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コラム2023年11月10日

【本日のマーケット】11月10日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

11月10日(金)のマーケット                                                                   

11月9日の米国株式市場でNYダウは続落、ナスダックも10日ぶりに反落。パウエルFRB議長が国際通貨基金(IMF)の研究会議で、「インフレ率は低下したが、依然として目標の2%を大きく上回っている。インフレ鎮静化の進展に感謝しているが、まだ道のりは長い」と述べたため、金利が上昇した。イーライ・リリーが反落し、バイオ医薬品のアッヴィが売られた。医療機器のベクトン・ディッキンソンは通期見通しが失望された。一方、ディズニーは7~9月期決算がアナリスト予想を上回ったことで買われた。NYダウは前日比220ドル(0.65%)安の33,891ドル。ナスダックではテスラはHSBCが新規に投資判断を「Reduce」で目標株価を146ドルと発表したため売られた。イーロン・マスクCEOによる無人運転システムやヒューマノイドロボット、スーパーコンピューターなどのプロジェクトは、商業化に向けた技術的および規制上の実現可能性の欠如からの大幅な遅延が、テスラにとって重大なリスクをもたらすと指摘した。NASDAQ総合指数は前日比128ポイント(0.94%)安の13,521。S&P500指数は前日比35ポイント(0.81%)安の4,347。

FRB議長が「追加引き締めが適切と判断とすれば躊躇しない」と述べた影響で日経平均は一時398円安。しかし、円安進行を受けて、下げ幅を縮め、TOPIXは小幅高となった。円安で海運が買われ、米金利上昇でメガバンクが高い。バークシャーの起債準備で商社は堅調。トレンドマイクロは株主還元方針を示し、西華産業は業績・配当予想の増額と株主還元制度の導入を発表し急騰。赤字決算のSBG、株主から売却発表のルネサスは安い。

スタンダード市場では、住石HDが売られ、大正製薬は6日続落。東映アニメが反落した。イフジ産業は上期大幅増益だったが好材料出尽くし感から急落した。シダックスはMBO(経営陣による買収)で非公開化へと報じられ急騰した。ミズホメディーは業績・配当予想の増額で大幅高。

グロース市場では、Vチューバープロダクションのカバーは好決算だったが材料出尽くしという見方から下落した。AIソリューションのJDSCは赤字決算で大幅安。一方、セレンディップは業績上方修正でストップ高。ストレージ王はアーバネットコーポとの業務提携で買われた。

日足チャート上では、週初からギャップアップとなり3万2700円台まで上昇。先週からの短期急騰の反動を見せるも、急角度で上昇する5日移動平均線をサポートに堅調な推移となり、一目均衡表の雲抜けも示現。週足では長い下ヒゲを伴う陽線。ギャップアップで寄り付いた後、13週移動平均線(3万2,020円)で下げ止まり底堅さを見せた。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。日常的な変化に埋もれてしまって気がつきにくくなっていますが、ここに来てテクノロジー株の動きがプラス方向に変化していることに気がつきます。

TDK(6762)が年初来高値を更新し、車載向けの電子部品株が物色対象になるケースが徐々に増えています。

カギを握るのが信越化学工業(4063)の動きです。10月27日の比較的早い時点で決算発表を行いました。その直後から株価が大きく上昇しています。

業績上は前年同期比で減益ですが、ひとつ前の四半期と比べるとほぼ横ばいで着地しています。それ自体、業績面でボトムを打った可能性を見い出せます。

テクノロジー株の分野にさらに陽が差し込んでくる日が近づいているように思います。

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【SBG また1兆円赤字も 投資モードに再突入
日本証券新聞11月13日(月)紙面1面TOP記事掲載 

CFO「孫氏の目利きが強み」

SBG(9984・週足)

ソフトバンクグループ(9984・P)がまたもや1兆円超えの大赤字。一時9%超安の大幅反落で日経平均株価の足を引っ張った。投資先事業の赤字は続くなか、会社側は強気の姿勢を変えないが、黒字浮上はいつの日になるのか。

9日開示した今3月期第2四半期(4~9月)決算は売上高3兆2,270億6,000万円(前年同期比1.4%増)だが、税引前損益は9,074億2,500万円の赤字(前年同期は2,926億3,600万円の黒字)、最終損益は1兆4,087億2,700万円の赤字(前期は1,290億9,800万円の赤字)と上期として過去最悪の赤字となった。

前年同期の中国・アリババ株の売却益の反動や円安でドル建て負債など6,481億円の為替差損が生じたこと、さらに、4~6月に6四半期ぶりに黒字となった「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(SVF)が、5,833億円の赤字に転落したことが大きい。ウィワーク破綻で2,344億円の損失を計上。一方、今年世界最大のIPO(新規上場)となった英半導体設計大手アームの売却益は、親子上場になるため損益計算書には反映されず、業績貢献には限定的。さらに、IPOに伴う会計上のテクニカルな手続き面で巨額の費用計上が、SVFの赤字の要因にもなっている。

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今日の市況概況
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11月10日(金)☆[概況/大引け] 

FRB議長のタカ派発言で一時398円安となったが円安で下げ幅を縮め、TOPIXは小幅高に

大引けの日経平均は78円安の3万2,568円、TOPIXは1ポイント高の2,336ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は989、下落銘柄数は630。出来高は16億3,842万株、売買代金は4兆1,106億円。
パウエルFRB議長が9日の講演で「さらなる政策引き締めが適切となった場合は躊躇しない」と述べたため、米国金利が上昇し、米国株は下落した。
これを受けて、10日の日経平均は一時、398円安の3万2,248円となったが、1ドル=151円30銭台の円安を受けて、下げ幅を縮め、TOPIXは小幅高となった。

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