待
日本証券新聞7月3日(月)紙面1面TOP記事掲載 

残る「超値がさ株」の動向に関心

四半期末でリバランスの売りが警戒されるなか、6月30日の東京市場では日経平均株価が軟調に推移した。年後半についても強気の見方が多い日本株だが、PBR、ROE(自己資本利益率)をキーワードとする「経営の質」、株主還元や投資単位の引き下げなど「投資家向きの姿勢」などが引き続き、重要な手掛かりとなりそうだ。

2024年からスタートする新NISA(少額投資非課税制度)、個人投資家に選ばれる企業になるためには投資単位の引き下げが欠かせない。1対25の株式分割で大きな話題を呼んだNTT(9432・P)は29日から1単位1万7,000円程度の投資額で取引ができるようになり、連日の大活況。

投資単位については、東証が22年10月、50万円以上の企業に引き下げ検討を要請している。これを受け、いわゆる「超値がさ株」といわれる企業が株式分割に踏み切るなど、一定の成果を上げている。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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6月23日(金)☆[概況/大引け] 

終盤下げ幅を縮めた。高島屋が好決算で買われ、円安メリットで海運と新光電工、日産も高い。医薬品と商社は下落

大引けの日経平均は45円安の3万3,189円、TOPIXは7ポイント安の2,288ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は656、下落銘柄数は1,105。出来高は15億9,740万株、売買代金は3兆7,961億円。
四半期末で動きにくかったが、終盤下げ幅を縮めた。
SMBC日興証券では、今後発表される5月、6月分の所定内給与で賃金上昇を確認できれば日本株上昇の追い風になるだろうと予想している。

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