5月17日(金)のマーケット
5月16日のNYダウは一時4万51ドル(143ドル高)となったが、地区連銀総裁の発言を受け、小反落となった。クリーブランド連銀のメスター総裁は「金利をあまりに早く急激に下げれば、これまでのインフレ沈静化の進展が台無しになる恐れがある」と発言し、リッチモンド地区連銀のバーキン総裁もインフレ率が「持続的に2%に達するには(=下がるには)、もう少し時間がかかると思う」と述べた。イーライリリーやキャタピラーは売られたが、ウォルマートは通期予想を上方修正したことで買われた。NYダウは前日比38ドル(0.10%)安の39,869ドル。ナスダックではスーパー・マイクロ・コンピュータが反落し、シスコシステムズは業績予想を上方修正したが売られた。AMDは3日続伸。NASDAQ総合指数は前日比44ポイント(0.26%)安の16,698。S&P500指数は前日比11ポイント(0.21%)安の5,297。
米国株の反落を受け、日経平均も反落したが、昨日とは逆にTOPIXは小じっかりだった。銀行株が買われたことやプライム市場全体では上昇銘柄数の方が多いことがTOPIXを支えた。電力と鉄鋼、自動車も上昇。中国が不動産市場の救済策として地方政府に売れ残り住宅買い取らせる案を検討で、ニデックや資生堂、宮越HDといった中国関連の一角が上昇。東京エレクや信越化学など半導体関連が売られ、電通は海外の回復が見通しにくく下落。
スタンダード市場では、麻生と資本業務提携の住石HDが大幅続伸。日本電子材料は好調が継続。住信SBIネット銀が買われ、山大が大幅高。錢高組はスペインの運用会社が注目と報じられ上昇した。アルメディオは調整が続き、PKSHAも売られた。レアジョブは大幅続落。
グロース市場では、GNIが年初来安値。QPS研が売られ、Kudanが反落。一方、クリングルファーマは声帯瘢痕患者向けの臨床試験で実施する病院を追加したため、症例組み入れ数増加の期待で大幅高となった。かっこは不正注文検知サービスをゲオストアが導入したことでストップ高。
日足チャート上では、頭を抑えていた25日移動平均線の上に浮上。5日移動平均線・75日移動平均線の上での推移となった。一目均衡表の雲の下放れを回避して雲の中を進行中。底堅さを見せた。週足では上下にヒゲを伴う陽線。来週以降、上値抵抗となっている13週移動平均線(3万9033円)を上抜くことが出来るかがポイントとなる。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。決算発表が終わりました。連日の決算ラッシュで目が回りそうです。
とりわけこの1週間は連日400社から600社の企業が怒涛のように決算データを明らかにしました。人間の目では追いかけきれないのも当然で、第一報にはプログラミングされた自動売買が瞬時に反応するのみ。そこから本当の評価が始まります。
出そろった全体像では、前期までの好調さは今期は一服していることとが明らかとなりました。日本経済新聞がプライム上場の1070社を集計したところ、今2025年3月期の純利益は▲4%と5年ぶりに減益の見通しとなります。
為替市場での円安効果は、以前ほど売り上げに対するメリットはなく、むしろ原材料の上昇が助長されて企業にはマイナスの要素が大きくなってきました。中国経済の不透明さも圧迫要因となっています。コロナ禍でも難儀した経営の舵取りは格段にむずかしさを増しています。
不確実、あいまい、変動の大きな「VUCAの時代」において、それでも企業経営者は果敢に次の成長を目指して舵を切っている様子です。産業界のここからの動きに目を凝らしておく時期が来ているようです。
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注目記事 Pick up
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【どうなる?今年のプライム“昇格”第1号】
日本証券新聞5月20日(月)紙面1面TOP記事掲載
13~15日に3社が「申請準備」を発表
エンバイオHD(6092・G)が22日、東証スタンダード市場に上場市場区分変更される。長らくのもみ合い状態から脱したわけではないが、発表直後の16日には昨年10月以来の高値を付けた経緯がある。そして、意外なことに、今年の市場区分変更は同社が初めてとなる。東証サイトによれば、2022年が6銘柄(うちプライム移行が4銘柄)、昨年が15銘柄(全てプライム移行)だが、今年はこの株だけだ。これらはプライム市場からの市場再選択などを除いたものだが、いずれにせよ今年はまだプライム“昇格”銘柄が出ていない。わずか3年前までの、ネコも杓子もといった感じでの“1部指定ラッシュ”もすっかり過去の話になったようだ。それだけプライム銘柄の“プライム感”が増してきたとも言えるだろう。
希少価値の高まったプライム市場移行だが、今後の候補銘柄は…。大和証券では3カ月に一度、予想レポートを発行しており、次は6月上旬とみられるが、先の決算発表シーズンを通じて、「東京証券取引所プライム市場への市場区分申請に向けた準備に関するお知らせ」という全く同じ題名のリリースを発行した企業が3社ある。
・・・続きは紙面・Digital版で!
今日の市況概況
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5月17日(金)☆[概況/大引け]
昨日とは逆に日経平均が売られる中、TOPIXは小じっかり
大引けの日経平均は132円安の3万8,787円、TOPIXは8ポイント高の2,745ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は999、下落銘柄数は592。出来高は18億4,255万株、売買代金は4兆236億円。
米国株の反落を受け、日経平均も反落したが、昨日とは逆にTOPIXは小じっかりだった。銀行株が買われたことやプライム市場全体では上昇銘柄数の方が多いことがTOPIXを支えた。電力と鉄鋼、自動車も上昇した。
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