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コラム2023年7月14日

【本日のマーケット】7月14日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

7月14日(金)のマーケット                                                                   

7月13日の米国株式市場は4日続伸。6月の卸売物価は前年同月比0.1%上昇と、5月改定値の0.9%上昇から低下し、市場予想の0.4%上昇も下回った。前日の消費者物価に続き、卸売物価も予想よりも鈍化したため、FRBによる利上げ長期化観測の後退を補強した。タカ派として知られるセントルイス地区連銀のブラード総裁が辞任したことも支援材料となった。パデュー大学のビジネススクールの学部長に就任する予定。スノーフレークやショッピファイが買われ、カーバナは反落。NYダウは前日比47ドル(0.14%)高の34,395ドル。ナスダックではテスラやエヌビディア、アマゾンが買われ、コインベースが大幅高となった。NASDAQ総合指数は前日比219ポイント(1.58%)高の14,138。S&P500指数は前日比37ポイント(0.85%)高の4,510。

米国株高を受け高く始まったが、1ドル=137円台の円高を受けて下落。半導体関連が買われたことで上昇に転じた場面もあったが、3連休を控え、後場はもみ合った。アドバンテストが買われ、SHIFTは好決算で急騰。海運が堅調で、久光製薬は自社株買いの発表が好感された。ファーストリテは業績上方修正したが朝高後に反落した。セブン&アイは減益決算で売られ、百貨店の松屋は第1四半期黒字転換したが、織り込み済みで急落した。

スタンダード市場では、プライムストラテジーが第2四半期の営業利益が第1四半期比減益だったため大幅安となった。ジーデップとGCジョイコが続落。一方、TAKISAWAはニデックから買収が提案され買いが殺到した。出前館とCVSベイエリアは大幅続伸。アイビー化粧品が再び高騰。

グロース市場では、ABEJAが黒字転換となったが、材料出尽くし感からストップ安。免疫生物研がストップ安となり、アイデミーも決算が黒字転換となったが売られた。オキサイドは会社予想よりも赤字幅が小さかったため急騰した。SERIOは今期の収益計画でストップ高。

日足チャート上では、6月19日高値(3万3772円)と7月3日高値(3万3762円)のダブルトップのネックラインを割り込み調整色が色濃くなったが、米CPIを好感して急騰となり、5日移動平均線を回復。週足では、上下に長いヒゲを伴う十字足。来週以降調整色を強めるのか、米株上昇に追随するのかがポイントとなる。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。日常的な食品の価格が上がり続けており、人々の行動も抑制されがちです。今週の経済統計で気になったのは、景気ウォッチャー調査の「街角景気」が現状判断で5か月ぶりに前月比で低下したことでした。

マーケットでは徐々に神経質な動きが見られるようになってきました。7月3日(月)に大きく上昇して以来、今週の株式市場はTOPIXベースでは一貫して値下がりが続きました。今年初めて7日続落を記録しています。

米国の6月CPIは前年比+3.0%の上昇と判明しました。事前の予想をわずかに下回っています。株式、債券、為替市場は、発表直後から一斉に新たなポジションの構築に動き出しています。

まだFRBが目標としている2%の上昇にはかなり開きが存在します。物価の安定はこれからが本当の闘いで、気を緩める余裕はありません。夏相場での株価指数は一進一退となりながらも、現在のように高い水準で横ばいの動きを強めることになりそうです。

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【米国の利上げ 7月で打ち止め観測が浮上
日本証券新聞7月18日(火)紙面1面TOP記事掲載 

再びハイテク株優位の展開か ナスダックは1万4,000ポイント回復

重要経済指標の発表を通過した米国で、「インフレ鎮静化→金融引き締め姿勢の後退」との見方が浮上してきた。

12日に発表された6月の米CPI(消費者物価指数)は前年同月比3.0%の上昇だった。5月の同4.0%増、事前予想の同3.1%増を下回った。2022年6月のピークは同9.1%の上昇だったが、金融引き締めの効果が順調に表れている。4%割れは21年3月以来の水準だ。翌13日に発表されたPPI(生産者物価指数)は前月比0.1%増と5月の同0.4%減からは上昇したものの、予想の0.2%増を下回り、こちらもインフレ圧力が低下していると受け止められた。

7日発表の6月の雇用統計でも、非農業府部門の雇用者数は前月比20万9,000人増と予想の24万人を下回った。平均時給の高止まりなど、賃金インフレを占ううえでは、判断しにくい面が残るものの、全体的なトレンドは減速の方向にある。

こうした状況を受け、米国の10年債利回り(グラフ参照)は7日の4.06%をピークに13日には3.76%にまで下落した。長期金利の低下を受け、ハイテク株に買いが向かい、ナスダック総合指数は前日比219ポイント高の1万4,138ポイントと22年4月以来の1万4,000ポイント回復となった。

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今日の市況概況
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7月14日(金)☆[概況/大引け] 

3連休を控え、後場はもみ合い

大引けの日経平均は28円安の3万2,391円、TOPIXは3ポイント安の2,239ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は625、下落銘柄数は1,134。出来高は13億3,681万株、売買代金は3兆7,640億円。
米国株高を受け高く始まったが、1ドル=137円台の円高を受けて下落した。
その後、半導体関連が買われたことで上昇に転じた場面もあったが、3連休を控え、後場はもみ合いとなった。

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