11月17日(金)のマーケット
11月16日の米国株式市場でNYダウは反落したが終盤下げ幅を縮めた。ウォルマートやシスコシステムズの下落が響いたが、新規失業保険申請件数の増加や10月の鉱工業生産が自動車ストの影響で市場予想を超える低下を示したため、金利が低下したことが株式市場の下げを緩和した。ウォルマートは最高財務責任者が「90日前に比べ、個人消費への見方はより慎重になった」と語ったことで売られた。金利上昇や学生ローンの返済が需要を圧迫しているとのこと。一方、百貨店メーシーズは在庫管理の改善が寄与し、8~10月期の利益がアナリスト予想を上回ったことで買われた。ナスダック上場でNYダウに採用されているシスコシステムズは11~1月期の売上高見通しがアナリスト予想を下回ったため売られた。NYダウは前日比45ドル(0.13%)安の34,945ドル。ナスダックは保ち合い継続。テスラは5日ぶりに反落し、エヌビディアは反発。セキュリティサービスのパロアルトネットワークスは決算で売られた。NASDAQ総合指数は前日比9ポイント(0.07%)高の14,113。S&P500指数は前日比5ポイント(0.12%)高の4,508。
日経平均は朝方の売り一巡後に反発に転じた。TOWAは三菱UFJモルガンが目標株価を大幅に引き上げ、日立はGSとみずほが目標株価を増額した。伊藤忠はビッグモーターの買収検討と報じられやや上げ幅を拡大した。OLCやANAなどのインバウンド関連が買われ、パナソニックやコマツ、富士フイルムといった大型株が堅調だった。一方、アサヒグループは金融機関9社の保有株の海外売出を発表し下落した。任天堂と住友不動産が安い。
スタンダード市場では、AIメカテックが8日続伸。湿式ポリウレタンレザーのウルトラファブリックスはいちよし経済研がフェアバリューを引き上げ急騰した。ハイパーは自社株買いの発表で一時ストップ高。マリオンは反落しストップ安。フルヤ金属はプライム市場昇格だが公募増資で売られた。
グロース市場では、ジーエヌアイがジェフリーズ証券の投資判断を引き上げを受け大幅高継続。ペルセウスは2日連続ストップ高。ジェイドグループが大幅高となり、タスキは新日本建物と経営統合で買われた。ヘッドウォータースは利食い売りで反落し、ワクーは2日連続ストップ安。
日足チャート上では、連日で下値を切り上げて3万3500円台まで上昇。引値ベースで9月15日を抜き7月3日以来の高値水準まで上昇を見せた。週足では下ヒゲを伴う陽線。高値引けとなり、13週移動平均線(3万2,184円)を上放れ。パラボリックも陽転となり、年末高へ向けて環境が整ってきた。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。気がつけばすっかり年末モードに入っています。
米国のインフレ動向を警戒して、金利の見通しをあれこれ議論しているうちに1年があっという間に過ぎてしてしまいそうです。時の経つのが格別に早く感じられます。
ネットを通じての打ち合わせが増えており、居ながらにしてコンタクトが取れるので便利なので頻繁に行なっていますが、それがひとつの仕事に関わる仕事の量を膨らましているようにも思います。
オンライン上でやりとりされる情報量も増えていることでしょう。データセンターにかかる負荷の量も増えているはずです。動画の視聴や撮影も増えました。
半導体の在庫調整が始まってほぼ1年が経過しました。昨年の秋口から半導体市況が急速に悪化して、そこから在庫調整が始まりました。今回の半導体各社の決算内容からそのあたりの事情が判明します。
半導体市場は今年がちょうど端境期に当たり、折り返し地点に差しかかっていることが決算動向からもよくわかります。急速な半導体市場の拡大が見込まれる2024年には、エレクロニクス株が上値を追いかけることも十分に期待できそうです。
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注目記事 Pick up
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【半導体関連 小型、材料系にも注目】
日本証券新聞11月20日(月)紙面1面TOP記事掲載
メモリー市況の回復 AI向け対応でも期待 TOWA、日マイクロ、信越化など
17日の東京市場は日経平均株価が週前半の3日間(13~15日)で951円の急伸となったこともあり、朝方は売りが先行したが、大引けは前日比160円高と反発。決算発表を終え、好調な業績が確認されたこと、米国でインフレ圧力の後退を示す経済指標が相次ぎ、利上げ終了への期待が高まったことなどから、市場のセンチメントは良好だ。
引き続きハイテクを中心としたグロース株が相場の牽引役になるとみられる。東証プライム市場で常に売買代金ランキングの上位を占めるレーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテストなど主要な半導体製造装置メーカーなどを中心に躍進が続くとみられる。加えて、半導体関連株に対する物色に広がりが出てきたことが最近の相場の特徴だ。流れに乗り、中小型株や半導体製造に欠かせないウエハーやフォトレジストなどを供給する化学セクターの銘柄などに目を向けてみたい。
年明け以降はメモリー市況の底入れを受けたNANDフラッシュ向けの投資再開が予想され、中期的には生成AI向けのGPU(画像処理半導体)などのロジックやHBM(高帯域メモリー)などの投資拡大と生産増が関連銘柄の株価を牽引することになる。
・・・続きは紙面・Digital版で!
今日の市況概況
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11月17日(金)☆[概況/大引け]
海外投資家の日本株選好期待で大型株が堅調
大引けの日経平均は160円高の3万3,585円、TOPIXは22ポイント高の2,391ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,372、下落銘柄数は262。出来高は14億3,026万株、売買代金は3兆7,492億円。
AI用半導体に対する米国の対中輸出規制拡大の影響で、中国のアリババグループはクラウド事業のスピンオフ(分離・独立)計画を撤回した。
香港市場への悪影響が警戒され、日経平均は続落して始まったが、すぐに反発に転じ、大引けにかけて堅調度合いを増した。
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