10月10日(火)のマーケット
10月9日の米国株式市場は続伸。イスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃したことで、米国主要3指数は序盤に反落したが、ダラス地区連銀のローガン総裁が最近の米長期債利回りの上昇と金融情勢の引き締まりは急速ではあるが、「秩序だった」ものであり、FRBによる追加利上げの必要性を低下させる可能性があると述べたため、後半は買われた。石油会社のエクソン・モービルや軍事関連のロッキード・マーチンが高い。NYダウは前日比197ドル(0.59%)高の33,604ドル。ナスダックではサイバーセキュリティ関連のクラウドストライクが買われた。NASDAQ総合指数は前日比52ポイント(0.39%)高の13,484。S&P500指数は前日比27ポイント(0.63%)高の4,335。
パレスチナ武装勢力のハマスとイスラエルの戦争が警戒されたが「遠くの戦争は買い」という見方や、米FRB高官が追加利上げに慎重な姿勢を示したことを受けて、日経平均は急伸した。原油高を受けて、石油関連株と海運株や商社株が買われ、防衛関連の三菱重工も高い。その他、米金利低下でレーザーテックやソフトバンクグループも上昇。ワキタは株主優待制度の新設で大幅高。一方、燃料高懸念で空運株は売られた。サカタのタネが安い。
スタンダード市場では、ギグワークスが7日続伸。イーロジットがストップ高。「メガネスーパー」運営のビジョナリーはTOB(株式公開買付)が発表されストップ高。Jエスコムはゲームやアニメなどの活用のアパレルと雑貨の商品化でサンマリノと業務提携し大幅高。日本ISKは大幅反落。
グロース市場では、GNIが続伸となり、みらいワークスとBuySellが3日続伸。ペルセウスが年初来高値。一方、ispaceは上場から180日が経過し、大株主の売却を制限する「ロックアップ」が解除されたことを受け、ストップ安となった。直近新規公開株のキャスターが反落。
チャート上では、寄付きが安値でほぼ高値引けの大陽線。ギャップアップで5日移動平均線を飛び越え、10月3日の急落時に空けた窓を埋める格好となった。ボリンジャーバンドのマイナス1シグマ(3万1588円)を上抜けて、3万2000円も目前となった。
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注目記事 Pick up
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【イスラエルのイラン攻撃に注意】
日本証券新聞10月11日(水)紙面1面TOP記事掲載
SMBC日興証券 末澤豪謙金融財政アナリストに聞く
相場格言にある「遠くの戦争は買い」ということか。3連休明け10日の日経平均は一時823.59円高。業種別指数上位に鉱業、石油以下資源関連がずらりと並び、9日の米ロッキード・マーチン8.9%高に倣ってか、三菱重、川重の防衛関連も6%高となる場面があった。もともと“期間限定の需給要因”から低迷していた反動という側面もあろう。とはいえ、「戦争状態」に入ったイスラエル情勢の行方は大いに気になるところ。ここはこの人、証券界きっての国際情勢通であるSMBC日興証券の末澤豪謙金融財政アナリスト(写真)に話を聞いた。
――第4次中東戦争開戦(1973年10月6日)から、ちょうど半世紀(と1日)後のハマスによるイスラエル攻撃。当時の戦争以来となる膨大な被害を生み、双方によるさらなる暴力と憎悪の連鎖が懸念されている。
「イスラエルでは過去最高規模の予備役召集が行われ、報復攻撃も本格化してこよう。ただし、かつての中東戦争時とは国際情勢が一変している。当時は全アラブ、ペルシャがまとまっていたが、現在はサウジアラビアとイスラエルの国交樹立が観測されるような状況にある。そうした焦りが今回のハマスの行動につながったのだろう。ハマス側に付く国もなく、オイルショックが生じる構図ではない。その一方で、近年はウクライナ戦争など各地で紛争が増え、兵器が拡散している。かつてのように短期間では終わらないのではないか(第4次中東戦争は3週間弱で停戦)。ショック安には至らなくとも、地政学リスクが高まった状態が長く続くことになりそうだ」
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今日の市況概況
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10月10日(火)☆[概況/大引け]
周辺国を巻き込んだ大規模は戦争には発展しないのではないかという見方で買われた
大引けの日経平均は751円高の3万1,746円、TOPIXは48ポイント高の2,312ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,600、下落銘柄数は197。出来高は14億8,469万株、売買代金は3兆4,982億円。
パレスチナ武装勢力のハマスとイスラエルの戦争が警戒されたが、サウジアラビアやエジプト、イランも巻き込んだ「第5次中東戦争」には発展しないのではないかという見方や、米FRB高官が追加利上げに慎重な姿勢を示したことを受けて、日経平均は急伸した。
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