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コラム2023年9月22日

【本日のマーケット】9月22日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

9月22日(金)のマーケット                                                                   

9月21日の米国株式市場は3日続落。先週の新規失業保険申請件数が前の週に比べて2万件減の20万1千件となり、市場予想の22万5千件を下回った。金融引き締め長期化観測から長期金利が上昇し、ハイテク株中心に売られた。NY証券取引所ではオラクルやスノーフレークが下落し、イーライ・リリーやウーバー・テクノロジーズも安い。NYダウは前日比370ドル(1.08%)安の34,070ドル。ナスダックはテスラやエヌビディア、アマゾン、AMDが売られた。一方、データ分析用ソフトウエアのスプランクはシスコシステムズが買収することで合意したため急騰した。NASDAQ総合指数は前日比245ポイント(1.82%)安の13,223。S&P500指数は前日比72ポイント(1.64%)安の4,330。

日経平均は4日続落。日銀が金融政策の現状維持を決めたため、下げ幅を縮めた。海運株が利食い売りに押され、東電も反落し、商社も安い。ZHDは公取委からヤフーがメディアに対して優越的地位の可能性と指摘されたため売られた。一方、レーザーテックが買われ、日本テレビはスタジオジブリの子会社化で急騰した。日銀のマイナス金利政策解除への期待は続くという見方から三井住友やみずほは高い。調整続きだったメドレーやSHIFTが上昇。

スタンダード市場では、住石HDやJエスコム、第一パンなど低位株が物色された。プライム市場でデサントがSMBC日興による目標株価引き上げで買われたため、ヨネックスに連想買い。クオンタムは米エヌビディア製GPU高性能サーバーの仕入れ販売で買われたが、買いが続かず。

グロース市場では、セカンドサイトが株式分割と自社株買いを発表し、ストップ高。調整続きだったグラッドキューブに買いが入り、ストップ高。NexToneも調整が深かったが、反発した。スマホ用充電器のレンタルINFORICHは上昇トレンドが継続。インテグラルは売られた。

日足チャートでは、ギャップダウンで陽線を引いた。ネジレとなっている一目均衡表の雲の中に位置。先週陽転したパラボリックも陰転となってしまった。週足では長めの下ヒゲを伴う陰線。サポートとなっていた13週移動平均線(3万2,463円)を割り込んでしまい、上値の重さを感じさせる。中銀ウィークという大イベント通過で、来週は保ち合いを上抜けできるかがポイントとなる。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週は中央銀行ウィークです。FRBの思わぬタカ派的なスタンスに、株式市場では、絶対の強さを誇っていた半導体関連株ですら下値を徐々に切り下げる状態です。

見逃すことのできない変化として、電子部品株および化学セクターの一角の強さがあります。これらの銘柄は、今回の調整局面では真っ先に下落に転じた銘柄群です。しかもある日、大きく上昇したかと思えば、翌日にはすぐに反落するなど不安定な値動きを繰り返しています。

大底入れとは得てしてこのようなもので、すぐには物色されにくいかもしれませんがうねりが生じているのは確かです。

化学セクターはスペシャリティ・ケミカルと位置づけられ、自動車の軽量化や電動化に伴って、電子部品株とともに需要が増加するセクターです。単純にバリュー株、グロース株とふたつの陣営に区分することがむずかしい一群ですが、それらが徐々に反転の姿勢を示す機会が増えているように感じられます。

業績の良好な決算データを追いかけると同時に、このあたりの株式市場の変化にも「目を凝らしておきたいと思います。

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【日テレHD、「ジブリ」を子会社化
日本証券新聞9月25日(月)紙面1面TOP記事掲載 

海外展開を軸としたアニメ事業の強化に期待

日本テレビHD(9404・P)が一時ストップ高(300円高の1,675円)で年初来高値を更新。21日、傘下の日本テレビ放送網がアニメ制作会社のスタジオジブリ(東京都小金井市)の株式を取得し、子会社すると発表した。

株式譲渡日は10月6日。日本テレビは議決権所有割合42.3%の筆頭株主となる。取得金額は開示可能となった時点で公表する予定。今後の連結業績に与える影響は軽微としている。スタジオジブリの2023年3月期決算は最終利益34億3,000万円(前々期比71.4%増)。

日本テレビは1985年に「風の谷のナウシカ」をテレビ初放送して以来、「金曜ロードショー」を通じてジブリ作品を放送し続けてきた。「魔女の宅急便」の映画製作への出資をはじめ、2001年開館の「三鷹の森ジブリ美術館」の設立も支援するなど、長年にわたり良好な関係を築いている。

数々のヒット作を生み出してきたスタジオジブリは、今年7月の宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」も公開10週目で累計興行収入81億6,000万円、動員546万人を突破と大ヒット。一方で、長らく後継者問題を抱えていた。そうした経緯を経て、親しく付き合いのあった両者の間で話し合いが始まったという。

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今日の市況概況
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9月22日(金)☆[概況/大引け] 

海運や電力、商社が安い。日銀金融政策は現状維持だが、銀行は上昇。日テレが急騰

大引けの日経平均は168円安の3万2,402円、TOPIXは7ポイント安の2,376ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は840、下落銘柄数は924。出来高は16億873万株、売買代金は3兆8,813億円。
日銀が金融政策の現状維持を決め、「必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」というフォワードガイダンスも変更しなかった。
これを受け、日経平均は下げ幅を縮めたが、植田日銀総裁の会見を控え、戻りも限られた。

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