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コラム2024年1月26日

【本日のマーケット】1月26日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

1月26日(金)のマーケット                                                                   

1月25日の米国株式市場でNYダウは3日ぶりに反発し最高値を更新した10~12月期のGDPが前期比年率3.3%増と市場予想の2.0%増を上回った。個人消費支出(PCE)物価指数で、食品とエネルギーを除いたコアが前期比年率2.0%上昇と市場予想と一致し、インフレ抑制も進んでいると期待された。IBMは2024年通期の売上高とキャッシュフローについて明るい見通しを示したことで買われた。ボーイングは飛行中に窓が吹き飛んだ事故を起こした737MAX9型機に関して、連邦航空局が24日、737MAXシリーズの生産拡大を認めない方針を通知したことで売られた。NYダウは前日比242ドル(0.64%)高の38,049ドル。ナスダックは小幅だが6日続伸。ネットフリックスやアルファベットが買われたが、テスラは今年は次世代車投入に注力する中で販売台数の伸びが大きく減速する可能性があると述べたことで大幅安となった。NASDAQ総合指数は前日比28ポイント(0.18%)高の15,510。S&P500指数は前日比25ポイント(0.53%)高の4,894。

日経平均は大幅反落。インテルの第1四半期見通しがアナリスト予想に届かなかった影響で半導体関連が売られた。加えて、年初からの日本株急騰に伴い、年金運用において資産配分以上に増えた日本株を減らす「ヘアカット売り」が月末に出てくることも警戒された。ルネサスはNECと日立の売却で大幅安。海運と銀行、自動車も安い。霞ヶ関キャピタルはSBI証券が目標株価を引き上げた。楽天が高い。大平洋金属は旧村上ファンド系の保有が判明し急騰した。

スタンダード市場では、フェローテックとジェイイーティとAIメカテックが反落。半導体テスト工程受託のテラプローブは半導体株安に巻き込まれた。東洋機械金属は営業赤字予想に下方修正したため急落した。イボキンはスクラップ相場と大型解体工事が寄与し業績上方修正で上昇。

グロース市場では、GENDAとイメージマジックが反落。ブレインズはNTT東日本向けにAI検品システムが採用され2日連続ストップ高。サンバイオは再生細胞薬候補が2月5日の厚労省審議会で議題に含まれなかったが、会社側が引き続き3月末の承認取得を目指すと述べたため高い。

日足チャート上ではギャップダウンで陰線を引き、5日移動平均線を下放れた。パラボリックも昨年12月19日以来の陰転となり、節値の3万6000円を割り込んで週末を迎えた。週足では長い上ヒゲを伴う陰線。短期急騰の過熱感から、目先は一旦の調整がうかがえる状態。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週も株式市場には大きな変化がありました。半導体関連株が猛烈な上昇を見せ始めました。

米国では連日のようにエヌビディアが史上最高値を更新し、生成AIの周辺には引き続き投資資金が渦巻いている様子がうかがえます。S&P500は連日の最高値を更新し続けています。

半導体関連株の急動意のきっかけは、主要企業の決算発表です。1月18日(木)に台湾のTSMCが10-12月期の決算を発表し、そこで2024年12月期の売上高が前期比で+20%も増える見通しを明らかにしました。

それに続いて今週はオランダの露光装置大手、ASMLの決算がきっかけです。ニューヨーク市場で株価は+8%以上も急騰しました。

半導体の世界トップ企業が立て続けに10-12月期からの業績が急回復していることを明らかにしたため、日本でも週末にかけて半導体関連株が全面的に動き始めています。

スピード調整を終えた後の日経平均の上値余地は一段と広がってくるように感じられます。

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注目記事 Pick up
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【「自社株買い候補」をさらに選別
日本証券新聞1月29日(月)紙面1面TOP記事掲載 

決算発表の“もう1つの注目点”

日経平均急反落となった26日にも強い動きを見せたのが自社株買い銘柄。ディップが3.2%高まで買われ、Macbee planetも一時4.3%高。25日にもスーパーバッグが一時4.1%高となるなど感応度の高さは相変わらずだ。もちろん、前日のニデックのように、自社株買いよりも決算悪に反応して急落する銘柄もあるわけだが、ともあれ決算発表シーズンは“自社株買いの季節”でもある。月別で見れば、2月は5、11月に次いで3番目に発表件数が多く1件当たりの金額もここ数年、増勢をたどっている。週明け以降、発表急増が想定されてきそうだ。

大和証券が25日付レポートで「1~2月の自社買い発表期待銘柄」を選定しているので、紹介したい。過去3年間で、昨年を含めて2回以上、1~2月に自社株買いを発表した銘柄をスクリーニングしたものだ(表参照)。11日付本紙2面でも「3年連続発表の主要8銘柄」を取り上げているが、このうち既発表のニデックを除く7銘柄は全て表に含まれていた(3年連続は計16銘柄)。

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今日の市況概況
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1月26日(金)☆[概況/大引け] 

485円安。インテルの見通しと月末の年金売りを警戒。半導体関連や海運、銀行が安い。大平洋金属が急騰。大阪ソーダは肥満治療薬関連

大引けの日経平均は485円安の3万5,751円、TOPIXは34ポイント安の2,497ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は322、下落銘柄数は1,294。出来高は15億8,316万株、売買代金は4兆5,018億円。
米国のインテルの第1四半期の見通しがアナリスト予想に届かなかった影響で、半導体関連が売られた。
加えて、年初からの日本株急騰に伴い、年金運用において資産配分以上に増えた日本株を減らす「ヘアカット売り」が月末に出てくることも警戒された。

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