10月20日(金)のマーケット
10月19日の米国株式市場は続落。パウエルFRB議長が講演で、これまでの利上げ効果を踏まえ、委員会は慎重に進んでいると述べたため、NYダウは一時上昇した場面もあった。しかし、政策が現在引き締め過ぎである兆候はないと考えていることや、インフレはなお高すぎると発言し、追加引き締めの可能性も示した。イスラエルの国防相が「今は遠くからガザを見ているが、もうすぐ内側から見ることになる。命令は出される」と述べたため、地上侵攻が近いという見方から下落に転じた。仮想化技術のVMウエアが大幅安。テスラは第3四半期の調整後1株利益がアナリスト予想を下回ったことで売られた。NYダウは前日比250ドル(0.75%)安の33,414ドル。NASDAQ総合指数は前日比128ポイント(0.96%)安の13,186。S&P500指数は前日比36ポイント(0.85%)安の4,278。
イスラエルによる地上侵攻接近という見方から朝方336円安だったが3万1000円は割り込まず、下げ幅を縮小。安全資産への逃避で米国債が買われると金利低下が米国株を支えるという見方や、来週後半からの日本企業の決算発表時の上方修正期待が下支え。ディスコは減益決算で売られ、米テスラの減益決算で電池供給のパナソニックもツレ安。SHIFTが下落。一方、第一三共は3製品でメルクと提携し急反発。海運と商社が小幅高。タイヤが反発。
スタンダード市場では、山大とトレードワークスが売られ、ワークマンは年初来安値。レディス向け衣料のANAPは3日続伸で本日はストップ高。東京機械は建設現場向け自動清掃ロボットを共同開発することでストップ高。プライムストラテジーは累計稼働台数8万台超でストップ高。
グロース市場では、アディッシュが大幅反落。プロジェクト管理ツールのヌーラボは利食い売りで大幅安。ispaceは経産省の「中小企業イノベーション創出推進事業」で補助金対象となったため5日ぶりに反発した。INFORICHとスマレジが買われた。ケイファーマが反発。
日足チャート上では、3万2000円台を頭に下抜けとなってしまったチャート形状。大きくギャップダウンを繰り返し、5日移動平均線は急角度で下向きとなった。25日移動平均線も下向きとなっており、10月4日の安値3万487円が意識されるところ。週足では上下にヒゲを伴う陰線。13週移動平均線(3万2,167円)を下放れて、26週移動平均線も割り込んでしまった。13週線の傾きも下向きになってしまい調整色をうかがわせる形状。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。パレスチナ、ガザ地区の武装組織・ハマスがイスラエルに大規模なミサイル攻撃を行って半月が経過しました。そこから世界の様相が一変してしまいました。
旧約聖書の時代から続いているイスラエルとパレスチナの争いに、簡単な解決策など誰も持ち合わせていません。原油価格は不気味に動きを止めています。
マーケットにとってこれほどのネガティブ要因も見当たりません。金利の上昇は一段と速まっています。米国の2年物国債金利は5%台に乗せ、2007年以来の高水準に達しました。10年国債金利も5%乗せが迫っています。
しかしそれでも、私たちの日々の生活は止まることなく進んでゆきます。日本では2月/8月決算企業の決算発表が一巡しました。その中にたくさんの変化の兆しを見い出すことができます。
日本企業ははっきりと変わりつつあります。2月/8月決算企業を見てもそれは手に取るようにわかります。
外部環境は不透明ですが、いくら待っても改善には時間がかかります。それよりも来週から本格化する3月/9月/12月決算企業の決算の内容、そして新たな事業計画の策定に期待したいところです。
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注目記事 Pick up
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【7月以降、IPOの初値低迷】
日本証券新聞10月23日(月)紙面1面TOP記事掲載
東証の見直しの影響か 三井住友DSAM 金子将大氏
今年7~9月にIPO(新規上場)した22社の平均初値騰落率は42%、初値が公開価格を下回った割合は36%とリターンが従来より低迷していることが、三井住友DSアセットマネジメントの調査で分かった。同社でIPOなどを担当する金子将大シニアファンドマネージャーは「東証のIPOプロセス見直しで、6月26日から上場日の成行注文が禁止された影響があるのでは」とみている。
平均初値騰落率は2020年には128%と2倍以上になり、IPOは儲かると言われた。その後、21年56%、22年52%だった。公開価格割れも21年16%、22年19%で、足元は明らかに不調だ。
政府の成長戦略実行計画では、海外に比べ初値が公開価格を大幅に上回る「アンダープライシング」を問題視。公開価格で株を購入した投資家は利益を得るが、新規上場会社の資金調達額が少なくなり、上場後の成長に悪影響があるためとしている。そのため、東証はIPOプロセス見直しを進めていた。
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今日の市況概況
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10月20日(金)☆[概況/大引け]
土日の間の中東リスクが警戒され終盤は再び下向き
大引けの日経平均は171円安の3万1,259円、TOPIXは8ポイント安の2,255ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は659、下落銘柄数は944。出来高は12億5,762万株、売買代金は3兆2,818億円。
イスラエルの国防相が兵士に対して「ガザ地区を内側から見ることになるだろう」と述べ、近く地上侵攻に踏み切る考えを示した。
リスク回避姿勢から日経平均は朝方一時336円安の3万1,093円となったが、大台を割り込まなかったため、下げ幅を縮めた。
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