8月14日(月)のマーケット
8月11日の米国株式市場でNYダウは続伸したが、ナスダックは反落。7月の卸売物価指数が前年同月比0.8%上昇し、予想の0.7%上昇を上回った。6月は同0.1%上昇から0.2%上昇に改定された。インフレ圧力の根強さが意識され、NYダウは反落して始まったが、すぐに上昇に転じた。ジョンソン&ジョンソンや医薬品のイーライ・リリーなどのディフェンシブ株が買われた。国際エネルギー機関(IEA)が月報で、年内の世界石油需要が増加するとの見通しを示したためNY原油先物が反発し、エクソン・モービルを始めとしたエネルギー関連株も買われた。一方、ディズニーと物流のUPSは反落した。NYダウは前日比105ドル(0.30%)高の35,281ドル。ナスダックではエヌビディアとAMDが売られ、スーパー・マイクロ・コンピュータも利益確保の売りに押された。NASDAQ総合指数は前日比93ポイント(0.68%)安の13,644。S&P500指数は前日比4ポイント(0.11%)安の4,464。
中国で融資急減や不動産会社のドル建て債デフォルトを受け、香港株が売られ、日経平均も下落。アドバンテストやソニーG、メルカリ、ホンダが安い。日本ペイントは業績予想を上方修正したが、好材料出尽くしや中国でのシェア獲得強化で価格が下落したことで売られた。一方、楽天Gは携帯事業の赤字縮小が好感された。ゼンショーは大幅増益決算とMSCI指数への採用で買われた。半面、シャープやLIXILはMSCI指数から除外されず上昇。
スタンダード市場では、Abalanceがストップ安となり、GCジョイコが大幅続落。内海造船は9日ぶりに反落。乳製品のJFLAは株主優待を当面見送ると発表したためストップ安となった。一方、THEグローバル社は大幅増益継続計画と復配予定を発表しストップ高となった。
グロース市場では、マイクロアドが2日連続ストップ安。格安航空券予約サイト運営のアドベンチャーは広告宣伝費負担により第4四半期が営業減益だったためストップ安。クラウドID管理のHENNGEは好決算でストップ高となり、INFORICHは黒字転換予想でストップ高。
チャート上では、上に長めのヒゲを伴う陰線。朝方は買い先行で25日移動平均線(3万2500円)を上抜き、一目均衡表の雲抜け(3万2640円)も目前の位置に迫ったが、売りに押された。かろうじて3万2000円を維持して大引けを迎えた。
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【相次ぐTOB 気になる伊藤忠の動き】
日本証券新聞8月15日(火)紙面1面TOP記事掲載
CTC、大建工に続くのは… 候補銘柄に動意も
四半期決算発表に合わせる形で、完全子会社化などを目的とした買付株数上限なしのTOB(株式公開買い付け)発表が相次いでいる。
8月以降ではイー・ガーディアン(6050・P)、CTC(伊藤忠テクノソリューションズ、4739・P)、焼津水産(2812・S)、東芝(6502・P)、ロックペイント(4621・S)、キョウデン(6881・S)、東京日産コンピュータ(3316・S)、そして直近10日発表の大建工業(7905・P)とAmidAHD(7671・G)――といった具合だ。
「事前予告付き」でサプライズの全くない東芝はともかく、他は、いざ発表されればストップ高を交えた急騰が保証されたようなもの。今後も決算発表前には親子上場子会社を“宝くじ感覚”で買うような投資法が取りざたされそうだ。
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今日の市況概況
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8月14日(月)☆[概況/大引け]
中国の不動産大手の経営危機が警戒され、日経平均は3万2,000円に接近
大引けの日経平均は413円安の3万2,059円、TOPIXは22ポイント安の2,280ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は621、下落銘柄数は1,168。出来高は15億5,700万株、売買代金は3兆6,668億円。
中国で7月の新規人民元建て融資が6月に比べて急減したことや、中国の不動産開発業者の碧桂園はマンション販売の減少で上期が円換算で1兆円前後の赤字見通しとなり、ドル建て社債の利払いができず、オンショア(本土)社債11本の取引を14日から停止すると公表した。
碧桂園が仮にデフォルト(債務不履行)に陥れば、金融機関や債権者への影響は恒大集団よりも深刻になると警戒されている。
これらを受けて、14日の香港株が大幅続落となり、日経平均も一時442円安の3万2,031円まで売られた。
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