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コラム2023年7月7日

【本日のマーケット】7月7日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

7月7日(金)のマーケット                                                                   

7月6日の米国株式市場は続落。ADP全米雇用報告で6月の民間部門雇用者数は49万7千人増加し、市場予想の24万人増を上回ったため、7日発表の雇用統計も増加し、人件費によるインフレ圧力が強い状況が続くとFRBによる利上げも長期化すると警戒された。6月のISM非製造業総合指数も53.9と、5月の50.3から上昇し、市場予想の51.3を上回った。エクソン・モービルやバンク・オブ・アメリカ、ホームデポなどが売られた。NYダウは前日比366ドル(1.07%)安の33,922ドル。ナスダックではテスラやアマゾン、アルファベットなどが売られたが、電気自動車のリビアン・オートモーティブは上昇した。NASDAQ総合指数は前日比112ポイント(0.82%)安の13,679。S&P500指数は前日比35ポイント(0.79%)安の4,411。

日経平均は4日続落。朝方は6月27日のザラ場安値に並び、ダブルボトム期待で下げ幅を縮めたが、米雇用統計の発表を控え、戻りは抑制された。エーザイはアルツハイマー病治療薬を米当局が承認したが織り込み済みで売られた。ホンダはUBS証券が格下げ。OSGやミスミといった設備投資関連が安い。一方、ソシオネクストは反発。オンワードは業績上方修正でストップ高となり、わらべや日洋は好決算で大幅高となった。千葉銀など地銀が堅調。

スタンダード市場では、AI関連のPKSHAが反発し、酒販売のカクヤスが大幅高。クリーニングのきょくとうは第1四半期決算発表を受け物色された。一方、ヘリオステクノは2日連続ストップ安となり、環境管理センターは大幅反落となった。直近新規公開株のジーデップは3日続落。

米メタ(旧フェイスブック)がツイッターに対抗する「スレッズ」を開始したが、グロース市場では、ラバブルマーケが「スレッズ」活用支援サービスを発表し一時ストップ高。ヘリオスは体性幹細胞再生医薬品の開発推進子会社を設立することで買われた。海帆は2日連続ストップ安。

日足チャート上では、週初の高寄りから下降局面。5日・25日移動平均線を下抜け、パラボリックも陰転となった。6月19日高値(3万3772円)と7月3日高値(3万3762円)のダブルトップのネックラインとされる6月27日の安値(3万2306円)を死守することが出来るかがポイント。週足では、上ヒゲを伴う大陰線。先週の陽線を包み込む“抱き線”が示現となった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。7月相場は日銀短観が月曜日の朝一番に発表されてスタートを切るように、月替わりでマクロ経済データの発表が相次いだ1週間となりました。

その日銀短観ですが、景況感の改善によって設備投資計画が引き上げられています。「ソフトウェア・研究開発を含む設備投資額」は大企業・製造業で+11.1%、前回調査から+2.4ポイント上方修正されました。

人手不足に対処するための自動化、省力化投資が盛んにおこなわれています。データを活用した事業展開を試みるデジタル投資(DX投資)も活発で、それがソフトウェア投資の伸びにつながっています。

景気を引っ張る力は設備投資に集約されます。それが企業の収益を引き上げ、株式市場を活性化させることになります。デフレの時代には見られなかった投資活動が、インフレが定着することで活発になってきました。

一国の経済活動を活性化するには設備投資を活発化させることが何よりも求められます。省力化投資はますます広がってゆくことでしょう。

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【野村“緊急会見”で見通し変更
日本証券新聞7月10日(月)紙面1面TOP記事掲載 

外国人次第で年度内3万8,000円も

日経平均が一時445.12円安に見舞われた7日朝方、野村証券は「緊急記者会見」として、オンライン上で新たな相場見通しを披露した。説明に用いたレポートのタイトルの最初に付されていたのは「リビジット・ジャパン」の文字。これは昨春、野村証券が7年ぶりに欧米“キャラバン隊”を派遣した際のレポート名「リビジット・ジャパン(日本再訪)」を意識したものだろう。メインシナリオではないが、「日経平均4万5,000円」の可能性にも言及した野村の新見通し、よくある「上がれば強気」の類いとは違うのか。説明にあたった池田雄之輔チーフ・エクイティ・ストラテジストと岡崎康平シニア・エコノミストの話に耳を傾けてみたい。

「見通し変更の背景は、3日公表の日銀短観に3つの上振れ(①順調な価格転嫁②強い設備投資意欲③円安もあって堅調な業況判断)が生じたことだ。1~3月期に利益率改善した際は『会計上のやり繰り』によるものとみていたが、価格転嫁が予想以上であることが確認された。年末日経平均予想を従来の3万円から3万4,000円に引き上げたが、全て企業業績修正に由来する。PERなどバリュエーション上昇は想定していない」

「良好な需給環境を踏まえれば、年度内3万8,000円までのアップサイドはあり得る。海外投資家が日本株のアンダーウエートをニュートラルとすれば約10兆円の買い流入が試算される。1兆円に付き500円高程度の感応度が見込まれる」

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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7月7日(金)☆[概況/大引け] 

4日続落。エーザイが売られ、幅広い業種が安い。ソシオネクストは反発

大引けの日経平均は384円安の3万2,388円、TOPIXは22ポイント安の2,254ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は456、下落銘柄数は1,312。出来高は15億3,732万株、売買代金は3兆8,131億円。
日経平均は4日続落。朝方は6月27日のザラ場安値に並び、ダブルボトム期待で下げ幅を縮めたが、米雇用統計の発表を控え、戻りが抑制された。

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