8月4日(金)のマーケット
8月3日の米国株式市場でNYダウは続落。米国財務省が四半期定例入札に関して、中長期債の発行規模を約2年半ぶりに引き上げた。加えて、発行規模の拡大が2024年に入っても続く可能性が高いとの見解を示した。米国の5年債と10年債の利回りが上昇し、米国株は売られた。NY証券取引所では、ショッピファイやキャタピラー、セールスフォースが売られた。家具インテリアのウェイフェアは1株利益がアナリスト予想に反して黒字となったため急騰した。NYダウは前日比66ドル(0.19%)安の35,215ドル。ナスダックは3日続落。ペイパルやクアルコムは売られたが、AMDは買われた。NASDAQ総合指数は前日比13ポイント(0.10%)安の13,959。S&P500指数は前日比11ポイント(0.25%)安の4,501。
米国雇用統計の発表を控えもみ合い。海運株は続伸し、三菱重工は好決算で上昇。ZHDも決算で大幅高。UACJは在庫評価影響除いた実力ベースの営業利益が増益となり急騰。品川リフラは1対5の株式分割を歓迎。日東紡はデータセンター向けサーバー用スペシャルガラスの販売回復で通期予想を上方修正しストップ高。半面、任天堂は第1四半期が好決算だったが通期予想を据え置いたことで売られた。半導体関連が売られた。ネットワンは急落。
スタンダード市場では、1日の決算発表の効果で内海造船の大幅高が継続し、ジャパンエンジンは好決算でストップ高となり、赤阪鉄工と阪神内燃機にも連想買い。三菱ロジと車のエアコンガス(フロン)回収機器のヤマダコーポも決算が好感された。パチスロ関連のユニバーサルは下落。
グロース市場では、ECプラットフォーム運営のBASEが赤字縮小で買われた。GMOTECHは業績予想と配当予想の上方修正を発表しストップ高。弁護士ドットコムが上昇し、Gオイスターが大幅高。アドバンスト・メディアは第1四半期の増益率鈍化し急落した。ABEJAが続落。
日足チャート上では週前半に25日移動平均線を回復し、3万3500円目前まで上昇。7月3日の直近高値3万3762円まであと一歩のところまで迫ったが、週半ばから一転して2日間で1300円弱の急落。一時は3万2000円を割り込む場面も見られた。週足では上下に長いヒゲを伴う陰線。上下に大きく振れた今週を物語っているローソク足となった。なんとか13週移動平均線(3万2047円)を維持しており、底堅さも感じさせる。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。株式市場は突如として起こった動きには弱いものです。あらかじめ予想されていたことであれば、それがどんなに大きな事件であっても心構えができているのである程度は吸収できます。
しかしそれがまったくの予想外のところからやってきた、降って湧いたようなニュースであれば、意外なほどの脆さを露呈してしまいます。先週から今週のかけての株式市場はまさにそのような材料が立て続けに起こりマーケットを脅かしました。
最初は先週末に発表された日銀による突然の長期金利の誘導目標の引き上げです。株式および債券市場では少なからぬ驚きが走りました。
そこにフィッチ・レーティングスによる米国の発行体格付けの格下げが重なりました。これがふたつめの変化です。
個々の企業では決算内容の好悪がはっきりと分かれています。相場全体に落ち着きが戻ってくれば、あらためて業績のよい企業を継続して買い進む動きが強まるものと予想されます。
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注目記事 Pick up
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【上方修正&高進捗 好決算銘柄を再チェック】
日本証券新聞8月7日(月)紙面1面TOP記事掲載
波乱の先はファンダメンタルズに回帰
3日は118社、4日は252社、週明け7日も180社…。昨今の波乱局面にあっても連日3ケタの決算発表ラッシュが続いている。日米金融情勢に揺さぶられる展開で、足元は米雇用統計に関心が向けられているが、いったん相場が落ち着けば、決算への注目度がもっと高まっていいはず。発表社数が約4割に達した2日時点での東海東京調査センター試算によれば、約7割の企業の4~6月期経常利益がアナリストコンセンサス予想を上回るなど、これまでのところは想定以上の発表内容となっている。時価総額1兆円以上の大型株で市場予想の2倍以上を稼ぎ出したのは、いずれもプライム銘柄で、エーザイ(4523)、東京ガス(9531)、ANAHD(9202)、中部電力(9502)、JAL(9201)、マキタ(6586)など。注目を集めたニデックやトヨタ自動車も5割を超える上振れ率だ。通期経常利益予想の上方修正発表企業は全体の1割程度にとどまるが、米利上げの余波など外部環境面に不透明感を残すなかでの第1四半期決算であれば妥当な線だろう。
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今日の市況概況
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8月4日(金)☆[概況/大引け]
米雇用統計を控え、もみ合い。海運が続伸し、三菱重工が好決算で大幅高。任天堂と半導体関連は安い
大引けの日経平均は33円高の3万2,192円、TOPIXは6ポイント高の2,274ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,045、下落銘柄数は707。出来高は15億8,609万株、売買代金は3兆7,196億円。
米国雇用統計の発表を控えもみ合いとなった。
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